2009年10月31日

小児科だより11月号(No117/2009/11)

プレゼント今月の記事
◆脱水予防*大切なのはホームケア
◆新型インフルエンザワクチン接種について
◆地域ではやっている病気

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◆脱水予防*大切なのはホームケア
これから冬にかけては、インフルエンザだけでなく、嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)が増えてきます。
薬は自然治癒力を助けてくれますが、どんな病名であっても、身体で起こっていることを理解し、適切なケアをすることが何よりの治療です。
体重あたりの水分必要量の多い小さい子どもに、脱水は大敵。患者さんには詳しいパンフレットをお渡ししますが、ここでは日頃の心構えとして、ポイントを。

<脱水になりやすい時は?>
 ・繰り返し吐いているとき
 ・下痢が続くとき
 ・熱が高く、飲みたがらない時

年齢が小さいほど脱水は進みやすいので、食欲がなく具合が悪そうなら、意識して水分を与えましょう。

<何を飲ませるの?>
水だけでなくナトリウムなどの「電解質」も失われますので、水と一緒にこれらも補う必要があります。
水や麦茶には電解質は含まれていないので、これらが添加された飲み物を飲ませます。
「乳幼児用イオン飲料」と指定して、薬局などで購入すれば手軽です(OS-1、アクアライトなど)。
症状がおさまり食べられるようになれば、イオン飲料は必要ありません。
スポーツドリンクは、糖分が多く治療には適しません。

母乳(ミルク)のお子さんは、薄めず少しずつ。
イオン飲料に、無理に変更する必要はありません。

<吐き続ける時にも少しずつ>
少量ずつ与えることで腸からの吸収が期待でき、徐々に吐き気は治まるというのが、最近の知見です。
1)吐いた後は、子どもの表情が落ち着くのを待つ
2)最初はスプーン1杯から、数分おきに様子をみて
3)吐かなければ50ml・・100ml・・と増やす
4)吐いたらまた1さじから始めます
 ★だましだまし、根気よく、頻回に
 ★おしっこが出ないなら、様子をみずに受診を


◆新型インフルエンザワクチン接種について
<いつ頃から受けられるの?>
厚労省の計画では、11月から妊婦や基礎疾患のある方への接種を開始、その後1歳〜就学前の幼児、低学年の子どもと進めていくことになっていますが、10月末現在、まだご案内ができる段階にはありません。
(ブログ追記)この図は、あくまでも現時点での国の計画です。
実際には接種回数の変更や、県市町村レベルでの作業などにより、時期がずれると思われます。


vaccine_sche.jpg


<現在は喘息患者さんの準備中です>
当院では、喘息で定期通院中の患者さんにメール登録をしていただき、ワクチン確保ができ次第予約を始められるよう準備中です。それ以外のお子さんへの接種は次の段階になりますので、もうしばらくお待ち下さい。

<ワクチンで期待できる効果は?>
季節性と同様です。感染予防効果はある程度ありますが保証されていません。
一番の目的は重症化を防ぐことで、「接種したから安心」ということはなく、うがい手洗いなどの励行は続ける必要があります。
季節性インフルエンザに対する効果はありません。

<副反応はどの程度ですか?>
今のところ、季節性と同程度と考えられています。
季節性では、接種部位の発赤・腫脹、疼痛(10-20%)全身性の反応としては、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感など(5-10%)です。まれに、アレルギー反応(発疹、じんましん、発赤と掻痒感)が見られることがあります。
その他、因果関係は必ずしも明らかではありませんが、ギランバレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、紫斑などの報告がまれにあります。
詳しくは厚労省のHPをご覧下さい。
★厚生労働省「新型インフルエンザワクチンQ&A」
    

<すでにかかった人は受けなくていいの?>
かかった人は免疫を持っていると考えられるので、必要ありません。この時期に診断された方はほぼ「新型」と考えられます。ただし、はっきりしない場合は希望があれば接種可能です。

<その他の情報>
・接種は優先順位にかかわらず、義務ではありません
・13歳未満は2回接種で、接種の間隔は1〜4週間です
・ワクチンの予防効果が期待できるのは、接種後2週か ら5カ月程度と思われます
・他のワクチンは1週間あけ
 れば接種できます

◆地域ではやっている病気
10月に入ってインフルエンザは週ごとに増え、千葉県は現在注意報レベルに入っています。
県のデータをみると、0〜14歳が患者の70%以上を占めており、今のところ小児が中心となっています。
現在の状況では、A型であれば新型と考えてまず間違いありません。まもなくワクチンの接種が始まりますが、流行の広がりの方がはるかに先行していますので、引き続き手洗いうがいの励行など、出来ることを続けましょう。かかったら外出を控えマスクや手洗いなど、まわりの人にうつさないようにしましょう。

posted by kuyama at 09:43| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする