2010年02月01日

小児科だより02月号(No120/2010/02)

プレゼント今月の記事
◆育児困難と子どもの虐待
◆ワクチン接種もれはありませんか?
◆地域ではやっている病気


◆育児困難と子どもの虐待

昨今小児科医が子どもの虐待を見る機会が増え、私もご相談を受けた経験があります。
子どもの虐待は、平成19年度では51,618件の報告があり、10年前の7.6倍に増加しています。報告はごく一部ですので、実際にはその何倍〜何十倍と考えられます。被虐待は乳幼児が多く、虐待死は0〜3歳が62.5%と大半を占めています。並行してドメスティックバイオレンス(パートナー間の暴力)も増加しています。

<虐待の背景>
虐待するのは特殊な人たちでしょうか?
実際には、所得、生活困難度、学歴など目に見える状況で説明しきれるものでなく、どんな家庭にも起こり得るものと言われています。
実は虐待は、はるか昔からあった問題ですが、最近は報告が増加しています。理由は子どもの人権が認められるようになったことがありますが、社会の側からは、人間関係の絆(きずな)が変化して今までとは違うタイプの虐待が増えたことがあります。
結婚や子どもを持つのが人生の「選択肢の1つ」になった現在、子どもに愛情を持つのがあたりまえではなくなってきた背景があると思います。
子どもの命と人権を守ることは当然のこととしてありますが、一方で親を支える視点が求められています。
親を親子、パートナー、職場等との関係、自己実現など様々な角度から見てゆくことが必要と思います。


<健診の役割>
「健診」は通常の診察と違って、病気を見るのではなく育児相談をする場です。
発達や育児の観察を通して、お子さんや家庭の社会や教育とのかかわりにも目を向けます。
虐待は特別な人たちが犯すもの、でなく、誰もが陥る可能性をもっていると書きました。問題が深刻になることを未然に防ぐという意味で、私は、とくに最近、健診を通して育児に困難を抱えていないか心を配ることは、小児科医の大切な役割であると考えるようになりました。

★乳児健診で気をつけること

育児の大変さや困難さ、育児に愛情や楽しみを持てなくなること、をチェックする項目を次に挙げます。
・育児不安・負担がある
・育児の相談をできる人がいない
・子どもを遊ばせる、外に連れ出すことがあまりない
・子どもに飲みむらがあるのが心配
・子どもがよく寝ない
・上の子の育児が大変

これらのことは一時的には誰にでもあることで、あてはまってもすぐに心配することはありません。
しかし、解決手段がなく問題が続き、次第に大変になっていくことは気をつけなければいけません。
今までは育児の悩みについてお話を伺うことはあっても、どこかお互いに遠慮したり場違いと感じたりしていました。しかし育児の大変さや、育児に価値を見いだせないということにも、もっと率直に話し合える健診でありたいと思っています。

どんなことを大変に思っているか、心配事を話したり、ちょっと荷物を降ろしたり、そんな気持ちで健診を利用なさって下さい。


◆ワクチン接種もれはありませんか?

この春から集団生活に入るお子さんは、とくによく母子手帳で確認しましょう。
水痘やおたふくは自費になりますが、かかっても軽くすみ余病を防ぎますので、おすすめしています。2つの同時接種も可能ですので、ご相談下さい。


◆地域ではやっている病気

豚インフルエンザは年末年始を境として激減しましたが、学校が始まって少し増え、学級閉鎖
なども出ています。
この時期に広がる季節性インフルエンザは全く流行のきざしはありません。今後どのようになるのか関心がもたれています。
いずれにしても、引き続き手洗いうがいの励行など、出来ることを続けましょう。
今流行がひろがっている冬の嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)の予防にも効果があります。


◆ちび鉛筆

院内に編みぐるみ&ぬいぐるみ増殖中/可愛いミニチュアダックスやほのぼのしたカエル/ちょっと変な顔のワニやウツボなどの長いもの系/いろんなのがいますので/どこにいるか探してみてね/クラフト紙の壁面飾りも春の新作進行中です♪(T)
posted by kuyama at 07:26| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする