2014年05月01日

小児科だより05月号(No171/2014/05)

晴れ今月の記事

◆子どもによくある心身のアンバランス
 〜これは「5月病」?

◆地域ではやっている病気

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◆子どもによくある心身のアンバランス
 〜これは「5月病」?


新学期が始まって1ヶ月、新入生のお子さんは慣れてきた頃でしょうか。この時期は、新生活の心身の疲れが出る「五月病」の季節と言われますが、集団生活への適応に関わる同様なことが、子どもにもあるのです。

<身体の異常では割り切れない「症状」>

原因がはっきり見つからない頭痛、腹痛、体調不良などを訴えるお子さんが時々みえます。このような症状は、「機能性症状」と呼ばれています。
難しげな言葉ですが、実はありふれたもので、大人でも専門科(循環器、消化器、神経科など)に紹介される方の半分近くがあてはまるとも言われます。
中には「本物の身体の病気」が隠れていることもありますので、もちろん身体の異常がないかのチェックはきちんと行います。

<子どもの「機能性症状」とは?>

原因は、身体の未熟、生活習慣の乱れ、心身のアンバランス、などがあります。
それぞれの症状と、一般的な対策や経過をあげてみます。

1)身体の未熟によるもの
泣入り引きつけ:1〜2歳で自然消失。
睡眠障害:夜驚症、睡眠時遊行症(夢遊病)は3歳から小学校低学年までに多く、成長とともに消失。
便秘:乳幼児(離乳食に身体が慣れ、トイレ習慣がつくと消失)、幼児(幼稚園のトイレに慣れると消失)
夜尿症:小学校入学前までは経過観察だけ。小学生では原因に応じた対応。高学年までに大部分は自然消失。
チック:大部分は半年〜1年程度で自然に消失。

未熟によるものは、このように時間が解決してくれる場合が多いもの。長い目で見守ります。

2)生活習慣の乱れ、集団生活の適応不十分によるもの
朝の体調不良、頭痛、腹痛
登校困難 保健室登校
睡眠不足や朝食抜きが原因になっている場合は、夜更かしをやめて睡眠を十分にとり、朝食を取ること。
その他、集団生活に慣れていなかったり、人間関係や学習に問題がある場合も。
一人一人に合わせた環境調整などが望まれます。

3)心身のアンバランスによるもの   
起立性調節障害:朝の体調不良(起床困難、めまい、脳貧血、頭痛や腹痛)。車酔い。
機能性消化管障害:便通の異常(下痢、便秘)や腹痛。人前の突然の下痢。
疼痛障害:慢性に繰り返したり継続する身体の痛み(頭痛、肩こり、腰痛、筋肉痛など)。
これらは、身体のサイン(痛み、疲労)への感度の過敏、自律神経の失調などが考えられ、環境調整などに加えて薬を使うこともあります。

その他、自閉症などの発達障害、うつ病などの精神疾患、摂食障害などが基本にある場合など、さらに専門的なアプローチが必要ですが、ここでは省略します。

<温かい見守りが一番のくすり>

軽いものは、生活に慣れ、リズムが出来ることで、いつのまにか症状の訴えがなくなることもあります。
そういうものなんだな、と周囲が理解できれば気持ちに余裕ができて、対応もしやすくなると思います。
しかし、時には症状がだいぶ辛かったり、長引いたりすることもあります。いろいろな症状やその原因が複雑にからまっていたり、身体の異常と心身のアンバランス両方があることもあるからです。
この場合は治療や対策も複数を組み合わせる必要があり、時間がかかるかもしれません。
いずれにしても、大切な基本は、「身体の成熟を待つ」、「規則正しい生活習慣」、「周囲の温かい見守り」です。

<規則正しい生活の大切さ>

今学校では、朝食を食べて来ない、睡眠不足よる遅刻や午前中の集中力低下が大きな問題になっています。日本の子どもは先進国の中で一番夜更かしで睡眠時間が短いことをご存知でしょうか。
その上、勉強時間と親子の会話の時間も少なく、ネットとテレビの時間が多いのが日本の子どもの特徴です。ゲームやテレビの時間が多いと、肥満(運動不足と間食)や集中力の低下、学習時間の減少につながり、感情面についても、いらいらしやすく安定しにくいなどと指摘されています。
赤ちゃんや幼児の頃から、規則正しい生活と、よく身体を使う活動を心がけたいものです。

<悩んだらご相談を>

小児科は子どもの健康相談窓口です。
こうした心身の不調や不登校などにお悩みの場合は、まずはご相談ください。 
お話を伺ってご一緒に考えたり、治療したり、場合によっては適切な専門家をご紹介いたします。
もちろん本人が来られなければ、ご家族だけでもかまいません。

◆地域ではやっている病気

今年のインフルエンザは、3月中には減少したものの年度をまたいでも若干の患者さんがみられました。
春休み明け、感染症はほとんど落ち着きました。さて新学期が始まってしばらくすると、例年増えてくるのが溶連菌感染症や水痘などです。
初めての集団生活で、どうなったら登園したらよいか、出席停止のことなど、ご不明や不安があれば、ご遠慮なくご相談ください。

◆ちび鉛筆

ワクチン接種などの対策が徹底され/国内では年々減少し撲滅を目指してきた麻疹(はしか)が/昨年末頃から発生が増えており/すでに昨年1年間の数を上回っています/海外から持ち込まれたことが発端です/1歳になったらすぐにMR1期を/2期対象の方(年長さん)も忘れないよう早めに接種しましょう(T)
posted by kuyama at 12:47| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする