2010年06月01日

小児科だより06月号(No124/2010/06)

プレゼント今月の記事
◆この咳はかぜ?ぜんそく??
◆地域ではやっている病気


◆この咳はかぜ?ぜんそく??

梅雨や季節の変わり目は喘息の症状が出やすい時期です。昨年の7月号でも診断の基準やどんな場合に治療が必要かについて書きましたが、毎年新しい患者さんがみえますので、少し視点を変えながらお話しましょう。

<気管支喘息とはどんな病気?>
体質としての気管支の過敏性があって、そこにいろいろな刺激(感染やアレルギー、汚染された空気、気候変動など)が加わって炎症を起こし、痰の分泌やむくみのために気道が狭くなって「ゼイゼイ」と呼吸が苦しくなる病気です。
この病気の人は、ゼイゼイの発作がおさまっても気管支の「炎症」は残っていて、それがまた次の発作を起こしやすくしてしまう「悪循環」に陥り、ついには気管支の炎症が固定(慢性化)して一生の病気になってしまう可能性があります。将来の生活の質に関わることですので、回復力のある子どものうちにこの悪循環を断ち、しっかり治すことが大切なのです。

<かぜと喘息は見かけの症状が似ている>
気管支にこのような状態がなくても、一時的に「かぜをひくとゼイゼイする」お子さんもあり、その見きわめが大切です。
そもそも喘息発作の原因に「感染」とあるように、かぜ(呼吸器感染症)に加わる形で症状が出ている場合が多く、この2つの区別をわかりにくくしています。
医師のあいだでも「過剰に診断されているのでは?」と議論があるほどです。
親御さんが悩み迷われるのも無理はありませんね。
このように喘息が軽い時、かぜとの区別はつけられないことがよくありますし、初めから区別はせず、まずは症状に即した治療を行います。


<どうやって喘息と診断するの?>
決め手となる検査はありません。
その後の経過や治療への反応をみて、診断します。
参考とする検査としては、アレルギー検査、「吸って〜吐いて〜」の呼吸機能検査、胸部レントゲン、動脈血酸素飽和度(指先にクリップをつけて測定)などです。
典型的な強い症状でなければ1回の発作で診断することはなく、通常は3回以上同じような発作が起こった場合に治療を開始します。
もちろん、かぜや喘息以外の鑑別すべき病気が隠れていないかも含めて慎重に判断していますよ。

<かぜの治療との違いはどんなところ?>
同じか似た症状でも、治療の仕方は違います。
かぜは一時的な病気で、よくなりはじめると薬を止めても自然に治ります。一方喘息は、慢性化を防ぐため、見かけの症状がおさまってからもしばらく治療し、気管支をケアする必要があります。
「喘息気味、喘息」と言われたら、治り切るまで指示どおりに治療を続けましょう。
治療に使う薬としては、吸入ステロイド、ロイコトリエン受容体拮抗薬(プランルカスト、オノン、シングレア、キプレス)が主役でどちらも安全性の高い薬です。
吸入ステロイドは世界中で3億人いる喘息患者の多くに使われて、安全性は広く確認されています。
飲んだり塗るタイプのステロイドと違い、全身的副作用がほぼゼロで、のどにカビが生えることが稀にありますが、うがいすれば消失し問題ありません。
他にテオフィリン(テオドール、テルバンス、アーデフィリン、ユニコン)、ホクナリンテープ、感冒薬などを使う場合もあります。

ここから先のお話は、該当する方には、診察とは別に時間をとって「喘息治療ガイダンス」を行っています。
疑問や不安もご遠慮なく出して頂きながら、今後の治療の進め方や、どうなったら治療が終了となるかというゴールを共有します。長くかかる場合もありますが、このようによく方針をご理解頂くことで、ご一緒に頑張って治していけると考えています。


◆地域ではやっている病気

5月は園や小学校のお子さんに
水痘が目立っていました。
伝染性紅斑の見られた地域も
ありました。
手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱などの、いわゆる「夏カゼウイルスの病気」が少しずつ出てきました。抗生剤は効きませんし、特効薬もないので対症療法となります。
軽くすむことがほとんどですが、高熱が続く、水分がとれない、ぐったりするなどの症状には注意が必要です。


◆ちび鉛筆

まもなく雨の季節ですね/ニュータウンでは蛍に会えなくなって久しいですが/今年はカエルの合唱がよく聞こえます/そういえば春はカナヘビ君もよく見かけました/気候のかげんなのでしょうか/それとも気のせいでしょうか??/いずれにせよ個人的には苦手な方々ではありますが/お元気そうで何よりです...(T)
posted by kuyama at 11:16| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする