2014年08月01日

小児科だより08月号(No174/2014/08)

今月の記事
◆子どもの心のお話 〜身体と同様に目を向けて〜

◆地域ではやっている病気

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◆子どもの心のお話 〜身体と同様に目を向けて〜

夏は感染症が一段落し、小児科は落ち着いています。
夏休みには、お子さんの心の問題についてご相談をお受けすることがあります。
大人と同じく、子どもも傷ついたり、それが様々な身体症状として出てきたり、園や学校に適応できなくなったりということがあります。
お子さんがまだ小さい方も、子どもの心のことについて知っておくとよいと思います。


<心と身体のいろいろな不調>

おたより5月号にも「子どもによくある心身のアンバランス 〜これは5月病?」という題名で書きましたので、あわせてお読みください。
身体の未熟によるもの、生活習慣の乱れや集団生活への適応不十分によるもの、心身のアンバランスによるもの、などをご説明しています。
そこでは、
 ・原因を詮索しなくても、時間(心身の成長)が解決し
  てくれることもある
 ・生活リズムを整えることが心の抵抗力になる
 ・一番のお薬は「温かく見守ること」
などをご紹介しました。

しかし、待つこと・生活リズム・周囲の配慮は基本だとしても、それだけでは、解決しないケースもあります。


<中学校1年生Aくんの場合>

Aくんはサッカーが大好きで、クラブに所属し毎日元気に張り切っていたスポーツ少年です。ところがちょっとしたことでチームメイトとの関係が悪くなり、その頃から頭痛や腹痛が出現、めまいも出てきて、昼前まで床を離れることができなくなりました。
他の病院で起立性調節障害と言われ治療もしましたが、よくならないということで、相談にみえました。
 

<子どもにもある「うつ病」>

一時的な心身のアンバランスというよりは、うつ病と思われるお子さんがみられます。
うつ病は大人にはとても多く、生涯に受診を経験する割合は女性10〜25%、男性5〜12%です。
子どもは、小学生の1.6%、中学生の4.6%という数字があります。しかし子どものうつ病はよく知られていないため、特に精神科への受診は少ないとも言われます。
子どもの場合大人より身体の症状で出ることが多く、また抑うつを表情に表さないで、暴れる、興奮するなどの行動変化として出てくることもあります。
典型的でない症状に隠れ、見つかりにくいのも子どものうつ病の特徴といえるでしょう。

                    
<発達の障害や不適応が背景にあることも>

心の問題というのは、ストレスのある環境がきっかけになります。本人が発達に問題を抱えていたり、不適応が背景にある場合があります。
その子に合った適切な対応、環境が必要ですが、子どもは大人ほど自分で環境を変える力はありませんので、周囲が気づいてあげることがポイントになります。
診断・治療と並んで、背景の問題を知って、園学校などとも連携しながら対処することが大切です。


<薬を出して終わりではない>

うつ病の治療は2つの時期に分けられます。
症状が強く出て早期の症状改善が必要な急性期、もう1つは症状が落ち着いて再発防止や生活の立て直しを行う回復期です。
回復期はうつを予防する行動パターンを身につけるカウンセリングが主役です。具体的に言いますと、うつ病の方が陥りやすい好ましくない行動パターンに気がつくこと、その行動を好ましい行動に替えることです。いくつか方法があり、認知・行動療法などが代表です。
私自身はその専門ではありませんが、いくつかの施設をご紹介できますので、お困りの方はご相談ください。


◆地域ではやっている病気

梅雨が明けて夏本番になりました。
6月に保育園や幼稚園でみられた溶連菌感染症や水痘は減少傾向です。
7月に入ってからは夏カゼが多くなり、特にヘルパンギーナが目立っています。
高熱やのどの痛みなどがありますが、ほとんどが軽症です。症状に合ったケア(水分補給、のどごしのよい食事など)が大切です。


◆ちび鉛筆

猛暑お見舞い申し上げます。
水場があれば衣服も気にせず/ジャブジャブ入っていく子どもたちがうらやましい〜/でも小さい人たちは大人より体重あたりの水分必要量が多く/しかもキープする力が未熟なので/こまめな水分補給がより大切です/大人も子どもも暑さに負けず/楽しい思い出いっぱいの夏休みになりますように☆(T)
posted by kuyama at 15:22| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする