2012年07月31日

小児科だより08月号(No150/2012/08)

晴れ今月の記事

◆いじめと子どもの心

◆地域ではやっている病気

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◆いじめと子どもの心

いじめが原因と思われる中学生の自殺の報道が続いています。未来ある子どもが自ら命を絶つ、本当につらく残念なことです。
今回は「いじめる子どもの心理」の話ではなく、子どもの心の支援について少し考えてみたいと思います。


<子どものいじめ問題の特徴>

いじめはいわば人間の本性のようなもので、どんな集団にも起こり、誰もが加害者被害者傍観者になる可能性があります。
子どもは、加害者、被害者双方が大人(親や教師)に話さないことが多く、また最近ではネットを介した(実社会よりさらに陰湿な)いじめもあり、早期の発見や介入が難しいという特徴があります。
子ども社会は大人より人間関係が狭く逃げ場がないので、本人はとても辛く、深刻な問題になりやすいと言えます。


<小児科での相談>

私自身も不適応や不登校の相談を受ける中で、いじめ問題に直面することがあります。
かなり以前のケースを改変しますが、赤ちゃんの頃から軽度の発達の問題があり健診や育児相談で見守っていたお子さんがありました。
小学校では勉強も追いつき、友だちもでき、受診も遠のいて安心していたところ、中学生になって深刻ないじめから不登校となり、相談にみえました。
先生や友人との関係修復が困難で、第三者的な助言を求めて来られたのだと思います。学校と協力して配慮もしてくださいましたが、力及ばず、親御さんが生活や仕事を犠牲にして転居されました。
私としては、そのお子さんを中心に話を伺うことしかできませんでしたが、そもそも「被害者」を治療?して解決はしない、むしろいじめる側、傍観している側への働きかけが必要であり、本当に難しい問題であると痛感しました。


<家庭と学校の協力>

ところで今回の報道では、学校や教育委員会が大きな批判にさらされていますが、もちろん多くの学校や家庭は協力し合い、悩みながらも向き合っておられます。
私は校医や地域の仕事で学校との連携がありますが、それを通して知るほとんどの先生方、校長、教育委員会の方々は、子どもたちを思い、努力を惜しまない方々です。
しかし、外から見て、組織のあり方には疑問を感じることもあります。日本は先進国の中で教育への投資の少なさが際立っており、マンパワーの問題、現場に責任ばかりでバックアップが足りないのではと思えることもあります。
一方家庭では、子どもは親に秘密を作るし反抗もします。しつけがむずかしいからこそ起こるとも言え、その中で努力し、学校とも協力されていることと思います。
しかしやはり、それだけでは解決しない、専門家の支援を必要とするケースもあります。


<不足する「子どもの心」の支援>

いじめにかぎらず、子どもの心の問題に関わっていますと、家庭が役割を果たせないなど深刻な状況にあることがあります。その場合は専門家に託すことが必要ですが、なかなか適切なフォロー先が見つかりません。
例えば児童精神科は圧倒的に不足しています。ご紹介しても診察は数ヶ月先。これではご家族は途方に暮れてしまいます。

現在の医療制度では、専門家が話を聞いたり、時間をかけてフォローすることへの評価が低すぎるため、経営が成り立ちにくいのです。また、児童相談所は虐待の対応に追われて他の相談に手が回らない状況です。
子どもは社会の宝、教育や医療福祉にもっと目が向けられることを願っています。
私はこの分野の専門家ではありませんが、地域の小児科医として、相談の門戸だけは、いつでも開けておきたいと思っています。


◆地域ではやっている病気

7月中旬にヘルパン
ギーナが増え流行して
いました。
胃腸炎や溶連菌感染症もみられましたが、夏休みに入ると感染症は全体に下火になりました。
外来は病気の受診が減りますので、健診や予防接種に力を入れています。夏休みの間に、受けられるものはすませておきましょう。


◆ちび鉛筆

暑中お見舞い申し上げます/夏休みをいかがおすごしでしょうか/医院はこの夏改装工事をいたします/震災による壁紙の破損や長椅子の傷みなどがきっかけで/思い切って模様替えをすることになりました/インテリアコーディネーターは2児の現役ママさん/どんな空間になるか私たちも楽しみです♪(T)
posted by kuyama at 14:56| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする