2009年06月01日

小児科だより06月号(No112/2009/06)

プレゼント今月の記事
◆日本脳炎予防接種について
 6月3日より新しいワクチンによる接種が始まります
◆新型(豚)インフルエンザ
◆予防接種・乳児健診枠を増やしています
◆地域ではやっている病気


◆日本脳炎予防接種について
 6月3日より新しいワクチンによる接種が始まります

2005年5月末、厚生労働省は「日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨を差し控えるように」という勧告を出しました。これは、ワクチンとの関連が不明ながら「急性散在性脳脊髄炎(ADEM)」がまれですが(70〜200万人に1人)発生したためです。
ただし、保護者が希望される場合は、同意書を書いて頂いた上で実施することは差し支えないとされ、当院でも接種を行ってきました。
今回認可された新しいワクチンは、ADEMが発生しにくく改良してあります。しかし発売まもないため副反応が正確に予想できないので、1期(初年度に2回、翌年に1回)だけは接種できますが、2期目にはまだ使用が許可されていません。いずれ2期にも使用できるようになると期待されています。

<新ワクチンで接種するにはどうしたらいいの?>
今まで接種を控えていた方は、規定の年齢(3歳から7歳半)内での接種をお勧めいたします。
旧ワクチンを接種して現在1期の途中の方も、新しいワクチンで1期の残りの接種を行うことができます。
いずれもご希望の方は、お住まいの市町村にお問い合わせの上、新しい問診票を用意されてご予約ください。

<日本脳炎とはどんな病気ですか?>
コガタアカイエカとブタのあいだで伝染している日本脳炎ウィルスが、コガタアカイエカに刺されることで人間に感染しておこります。
大多数の人が無症状に終わりますが、発症すれば20〜40%が死亡します。
日本での発症者は年間数人ですが、九州や四国のブタの80%は秋に抗体を持っていて、いまだに高率にウィルスが日本で繁殖していると考えられ、予防接種で流行が防がれている病気です。また、近年日本から渡航する方も多い中国や東南アジアなどでは広く流行があります。

<もっと判断材料がほしいのですが>
下記のサイトに、詳しい情報が掲載されていますので、ぜひチェックしてみて下さい。

○厚生労働省のQ&A
http://www.mhlw.go.jp/qa/kenkou/nouen/index.html
○国立感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/disease/JEncephalitis/index.html


◆新型(豚)インフルエンザ

5月に入って日本でも広がりを見せ、ご心配だったことと思います。
当院でも連日情報収集に追われ、対策会議の招集などで慌ただしい1ヶ月でした。
5月30日現在、日本では小康状態に入ったとみられています。また、これまでに感染した方々から得られたデータにより、いろいろなことがわかり、今後に向け対策が検討されています。
「香港型」がそうであったように、最終的には世界中に広がり、季節性インフルエンザの1つになる可能性が高いと考えられています。
今後は秋冬シーズンに向けての警戒も必要です。
今回のウイルスだけでなく、季節性インフルエンザも、流行すれば肺炎などを起こして1万人くらいの方が亡くなりますから、両方に目を向けたワクチン生産の議論がされているのです。
今回のことで、多くの一般の方々が感染予防の知識に目を向け、実行して下さいました。
「恐れず侮らず」、ふだんから感染予防の意識を(過度にならない程度に)持つことが大切です。

・来院の際、咳のある方は必ずマスクを着用して下さい
 ない方は、受付にお申し出下さい
・トイレ2カ所、受付に手指消毒剤を設置
 しました。胃腸炎などの予防にもなり
 ますので、今後も常備いたします


◆予防接種・乳児健診枠を増やしています

ご希望が多く、予約がだいぶ先になってしまう、という状況を少しでも改善するため、一般受診の少ない時期には予防接種の時間を延長したり、夏期には土曜日にも時間を設けてまいりました。
今年度からは、月1回、休診の水曜午前中にも健診を行っていますので、ご利用下さい。(医師公務のため5、6月はありません)
病気や発達の問題は、未然の予防や早期発見が最大の治療であるという考えに基づき、接種や健診に力を入れております。


◆地域ではやっている病気

5月は、環境の変化や連休などで体調を崩すお子さんが増える時期ですが、このたびは不急の受診を控えた方も多かったことと思われ、例年より外来はすいていました。そんな中で、胃腸炎の小流行、溶連菌感染症、水痘などの増加はあったようです。
これから暑くなると、ヘルパンギーナや咽頭結膜熱(プール熱)が増えてくると予想されます。
いわゆる夏カゼで、高熱のわりに軽くすむことの多い病気です。


◆ちび鉛筆

豚インフルエンザはひとまず落ち着いたようですね/ニュースでは休校が解除された子どもたちの笑顔/一部は過剰であったと思われますが/園や学校で過ごす時間がいかにかけがえないものか/平凡な日々の貴重さ有り難さを痛感させられます/南半球とりわけ発展途上国での感染拡大が心配です(T)
posted by kuyama at 07:53| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする