2019年11月25日

乾燥とスキンケアのお話<くやま小児科だよりNo235/2019/11>

これからの時期は、乾燥して肌荒れが起きやすい季節ですね。
最近は、肌の健康には「保湿」、という考え方が一般の方にもよく知られるようになりました。
今月はスキンケアのポイントと、スキンケアがアレルギーの予防にもつながるというお話です。

<赤ちゃんのお肌の特徴>

乳幼児の肌は弾力がありプルプルしていますが、皮脂の分泌が少なく表面はとても乾燥しやすいです。
さらにバリア機能が未熟なので、乾燥して肌が荒れると刺激物が侵入しやすくなって、繰り返し炎症を起こすことが多くなります。
冬のスキンケアのポイントは、「刺激から肌を守る」と「保湿」です。

<刺激から肌を守る>

刺激から肌を守るためには、洗い方と衣類に注意です。
洗い方は、添加物の少ないせっけんをよく泡立てて、手でやさしく洗ってください。
衣類は「ちくちく」「ごわごわ」しない、柔らかい材質を選びましょう。

<保湿がとにかく大切>

荒れた肌は、刺激に弱く水分も蒸発しやすくなります。
かゆみが出て掻くことでさらに荒れ、悪循環に陥ります。
保湿剤でしっかりバリアを補い、肌を守りましょう。
保湿剤選びは、夏は伸びがよくさらっとしたローションタイプのものが好まれますが、冬はべとつくくらいの保湿効果の高い「軟膏」がよいでしょう。

<保湿剤の使い方>

保湿剤は「取れたら塗る」がポイントです。
回数を多く塗ることです。
特に手や口のまわりなど、よく洗ったり拭き取ったりする場所は、その都度何度でも塗るようにします。
少しテカテカする程度に厚めに塗るのも大切です。
目安は、大人の人差し指の先から第1関節までの部分に軟膏をチューブから出し、大人の手のひら2枚分の面積に塗ると適量になります。(Finger Tip Unitといいます)
ステロイドをはじめどんな軟膏にも当てはまりますので、覚えておくと便利です。

<ステロイド軟膏が必要なことも>

炎症がおさまらないときには、保湿剤の他にステロイド軟膏が有効なことがあります。
ステロイド軟膏はアトピー性皮膚炎にかぎらず、炎症のある湿疹にも有効です。
ステロイド軟膏の使い方のポイントは、すっかりよくなるまで使い続けることです。
少し炎症が軽くなったら中止する使い方が多いですが、すぐに止めると炎症を繰り返してかえって使用量を増やすことになります。
よくなるまでは集中して使い続け、やめてよいかの診察を受けましょう。

<アトピーの予防のためにもスキンケアを>

アトピー性皮膚炎は、以前は食物アレルギーが主な原因と言われていました。
しかし研究が進んだ現在は、皮膚のバリア機能の異常が主な原因で、食物アレルギーは関係ないかあっても脇役と考えられるようになりました。
つまり、傷んだ皮膚から食物やダニなどアレルゲンが侵入してアレルギーが起こるるのです。
現在では、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎の「原因」というより「結果」であることがほとんどと考えられています。このように皮膚を通してアレルギーが起こることを「経皮感作」といいます。
乳幼児の荒れた肌によいスキンケアをすることは、この経皮感作を防ぐためにも大切なのです。
posted by kuyama at 00:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする