2009年04月02日

小児科だより04月号(No110/2009/04)

プレゼント今月の記事
◆赤ちゃんの行動のフシギ
◆地域ではやっている病気


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◆赤ちゃんの行動のフシギ

赤ちゃんの行動は、大人から見ると「なぜなのかな?」と思うことがたくさんあります。
でも1つ1つの行動は、たいていちゃんと理由があります。子育てを始めて1年以内に出会う乳児のいろいろな行動についてお話いたします。

<指しゃぶり>
生後5ヶ月くらいになると、赤ちゃんは指しゃぶりをはじめます。これには2つの理由があります。
1つは食べる練習です。5〜6ヶ月の離乳食開始に合わせて、初めは指を歯ぐきでかむ、しだいに指をのどの奥につっこんで飲み込む練習をします。指をのどに入れて「おえおえ」しているのはやめさせる必要はありません。母乳やミルクしか飲めない新生児期は、固形物を誤嚥(飲み込みがうまくいかず、食べ物が食道でなく気管の方に入ってしまうこと)しないように、のどは知覚過敏になっています。この過敏を解除してのどに固形物を入れる練習が必要なのです。
2つ目の理由は指を使う練習です。一番たよりになる口の感覚と指の感覚を合わせて、指でいろいろの固さのものをいろいろの強さでつかむ練習をすることで、手が使えるようになります。
むかしは、指しゃぶりをやめさせようと、指にからしを塗ったことがありましたが、必要のないことですね。
口や指が上手に使えるようになると、自然に指しゃぶりはなくなります。

<耳をかく>        
指しゃぶりと同じ頃に、耳をかく動作が出現します。この時期は目的もなく、ひたすら手を使う時期で、ちょうどよい位置にある耳をいじります。
親の鼻の穴や口に指をつっこむのも好きです。
まだ力の加減ができないので、耳や身体にすり傷をつけることがありますが、心配いりません。
次第に微妙な力加減ができるようになります。

<後追いと人見知り>
生後5ヶ月頃から後追いと人見知りが始まります。この行動は移動する能力(はう、歩く)と関係があります。動物は、生まれた直後から歩き、ひたすら親の後をついて歩きます。見知らぬ生き物は敵ですので、出会ったときには逃げて親を呼びます。
人間は歩けないまま生まれ、移動を始める時期になると後追いと人見知りが出てきます。これは生き延びるためにはなくてはならない本能であり、またこの時期に恐れや愛着といった感情がしっかりと現れ、7〜10ヶ月健診で大切な発達の目安になります。人見知りがはっきり出なくても、後追いが確認できれば十分です。

<奇声> 
生後半年過ぎから、大声をあげるようになります。
口呼吸ができるようになり、声が出せるようになると、声を出す練習を始めます。言葉を話す大切な時期です。子どもの記憶力はすごくて、一番言葉を覚える時期には1日30語を覚えます。うらやましいですね、、。
たくさん声かけやお話の相手をして下さい。

<離乳食の好き嫌い> 
せっかく作っても、なかなか食べてくれない...
いろいろ理由があると思われますが、2つのことを説明いたします。
1つは、まだ上手にかんだり飲み込む能力が備わっていないためです。このため長い練習が必要なのです。
2つめは、新しい味や舌ざわりに、初めは警戒するということです。これも長い目で見て、根気よく慣れさせていくことが大切です。
もちろん味付けはうすく、素材本来の味を教えてあげましょう。この時期の味付けや食習慣は、その後の健康に大きくつながってゆくものです。

***
赤ちゃんの行動に秘められた、成長と発達のカギ。
そのごく一部をご紹介しましたが、理由が理解できると、対応にも少し、余裕が生まれるかもしれませんね。
幼児期の「この子って、なんでこうなの?!」は、また別の機会に書いてみたいと思います。

◆地域ではやっている病気
インフルエンザの流行は、この地域では先月に続きB型が増加、もうひとつのピークをつくりました。卒業式や終業式などを控え、お子さん親御さん、そして園や学校の関係の方にとっても大変な年度末でしたね。
春休みに入って感染症はようやく終息し、小児科外来もほっと一段落です。
そして新年度。新しい環境になじむのは子どもも緊張するものです。少々失敗があっても気にせず家ではリラックスできるよう、配慮してあげましょう。


◆ちび鉛筆
ご入園ご入学おめでとうございます/ぴかぴかドキドキの1年生ですね/大人はそんな経験が少なくなりますが/春はちょっと心を新たにして/仕事や趣味に気合いを入れ直したいと思います(T)

posted by kuyama at 09:10| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする