2011年02月01日

小児科だより02月号(No132/2011/02)

プレゼント今月の記事
◆食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
 〜新しい考え方
◆地域ではやっている病気
◆ミニ診察室ができました

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◆食物アレルギーとアトピー性皮膚炎
 〜新しい考え方


健診などで気になる項目としてよく質問を受けます。
今月はその新しい考え方をご紹介しましょう。

<食事制限をしても減らないアトピー性皮膚炎>

アトピー性皮膚炎を治すには、原因となる食物アレルギーをおこさないよう食物制限を行うのが有効とされ、早期から食物アレルギーを予防するには、妊娠中や授乳中の母親の卵や牛乳などを制限したり、離乳食開始を遅らすことが勧められてきました。
ところが、母親の食事制限をしても、アトピー性皮膚炎は減らず、卵や牛乳を制限している母親の母乳だけを飲んでいても、卵や牛乳アレルギーになるお子さんが多いという結果が出てきました。
また、離乳食はアレルギーを心配して遅らせる必要はなく、むしろ遅らせない方が発症が少ないことがわかってきています。


<アトピー性皮膚炎が原因の食物アレルギー?>

アトピー性皮膚炎は、食物アレルギー発症前から始まっていて、遺伝傾向があることもわかってきました。
遺伝子解析が進んだ結果、現在はアトピー性皮膚炎は食物アレルギーよりも皮膚のバリア機能の異常(フィラグリン遺伝子など)が主な原因とされています。
そして、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの2つの病気を一緒に持つ方でも、大部分が食物アレルギーが主役でないことがわかってきました。
一部に食物制限の必要な方もいますが、それは今まで考えられてきたよりははるかに少数だということです。
むしろ皮膚炎によって肌のバリア機能が壊れているところから食物が身体のなかに入ってアレルギーを起こすのであり、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎の結果である、このようなアレルギーの仕組みを「経皮感作(けいひかんさ)」といいます。



<食物アレルギーは食べて治す>

食物アレルギー、親の目が届かなくなる頃には卒業してほしいものですね。
長期間の厳しい制限よりも、食べて治すのが最近の考え方です。
食物アレルギーをおこす食べ物でも、微量を繰り返し摂取することで食べられるようになることがあり、これを「減感作」とか「耐性誘導」といいます。
エビやソバなどは一生食べられないことも多いですが、減感作を行うことで、卵、牛乳、小麦などは過半数の方が食べられるようになります。
食べて治す、つまりアレルゲンを消化管から少しずつ入れることで耐性誘導を期待するわけですが、経皮感作による場合は、この耐性誘導をおこしてくれません。離乳食を遅らせない方がよいのも、ここに関係するのです。


<経皮感作の予防はスキンケア>

そんなやっかいな経皮感作を防ぐためには、乳児期からのスキンケア(清潔と保湿)が大切です。
お風呂では、石けんをしっかり泡立てて、タオルなどでこすらず素手でやさしく洗い、しっかりすすぐこと。
入浴後はすぐ、肌が湿っているうちに、手のひらを使ってたっぷりと保湿剤を塗ります。
入浴後だけでなく、顔や手は洗ったり拭いたりした後、1日に何度でも、気づいた時にぬりましょう。
特に食事の時、お口のまわりをゴシゴシこすらないようにしましょう。
こちらが参考になります。動画もあって具体的です。


<過度に衛生的な環境が、アレルギーを増やす>

アレルギーが先進国の間で増えているのは、行き過ぎた衛生志向が原因であるとの説があります。(衛生仮説)
汚いものや感染から遠ざかりすぎると、免疫が正常に働かなくなって、アレルギーをおこしやすくするという考えです。この考えは免疫の仕組みがわかるにつれて、現在ある程度正しいとされています。
日本でも、感染の機会の多い保育園児のほうが、実際アレルギーは少ないです。外遊びや人とよくふれあうことは、アレルギーについてもよいことがありそうです。



◆地域ではやっている病気

先月多かった胃腸炎はすっかり少なくなり、年明けからインフルエンザ(A型)の流行に突入しました。
1月下旬現在は新型(いつまでこう呼ぶのでしょう)インフルエンザが主流です。
薬がよく効いており、当院では今のところ入院が必要な重い症状の方は出ていません。現在がピークと思われ、その後は春先にかけて、昨年少なかったB型も流行する可能性があります。
花粉症の方はそろそろ症状が出てくる頃です。
早めの予防と治療をおすすめします。


◆ミニ診察室ができました

デジタルレントゲンの導入にともない、現像室がいらなくなりました。倉庫にしようかと考えましたが、感染予防のためのお部屋として使うことに。
でも暗室なので、窓もなく狭い!自分だってこんなとこで待たされたらイヤだな・・と思うほど。
そこでやさしい模様の壁紙、フローリング風の床材、棚にカフェカーテンなど内装を工夫して、少しは居心地よくなったかも。
運良く(???)この部屋に当たった時は、感想を聞かせて下さいね。


◆ちび鉛筆

娘が通っていた保育園では/毎年節分に大きな頭の赤鬼がやってきました/顔中涙と口だらけにして絶叫する子どもたち!(ああ気の毒)/得体の知れない怖いものの象徴ですが/昔話には憎めない鬼や心やさしい鬼も登場します/鬼の目にも涙という言葉もありますね/物事にはいろんな面があり人生は複雑ですが/子どもたちには『福』がいっぱい来ますように(T)
posted by kuyama at 10:19| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする