2015年07月02日

小児科だより7月号(No185/2015/07)

今月の記事
◆子どもの耳・鼻のお話 
〜トラブルが起こりがちなわけとは?

◆地域ではやっている病気

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◆子どもの耳・鼻のお話 
〜トラブルが起こりがちなわけとは?

耳、鼻、口(のど)。
これらがつながっていることはご存知でしょうか。
身体の未熟な子どもは、この部分にも弱味があります。

<子どもの未熟なところとは?>
耳と鼻の奥をつなぐ耳管という管があります。
この耳管が、子どもは太く短くしかも水平で、鼻やのどからウィルスや細菌が侵入しやすい構造になっています。
つまり、鼻→耳管→中耳、鼻→副鼻腔、口→咽頭→鼻 この経路を通ってカゼの細菌やウィルスが拡がって口や鼻から耳や副鼻腔の炎症を起こすのです。
※副鼻腔(ふくびくう)とは、鼻腔のまわりにある骨で囲まれた空洞で、これも鼻腔とつながっています。

<感染が原因で起こる、耳・鼻の病気>
急性中耳炎
原因:カゼがのど→耳管→中耳の炎症と拡がって起こる。
症状:風邪症状、耳痛、耳漏、鼓膜の炎症(赤い、膨らむ)
治療:ウィルス感染が大部分で多くは自然軽快。初めは抗生剤を投与しないで、治りにくい場合だけ後に投与する
・滲出性中耳炎
原因:急性中耳炎が長引いて、中耳腔に浸出液が貯留。
症状:難聴、耳閉感
治療:自然に治ることが多いので、数ヶ月は感冒剤程度で観察。長引くときは鼓膜換気チューブ。

急性鼻炎
原因:カゼなどの感染症。症状:鼻閉と濁った白い鼻汁。

急性副鼻腔炎
原因:ウィルス、細菌(肺炎球菌、ヒブが主)のカゼが進展して副鼻腔粘膜に急性炎症が起こったため。
急性上気道炎の6〜13%が細菌性副鼻腔炎になる。
症状:膿性鼻汁、鼻閉、顔面痛、発熱。
治療:感冒剤、抗生剤

慢性副鼻腔炎
原因:急性副鼻腔炎が長引くと起こる。
症状:3ヶ月以上続く副鼻腔の炎症
   鼻閉、鼻漏、後鼻漏、咳
治療:感冒剤、抗生剤長期服用、鼻汁の吸引。
9〜12歳くらいで自然治癒することが多い。

いずれも小児科で診療可能ですが、必要な場合は耳鼻科へご紹介しています。

<鼻をかむことが大切なわけ>
たまった鼻水を外に出すことは、鼻の奥や耳への感染をふせぐことにつながります。
また、鼻水がたまっていると咳き込んだり、口呼吸となって口の中の衛生状態が悪くなります。
鼻すすりは中耳炎の原因にもなります。
当院でも鼻汁吸引を行うことがありますが、家庭で使える鼻吸器もあります。
また個人差もありますが、2歳前後になれば「鼻かみ」を教えてだんだんできるようになります。

<上手な鼻のかみ方ってあるの?>
両手でティッシュペーパーを持ち、片方の鼻を指で押さえて口から息を吸い、口を閉じて片方ずつ静かにかみます。
小さいお子さんは、鼻水がない時に練習をしておくと、鼻から息を出す感覚を覚えられます。
ティッシュペーパーを細く切ったものを口で「フー」すると、紙が揺れます。次に口をむすんで片側の鼻を押さえて「フン」して揺らしてみましょう。
力まかせにかまずに、ふき取る時も力を入れずそっとしてあげましょう。
上手な鼻かみは治療に匹敵します。
やってみてください。


◆地域ではやっている病気

5月下旬から6月中旬にかけて溶連菌感染症の流行がみられました。
6月後半からは夏カゼウイルスのヘルパンギーナがみられるようになってきています。
咽頭結膜熱も夏カゼの仲間で、これから出てくるかもしれません。
急に高い熱が出て、のどの痛みを伴うことがあるので、特に水分摂取に気を配ってください。
有効な薬はなく、免疫力で治っていきます。


◆ちび鉛筆

梅雨といえば紫陽花(あじさい)/先日お蕎麦屋さんの店先に咲いていたのは/葉が柏のような形で花は円錐形の「柏葉あじさい」/他にもいろいろな色や形のものがあり/犬の散歩がてらよそのお庭ウオッチングを楽しんでいます(T)
posted by kuyama at 10:05| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする