2013年03月01日

小児科だより03月号(No157/2013/03)

晴れ今月の記事

◆ご存知ですか?予防接種の補償制度

◆地域ではやっている病気

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◆ご存知ですか?予防接種の補償制度

ワクチンは私たちを様々な感染症から守ってくれますが、ごく稀であっても、他の医薬品同様に接種後の健康被害が起こりえるものです。
そのような場合に備えて補償制度がありますので、医療機関の立場から注意点もふくめてご説明します。
耳慣れない言葉がでてきますが、大切なことなので、この機会に市町村から予診票などと一緒に配布されている説明と合わせてお読みいただければと思います。

<副反応が起こったら?
 因果関係がはっきりしない場合はどうなるの?>


まず副反応といっても発熱や接種部位の腫れなど軽いものから、アナフィラキシー反応からショック症状、死亡に至る重篤なものまであります。
接種後何らかの症状があって受診され、医師が副反応を疑った場合は、定められた書式によって市町村に報告し、最終的に厚生労働省に報告されるシステムになっています。
判定基準に従って、副反応かどうかが検討されますが、必ずしも因果関係が明確に認められるものばかりではありません。
そのような場合は、医学的な「原因」かどうかはともかくとして、「予防接種によらない」と明確に否定されない限り「疑わしき」は救済対象となります。
補償には治療にかかった費用、障害が残った場合の年金、死亡の場合の一時金などがあり、使える制度によってその内容や金額がちがってきます。


<定期と任意では補償制度がちがいます>

1)定期接種の補償制度

定期接種とは、四種混合やMR、日本脳炎、BCGなど予防接種法によって公費で行われているものです。
この場合は国の「予防接種後健康被害救済制度」により補償が受けられます。

2)任意接種の補償制度

水痘、おたふくかぜ、B型肝炎、ロタなど任意接種のワクチンはもとより、定期接種のワクチンであっても対象年齢や決められた間隔を過ぎてしまうと法律外(=任意接種)とみなされることがあります。
この場合は「独立行政法人医薬品医療機器総合機構法」による補償で、定期接種の補償内容より相当低くなります。
この意味でも、必要なワクチンは全て定期接種にしてほしいと関係団体は訴えているのです。
なお、認可外のワクチンは、残念ながらどちらの制度も適用されません。


<定期と任意、同時接種の場合の補償は?>

この場合はどちらのワクチンによるものか判定することができないので、定期接種として扱われます。
これは、同時接種のひとつのメリットと言えます。


<定期接種を外れると費用も自己負担?>

定期接種は、法律により「決められたワクチン」を「決められた年齢内」に「決められた間隔の範囲」で接種することが定められています。
ただし、様々な理由で間隔があき過ぎてしまうことはあります。1人でも多くのお子さんに受けていただくため、市町村によっては柔軟に運用されており、今のところ対象年齢内であれば公費で受けられるところが多いです。
しかし補償制度上は厳格で、「定期」とは認められないため任意接種と同じ扱いになります。
これに該当する場合、お住まいの市町村によって(このことに関する同意書が必要など)対応が異なりますので、まずは保健センターにご相談なさってください。

★接種間隔が過ぎてしまった時は★
*お住まいの市町村保健センターにご相談の上、
*市町村内の委託医療機関で接種を受けてください。



<制度を理解して、安心してうけましょう>

印西市の場合は、決められた間隔が過ぎたら、予診票に「同意書」を添えて市内の委託医療機関に持参することで公費で受けられます。
何の同意書かというと、「法律どおりに接種できない場合は、任意接種になり本来は自己負担です」「でも受けることがお子さんの健康にとって大切なので、費用は定期と同じように公費で負担しましょう」「ただし万一の場合の補償は任意接種の制度になります」ということに対する同意です。
同意書は、保健センターや医療機関にあります。

窓口でこのことがなかなか理解していただけず、怒られてしまうことがあります。
「受ける権利」のためにはルールがあり、そして共に責任を負うという重みも伴います。
ワクチンの効果や副反応だけでなく、補償制度についてもよくお読みになった上で接種を受けてください。ご不明の点はご遠慮なく、保健センターや医療機関にお尋ねください。

定められた年齢や間隔は免疫を得るのに最も適しています。余裕をもって予定をたて、より安心して接種を受けていただきたいと願っています。


◆地域ではやっている病気

年明けからインフルエンザの流行が本格化し、この地域では2月第1週前後がピークでした。
ほとんど全てA型で、2月末現在ではB型が出てくる兆しはありません。
インフルエンザと交代するように、2月中旬くらいからまた胃腸炎が出てきています。
今年はいつまでも寒いですが、花粉症も増えています。花粉にさらされないことと、症状がひどくなる前の早めの対処が大切です。


◆ちび鉛筆

この冬は長く厳しいものでしたが/陽だまりのあたたかさは増し/地面には草の芽が顔を出しています/不安と希望がないまぜになる季節/子どもたちの成長を実感する季節/ご卒園ご卒業おめでとうございます/大人も負けずにがんばりましょう〜 (T)
posted by kuyama at 09:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする