2014年06月30日

小児科だより07月号(No173/2014/07)

晴れ今月の記事

◆子どもとスポーツ

◆地域ではやっている病気

〜〜
◆子どもとスポーツ

ワールドカップ、日本は残念でしたが、白熱した試合が繰り広げられていますね。サッカーに限らず、すぐれたスポーツ選手の活躍は子どもたちに(もちろん大人にも)夢を与えてくれます。
小児科では、運動の部活をしているお子さんが、病気で試合を休みたくないと涙目になったり、などということもありますが、スポーツをとおしていろんな経験ができるのは素晴しいことだと思います。


<子どもの成長発達と運動>

基本的には外に出て、楽しく身体を動かす、これが大切なことなのですが、小さい子どものトレーニングについては、ゴールデンエイジという考え方があります。

プレゴールデンエイジ(5〜8歳):脳・神経系の発育時期。スキル(バランス、反射神経)訓練
ゴールデンエイジ(9〜12歳):呼吸・循環器系の発育時期。スタミナ訓練(持久走など)
ポストゴールデンエイジ(13〜16歳):筋・骨格系の発育時期。筋力訓練
成長終了後:荷重訓練(本格的訓練)

子どもは大人と違ってまだ身体ができあがっていないことや、運動だけでなく様々な体験をとおして成長していく存在として、指導者には配慮が求められているのです。


<スポーツ障害を予防する>

その配慮の中には、スポーツで身体を傷めないようにすることが含まれます。
アメリカには野球肘が少ない、といわれます。
大リーグにもみられる投球制限が浸透しているほか、子どもの成長に合わせた競技種目を選択したり、シーズンごとに種目を変えるシステムになっているそうです。複数の種目に秀でて活躍する選手がいるのもうなずけますね。
日本でもプロ野球では投球制限が定着してきましたが、高校野球ではまだまだです。
私も中学生の頃は野球少年だったので、肘の痛みは経験があります。
成果を求めることも大切ですが、「スポーツ障害の予防」という考え方が、今後もっと定着してほしいものです。


<深刻化する運動不足>

さてやり過ぎも問題ですが、実はこちらの方が大きな問題になっています。
千葉県は運動の盛んな県で、平成24年の体力測定では小学校5年(男子6位、女子5位)中学校2年(男子6位、女子3位)と全国都道府県の上位で喜ばしいことですが、日本の子どもの体力測定の結果は1985年頃がピークで、後はどんどん落ちています。

                     
<その原因は生活全体にあり>

日本の子どもの就寝時間は先進国で一番遅いというのを、ご存知ですか。朝食抜きも問題になっています。
運動不足の背景には、生活習慣があります。
その1つに、室内遊びやゲーム、スマホの時間が増えたことがあります。スマホは便利ですが、子どもは自分で内容や時間をコントロールすることが難しいですので、「子ども時代」という、二度とない大切な時間を奪われることがないよう、大人が管理してあげてください。


<よい生活習慣は 一生の宝物>

さきほど「二度とない大切な時間」と書きました。
幼児・学童期は運動を通して知的能力、社会性、身体能力を養います。
そして運動は、子どものときからしないと、大人になってから習慣にするのが難しいことがよく知られています。
運動不足は、将来の生活習慣病や不活発症候群(ロコモティブシンドローム:ロコモ)の原因にもなります。
太ももの筋肉量と知的活動には相関がある、と言われていて、知的活動を長く保ち、認知症を予防するためにも、運動は効果があります。
予防に勝る治療はありません。
大人も、運動を楽しむ習慣を身につけたいですね。


◆地域ではやっている病気

6月は全体に落ち着いていましたが、保育園や幼稚園の子どもたちに溶連菌感染症や水痘がみられました。
これからの時期は、夏カゼウイルスの咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナが出てくるでしょう。高熱やのどの痛みなどがありますが、ほとんどが軽症です。症状に合ったケア(水分補給、のどごしのよい食事など)が大切です。

◆ちび鉛筆

おもて面にご案内しましたように/夏のあいだ予防接種時間を拡張いたします/10月以降はインフルエンザが始まり/予約枠が少なめになりますので/母子手帳をご確認いただき/受けられるものがあれば/園学校がお休みのこの時期に/すませてしまいましょう (T)
posted by kuyama at 09:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする