2013年10月05日

小児科だより10月号(No164/2013/10)

晴れ今月の記事

◆長引く咳のお話
〜子どもの咳の、様々な原因〜

◆地域ではやっている病気

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◆長引く咳のお話
〜子どもの咳の、様々な原因〜

<どのくらい続くと「長い」?>

「長引く咳」は、3週間以上を言います。
そんなに続いて初めて「長い」の?と思われるでしょうか。皆さまはカゼをひいて、治りぎわにいつまでも続くなあ、と思われることはありませんか? 
2週間くらい続くのは、よくあることです。
1週間たっても咳が治らないので、喘息や悪い病気を心配され来院されますが、カゼの経過では実はよくあることとご理解ください。


<長引く子どもの咳、年齢ごとの原因>

長引く咳というと、喘息を考える方が多いと思います。
小児では喘息以外に気をつける病気はいろいろあります。どの年齢でも一番多い原因は、カゼが長引いたり繰り返しひいている場合です。
その他では、年齢によって原因が違うことが特徴です。

1歳前
長引くカゼ、気管支軟化症、気管支の先天性の病気、百日咳、RSウィルス感染症 

1〜3歳 
長引くカゼ、RSウィルス感染症、喘息、百日咳、気道異物(誤飲)、受動喫煙

4歳以上 
長引くカゼ、喘息、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎(後鼻漏)、マイコプラズマ感染症、クラミドフィラ(クラミジア)感染症、胃食道逆流、受動喫煙
 

つまり、     
1歳前:喘息は少なく、気管支(気道)の病気が多い。
1〜3歳:RSウィルス感染症は乳幼児がかかると重い。気道異物(ピーナッツや紙などをのどや鼻の穴に詰まらせる)は意外に多い。
4歳以上:喘息、鼻の病気(副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、後鼻漏)、胃食道逆流など、大人と同じ病気が多くなる。
他に、年長児になると、アトピー咳嗽(がいそう)や心因性咳嗽が見られます(1%くらい)。


<ゼーゼーは喘息? 乳児の喘息はめったにない!>

かなり強調して書きましたが、喘息は、乳幼児では過剰に診断されすぎている病気の代表だからです。
乳幼児では、ゼーゼーや長引く咳はカゼや気管支炎やRSウィルス感染症などで起こるので、ゼーゼーしていても大抵は喘息以外が原因です。
喘息が発症してくるのは、2〜3歳以上です。
アレルギー専門団体は、過剰診断を防ぐために、喘鳴(ゼーゼー)は3回は繰り返した後ではじめて診断するよう提案しています。
一方、乳幼児の気管支軟化症、気道異物、百日咳は見逃されやすい病気の代表で、当院でもときどき見つけます。
ゼーゼーや長期の咳は、喘息だけでなくいろいろの病気を考えて、慎重に検査や治療を行っています。


<喘息以外の長引く咳の原因について>

感染症:咳が長引く感染症の代表は、マイコプラズマ、クラミドフィラ(クラミジア)、百日咳です。
百日咳だけは乳児で重症になることがありますが、三(四)種混合を接種していれば軽症です。他の2つも肺炎をおこしますがめったになく、軽症で長引く咳がほとんどです。
意外に多い鼻の病気:副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、後鼻漏(鼻汁がのどの奥に垂れて咳き込む)はよくある咳の原因で、小児科ではありふれた病気です。根気よく治療すればよくなります。


<見逃してはいけない病気>

多くはないですが、見逃してはいけない病気。
結核、1歳前の気管支の先天性の病気など。
また、2〜4歳にときどきある「気道異物」です。
ピーナッツを食べてむせた後に多く、他には、ガラス玉や紙などを飲み込んだり鼻の穴につめて、咳き込んだり膿汁が出るなどで、放置すると危険です。
私もときに見つけて、ハッとすることがあります。
ナッツは5歳くらいまで与えないようにしましょう。


◆地域ではやっている病気

手足口病は減少しつつも9月も引き続き目立っていました。
現在はRSウイルス感染症もみられます。
ありふれた感染症で、2歳までにほとんどの子どもが1度はかかります。その後もくりかえし罹患し多くは軽症ですが、母体免疫で防げないために、乳児では気管支炎や肺炎を起こしやすく、呼吸困難で入院が必要になることもあるので注意が必要です。


◆ちび鉛筆

当たり前のことではありますが/最近は平成生まれの親御さんが珍しくなく/時の流れを感じるこのごろです/こちらは相変わらず昭和な人々ですが/意外と中身は若者に負けてない人もいるようです/ともあれ新しい時代の子育てについて/常にアンテナを張っていたいものだと思います。(T)
posted by kuyama at 15:42| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする