2005年11月05日

小児科だより11月号(No69/2005/11)

1)予防接種制度の改正について(続きをよむからどうぞ)

2)地域ではやっている病気(わんポイントメモ)
10月は気候の不安定さもあり、軽い咳や鼻水のカゼが多かったですが、高熱が出たり、重い病気の方は少なかったです。
気管支喘息の発作をおこすお子さんも目立ちました。
インフルエンザは、検査キットの普及で早くから見つかるようになり、数は少ないですが既に報告は出てきています。
昨年の流行は大規模でしたが、今年はどうでしょうか。
流行しないことを祈りつつ予防接種を行う日々です。

3)ちび鉛筆
今月は予防接種制度の改正をとりあげました/今後導入が望ましいとされる新しいワクチンもあり/まだこの動きからは目が離せません/受ける側としては色々な変更に戸惑われることと思います/接種にあたって疑問や不安などがありましたらご遠慮なくお尋ね下さい(T)
1)予防接種制度の改正について

2006年4月に予防接種制度の改正がありますので、今月はこのことについてご説明いたします。

◆麻疹ワクチン、風疹ワクチン
今までの予防接種法では、麻疹ワクチンと風疹ワクチンは生後12ヶ月から7歳6ヶ月までの間にそれぞれ1回接種することになっていました。来年4月からは2つのワクチンを混合した「麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)」になります。
接種時期も改正されて、生後12ヶ月から2歳までの間に1回目の接種、さらに5歳から7歳までの間に2回目の接種を行います。

Q.2回接種になったのはなぜですか?

A.麻疹ワクチンと風疹ワクチンは効果の高い予防接種で、95%くらいの方が終生免疫がつくといわれてきました。しかし免疫はしだいに薄れて罹患する人が出てくることがわかってきて、現在は1回接種では終生免疫がつくのは90%位と言われています。
すでに多くの国々で2回接種となっており、日本でも2回接種を行うことになりました。

Q.1歳を過ぎたのですが、麻疹ワクチンと風疹ワクチンを4月までにそれぞれ単独で接種したほうがよいですか?それとも来年4月まで待ったほうがよいですか?

A.2005年の年末くらいまでなら、これから麻疹ワクチンと風疹ワクチンを単独でれぞれ接種することをお勧めします。来年の3月末まで3ヶ月ある期間を使って、2つともそれまでに接種を終えてください。
3月末までに2歳になる方や、4月始めで2歳になる方は麻疹・風疹混合ワクチンを接種できないか、できても時間のゆとりがほとんどないので、3月末までに単独で2つのワクチンを接種し終えるほうがよいでしょう。
2006年になったら、4月の時点でまだ2歳までに1月以上ある方は4月になってから新しい麻疹・風疹混合ワクチンの接種をお勧めします。今のところ麻疹、風疹とも流行はなく、予防接種を待っている短い間にかかる可能性はほとんどありません。しかし地域で患者が発生したら早めに単独接種に切り替えてください。

Q.麻疹ワクチンか風疹ワクチンのどちらか1つを接種した後で、もう1つをまだ接種していません。来年4月になったらもう1つのワクチンを公費で接種できますか?

A.国は市町村に費用負担を勧めていますが、基本的には各市町村の判断になります。本埜村では2歳までは残りのワクチンを公費で接種できますが、近隣の多くの市町村では自費になるようです。その場合、来年4月になったら、2歳前であってもなくても、もう一つのワクチンは公費で接種できなくなります。
1つのワクチンを接種したら、来年3月いっぱいまでに残りの1つも接種を終了しましょう。
(該当になる方は、お住まいの市町村にご確認下さい)

Q.麻疹ワクチン、風疹ワクチンは自費になった場合でも接種した方がよいですか?

接種した方がよいです。麻疹は重症になることが多く時に死亡することもあります。それだけでなく、伝染力がとても強いのでまわりに流行させます。
風疹は妊娠初期から中期にかかると高い率で胎児に先天性風疹症候群という奇形をおこします。
男性も女性に感染を起こしますので接種して下さい。
成人の風疹も重くなることがあります。

Q.麻疹ワクチンと風疹ワクチンを単独で1回づつ接種した人が、将来麻疹・風疹混合ワクチンを公費で追加接種できるようになりますか?

A.今はできませんが、国は有効性と安全性が確認できれば、将来単独で接種した人にも第2期(5〜7歳)の接種を検討するとしています。時期は未定です。

◆日本脳炎ワクチン
いままでは第一期(生後6ヶ月から7歳6ヶ月の間)、第二期(9歳から13歳の間)、第三期(14歳から16歳の間)の接種時期がありましたが、来年4月からは第三期が廃止されて、第一期と第二期だけになります。

Q.なぜ第三期が廃止されたのですか?

A.日本脳炎の発生が少くなって、今後も減少すると考えられるためです。しかし日本脳炎ウィルスを保有する豚や蚊は九州、四国、中国地方などには多く、地球温暖化につれて北関東から東北南部まで見つかっています。第三期を含めた追加接種が必要と考える専門家もいます。

Q.今は日本脳炎ワクチン接種の中止勧告が出ていますが、今後また接種することのなるのですか?

A.従来のワクチンは、副反応が否定できない重い症状が出たため接種が勧められなくなり、現在新しい日本脳炎ワクチンを開発中です。再開の時期は未定ですが、2〜3年以内には再開できるかと言われています。再開になったら自治体から対象者に通知される予定です。

Q.将来日本脳炎ワクチンが再開される時点で対象年齢を過ぎていても、公費で接種できるのですか?

A.現時点での国の方針では接種期間を過ぎた人については、公費での接種対象とはしないということです。

◆ジフテリア、百日咳、破傷風のワクチン
今まではジフテリア、百日咳、破傷風の単独ワクチン接種が法律で認められていましたが、今後は第一期の接種は単独ワクチンは認められず、三種混合だけになりました。理由はもう製造されていないためです。

(参考)予防接種法 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/bcg/tp1107-1.html
posted by kuyama at 11:36| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする