2014年08月28日

小児科だより09月号(No175/2014/09)

今月の記事
◆水痘(みずぼうそう)ワクチンが公費接種に 
〜1歳からのスケジュール〜

◆地域ではやっている病気

〜〜〜
◆水痘ワクチンが公費接種に 
〜1歳からのスケジュール〜

10月1日から、水痘ワクチンが定期(公費)予防接種に加わりますので、留意することをご説明します。

<水痘ワクチンが定期接種になった理由は?>

日本では、これまで自費で水痘ワクチンを接種する人は30〜40%でした。しかし世界のほとんどの国で定期接種が行われています。
水痘は予防しなければ、現状ではほとんどの人がかかりますが、「かかったほうがよい」と考える方もいます。
しかし水痘にかかると、水痘ウィルスは身体から除去されないで、神経に隠れて生き続け、身体が弱った時や高齢になると、再び活動を始めて難聴や帯状疱疹(水痘にかかった約4人に1人)という頑固で治りにくい神経痛を起こすことがあります。また重病や免疫不全のときに水痘にかかると、重症になることがあり、予防すべき感染症と言えるでしょう。
加えて、水痘の治療費より予防接種費用のほうが安く済み、国の財政からも望ましいのです。

<水痘はなぜ2回接種するの?>

1回接種だと水痘流行時には43.4%が罹患するが2回接種だと4.8%に低下する、というアメリカのデータがあります。1回では免疫が不十分なため、2回になりました。

★水痘定期接種のスケジュール
1歳以上〜3歳未満
2回接種(3ヵ月以上間隔)、2回目は3歳未満に完了
3歳以上〜5歳未満(2015年3月末までの経過措置)
1回接種

過去に自費で接種した人は、その回数分を接種時点での年齢の接種回数から減らします。
明らかに水痘にかかった人は接種対象外です。
はっきりしない場合は接種して問題ありません。
詳しくは市町村からの案内、当院ブログをごらん下さい。
  

<1回接種した後、3歳過ぎたら2回目はどうなるの?>

定期接種では、できません。(自費なら可能です)
定期接種の対象年齢は、接種する時点での年齢です。
早めに予定しましょう。
当院で予約が入らないときは、申し訳ありませんが可能な医療機関で受けていただくようお願いいたします。 
 
                   
<他との同時接種はできますか?>

どのワクチンとでも、何本でも同時接種はできます。
同時にすれば早く予防でき、スケジュールが立てやすくなり、副反応が単独より増えることもありません。

1〜3歳未満:水痘、おたふくかぜ、MR、ヒブ、肺炎球菌、4種混合、不活化ポリオ、B型肝炎、インフルエンザ 
3〜5歳未満:水痘、おたふくかぜ、日本脳炎、B型肝炎、インフルエンザ


<今後も自費で水痘ワクチン接種はできますか?>

予防の必要からは何歳の方でも2回接種が推奨されます。
当院ではこれまでも、多くのお子さんが自費で受けてこられました。
定期接種の接種時期を過ぎた方、定期で接種できる回数以外に2回目を接種したい方は、自費接種であれば何歳でも接種できます。


<一緒に受けてほしい、おたふくかぜワクチン>

おたふくかぜは、かかると髄膜炎、睾丸炎、膵炎を起こすことがあります。また、原因不明の難聴の多くの原因はおたふくかぜと推定されていて、数百人に1人の頻度です。この難聴は回復しません。
2回接種が世界標準です。


<おたふくの2回目推奨時期について>

当院ではこれまで、罹患を防ぐこと、水痘とともに接種忘れを防ぐことを考慮し、おたふくかぜワクチンの2回目を水痘ワクチンと一緒に早期に接種することをお勧めしていました。
おたふくかぜワクチンは任意接種であり、2回目については定期接種のような決まりは特にありません。
さまざまな考え方がありますが、水痘が定期接種になった機会に、当院としては日本小児科学会推奨の時期をお勧めすることにいたします。

☆日本小児科学会推奨スケジュール
 1回目:1歳になったらすぐMR(1期)と同時に 
 2回目:2回目のMR(2期)と同時に
 
2回目推奨時期は、小学校入学前の年度です。
おたふくかぜは水痘ほど感染しやすくないこと、水痘ワクチンより免疫がつくので1回接種である程度の免疫がつくこと、MRとの同時接種は忘れにくいということが理由となっています。
ただこれも目安であり、ある程度の幅をもって接種を忘れなければよいので、同時接種をしない方はMRよりは前に行うことでよいでしょう。
ご不明なことがあれば、どうぞご相談ください。


◆地域ではやっている病気

今年も厳しい暑さの夏になりました。
千葉では降水は少なく感じましたが、全国的には集中豪雨による災害が多発し、気候が年々厳しくなっている気がします。
8月も夏カゼのヘルパンギーナが目立っていましたが、夏休み中は外来は静かでした。
さて新学期、生活リズムを取り戻し、残暑に負けないよう過ごしましょう。


◆ちび鉛筆

元気に新学期をお迎えでしょうか/10月から水痘やインフルエンザも加わり/しばらく予防接種が混み合いそうです/当地では0歳児の接種ができる医療機関が限られており/その接種枠を確保する必要があります/インフルエンザは接種のない曜日もあります/予約がとりにくい方もおられると思いますが/どうぞご理解をお願いいたします(T)
posted by kuyama at 09:15| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする