2015年02月02日

小児科だより2月号(No180/2014/02)

今月の記事
◆赤ちゃんの発育のおはなし

◆地域ではやっている病気

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◆赤ちゃんの発育のおはなし

乳児健診では、毎日たくさんの赤ちゃん、親御さんにお会いします。
特徴として、ある1つの心配事は長くは続きません。
それは、赤ちゃんは日々成長発達していくので、それらはいずれ解決して、次の段階に進んでいくからです。
そしてたいていのお悩みは、みなさんが同じ時期に同じように通過していかれます。
健診においては、「困っている」のが正常なのです。
そんなふうに考えると、少し、肩の荷がおりるのではないでしょうか。

<赤ちゃんは‘困らせる’名人>

そうは言っても、おっぱいを飲まない、泣き止まない、なんでも食べてしまう、なかなか食べない、目が離せない、ケガをする、熱を出す。
そんなお子さんに振り回されて、迷ったり不安になったり、自分のペースで物事を運べずに困った経験を持つ方は多いと思います。
赤ちゃんは、可愛いお顔でひたすら「要求」します。
親に、無条件の献身を要求する存在なのです。

<母乳やミルクの「飲み」の悩み>

特に乳児期前半の健診で、多いご相談です。
これは世代によって考え方や受けた指導が違っていたりして、いろいろ問題になりやすいものです。
1日何グラム増加という目安が月齢ごとにあり、参考にすることがありますが、それも毎日測定して一喜一憂するのでなく、半月、1ヵ月という期間でみていくものです。
小柄なら小柄なりに、大柄なら大柄なりに、母子手帳の成長曲線にそって体重が増えていればよいのです。
ポイントは、機嫌がよく、おしっこやうんちが出ていて、発達がよいことです。母乳はどのくらい出ているのかわからないので心配になることもあると思いますが、これらのポイントが大丈夫なら自信を持ってください。

<指しゃぶりはなぜ?>

乳児の指しゃぶりの意味の1つには、「食べる準備」があります。
母乳やミルク以外の、形のある食べ物を噛んだり飲み込んだりすることは、初めはうまくできません。
指をしゃぶり、口に突っ込むことで、噛んだり飲み込んだりの練習になっていますので、やめさせる必要はありません。このような指しゃぶりは、自然に卒業してゆきます。

<食べ物の好き嫌いはどう考えたらいいの?>

動物は基本的に「新しい食べ物」を警戒します。
パンダやコアラだけでなく、多くの動物は決まった少ない種類の食べ物だけ食べます。理由は、新しい食べ物は自然の中では毒だったり害だったりすることが多いからで、人間も長い原始生活では同じでした。
新しい食べ物に出会うたびに嫌がるのは生存本能なのです。人間ほど多くの食材を食べる生き物はいないので、赤ちゃんや子どもが慣れない食物が嫌いなのは自然なことです。
ある食べ物を好きになるのに、何年もかかることがあります。調理方法などを工夫して食卓に出し続けると、時間がかかっても食べるようになることがありますので、どうしても食べてほしいものはあきらめず工夫してみましょう。

<母乳はいつまで飲ませていいの?>

これも昔から論争がありました。
今もいろんな考え方があります。
育児は「文化」でもありますので、正解(?)は1つではないことも多いのです。

一昔前には「断乳」といって、母乳は1歳くらいに止めた方がよい、と勧められていました。
また指導する人によっては、虫歯などの理由で1歳過ぎの「卒乳」を勧められることがあるかもしれません。
結論から言うと、現在の考え方はかなり緩やかになっています。
ミルク栄養や1歳前後の早期離乳は、人前で授乳する姿を見せないという西洋的文化の影響が大きいとも言われ、人間に近い猿との比較研究では、人は2〜3歳くらいまで母乳を飲むのが自然、とされるようになりました。(もっと早く自然に卒業するなら、もちろんそれでよいのですが)
途上国では3〜4歳まで母乳を飲ませるのが当たり前で、日本でも昭和中期くらいまでは同様だったのではないでしょうか。
当院でも「4歳くらいまで、実は母乳を飲ませていました」という方がいらっしゃいましたが、お子さんには何の問題もありません。
母子にとって自然な時期であればそれでよく、個々の事情により、早い子もいて、ゆっくりの子もいて、母子で折り合いをつける、自然にまかせるという考え方で、基本的にはよいと思います。        

なんともはっきりしない話もありましたが、気になること、ご心配があれば、受診の機会にお気軽にご相談ください。


◆地域ではやっている病気

例年より早く流行が始まったインフルエンザは、お正月をはさんでいったん減少した後、再び増えていました。
1月中に当院で検査した方はすべてA型でしたが、春先になるとB型が増えてきますので、動向に注意しています。
1月下旬より溶連菌感染症が目立ち始めています。引き続き、体調管理に気をつけましょう。

◆ちび鉛筆

1月は大雪もなく平穏に過ぎました/このまま春になってくれたらよいのですが(>_<)/季節ごとに少しずつ絵本を入れ替えますが/今年は「苺」と「ひな祭り」のお話を新しく買いました/立春を過ぎた頃に置きますので/どうぞお子さまとお楽しみ下さい (T)

posted by kuyama at 09:26| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする