2015年08月01日

小児科だより8月号(No186/2015/08)

今月の記事
◆夏カゼのお話 

◆地域ではやっている病気

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◆夏カゼのお話 

夏休みで感染症の少ない時期ですが、この時期ならではのカゼについて、おさらいしてみましょう。

<夏カゼの特徴は?>
カゼは1つの病気ではなく、いろいろな上気道感染症をまとめた名前です。
夏のカゼは、高熱でも期間は短く軽くすむことが多いです。
典型的には、40度くらいの熱が1〜2日ですぐ下がり、咳や鼻汁がなく、手足や口や身体にぶつぶつができる、というものです。
ちなみに、春のカゼは「咳や鼻汁が強く長引く、軽症が多いが喘息につながることがある」、秋は「咳が強く長引びく、こじれることが時にあり、喘息や気管支炎につながることがある」、冬は「咳が強く熱が長引く、肺炎など重症になりやすい」などの傾向があります。

<夏カゼの原因は?>
これら季節ごとの特徴は、原因となるウィルスの違いによるもので、夏カゼのおもな原因はエンテロウィルスで、コクサッキーA、B、エコーウィルスなどがあります。
その特徴は、
1)高熱、発熱期間が短い、咳や鼻汁がない、発疹、軽症が多い
2)感染しても症状が出ないこと(不顕性感染)や、熱以外の症状がないことが多い
3)同じウィルスでも、いろいろ違う症状が出て、別の病名になる

<エンテロウィルスがおこす病気>
ヘルパンギーナ 
原因:コクサッキーウィルスA、B、エコーウィルス
突然の高熱が1〜3日続き、口のなかにアフタを作ります。咳や鼻汁や下痢はありません。
アフタができて初めて診断されますが、熱から1〜2日遅れることが多いので診断されないことも多いです。
後から手足口病に変わることもよくあります。

手足口病 
原因:コクサッキーウィルスA、エンテロ71
手、足、口、おしりに水泡が出ます。
熱はあったりなかったりで、咳や鼻汁や下痢もたいていありません。
発疹は一部だけ、身体全体と様々で、へルパンギーナやウィルス性発疹症と区別がつかないことがあります。

ウィルス性発疹症 
原因:コクサッキーウィルスA、B、エコーウィルス
熱はあったりなかったりで、咳や鼻汁はほとんどなし。
身体のいろいろなところに発疹が出ますが、発疹は水泡や赤い斑点など様々で、手足口病の診断の後に全体に拡がることもあります。

<どんなことに気をつける?>
基本的には軽い病気で、特効薬もないので、症状に合わせたケアで回復を促します。
高熱であれば涼しくして、脱水に気をつけますが、口の中の痛みが強い時は、水分を取りにくいので気をつけてあげましょう。

<夏カゼに隔離は必要ですか?>
園によっては、治癒証明書が必要なところがあります。
ただ、夏カゼは見つかりにくい(不顕性感染)、症状が消えても感染力はしばらく残る、1つのウィルスでも、
人が違えばいろいろな病名に変わる、など、隔離しても感染を防げません。
したがって、ほとんどの保育園・幼稚園では隔離されず治癒証明書も必要ありません。
当院でも園からとくに指定されない場合は、元気になったら集団生活はかまわないとお伝えしています。
2歳くらいまでに誰でも感染を経験する病気ですから、お互い様と考え、集団生活を楽しんでください!

◆地域ではやっている病気
夏休みは集団生活が少なくなるため、感染症の流行もあまりありません。
胃腸炎や溶連菌感染症はすっかり下火となりました。
7月に入って目立っていたのは、今月号で取り上げた夏カゼウイルスによるヘルパンギーナや手足口病です。
昨年のこの時期は10〜20名みられた水痘ですが、ワクチンが定期化されてからとても少なくなりました。

◆ちび鉛筆
暑中お見舞い申し上げます/待合室の鳩時計が鳴らなくなり/ハトさんがびょうきと/ご心配おかけしていましたが/このたび新しい時計に選手交代しました/音楽やカラクリにもご注目です/20年間働いてくれたハトさんは今/悠々自適に過ごしていますよ星2︎(T)

posted by kuyama at 11:45| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする