2015年08月30日

小児科だより9月号(No187/2015/09)

今月の記事
◆家での子どもの事故を防ごう!

◆日本外来小児科学会@仙台に参加しました!

◆地域ではやっている病気

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◆家での子どもの事故を防ごう!
<子どもの死因の上位は事故>
現在子どもの死因の第1位は先天性疾患やがんなどですが、0歳の第4位、1−9歳の死因の第2位は不慮の事故になっています。(平成26年人口動態統計)
先天的なものを除くと、子どもは病気よりも事故で、しかも元気だったのに突然に、という形で命を失っています。
そして、亡くなるお子さんは何百人という単位ですが、入院する子どもはその何十倍、外来ですむ程度の事故は何千倍起きている、という研究もあるそうです。
ヒヤリとする出来事は、もうどなたも経験があると言えるでしょう。

<当院で経験した事故の事例>
身近に感じていただくために、挙げてみましょう。
1)2歳の女の子が1人で2mの滑り台から落下。
2)2歳の男の子が、大人の抗うつ薬を大量に飲んで意識がもうろうとなって入院。
3)2歳の男の子が咳したときにピーナッツを気管支に詰まらせて肺炎になった。
4)5歳の男の子が、食べ物をのどにつまらせて呼吸が止まった。父親が背中を叩いて吐き出させて大事にいたらなかった。
5)4歳の兄が10ヶ月の妹の眼に殺虫剤スプレーをかけた。洗い流して眼は無事だった。
6)1歳の子がおもちゃに装着されたボタン電池を飲み込んだ。(腐食して短時間に胃に穴があくこともあり、大変危険です)

その他、水の入った風呂に転落、歩行器で玄関に転落、のどにビニールが張りついて呼吸困難、鼻の穴に紙を突っ込んで蓄膿症になった、なども経験しました。

子どもの事故は、残念ですが小児科医にとってとてもありふれたものなのです。

<命にかかわる重大な事故とは?>
東京消防庁の統計によると、平成20年-24年の5年間に4万人あまりの乳幼児が日常的な事故で救急搬送されたそうです。
一番多い年齢は1歳、次が2歳。動きがはやくて目が離せない年代ですね。
数としては「ころぶ」「落ちる」「つまらせる」「ぶつかる」が多いのですが、入院を要するような事故になる割合は、「溺れる」「やけど」「落ちる」の順でした。
こうした事故や「窒息」「高所からの転落」は重大な結果につながる、特に要注意の事故です。

<月齢、年齢を先取りした対策を!>
子どもは日々成長して、昨日できなかったことが今日できるようになっています。
それを予測して先回りするのが、防止のポイントです。
よく「まだ寝返りしないから」とベッド柵をしない方を見かけますが、大変危険です。
専門家によると、10ヶ月前後で「やけど」が多くなり、1歳を超えると転倒や転落が増えるということです。
また、2歳未満では誤飲や誤嚥が他の年齢に比べて多いそうです。

★ 例えばこんな対策・・・
やけど:食卓にテーブルクロスを使わない、蒸気が出る家電は手の届かないところへ
誤飲窒息:直径4センチ以下のものは手の届かないところに置く、ブラインドのコードの輪は切っておく
溺水:風呂に残し湯をしない、浴槽で浮き輪を使わない、子どもたちだけで入浴させない
転落:手すりや窓際に踏み台、ベッド、椅子など置かない

この他、交通事故にもどうか気をつけてください。
チャイルドシート、シートベルトは当たり前。
「うちの子だけは大丈夫」ということは絶対にありません。

※当院では健診時に事故防止パンフレットをさしあげています。健診以外でもご希望の方はお声かけください。


◆日本外来小児科学会@仙台に参加しました!

小児科外来にかかわる様々な職種が集うユニークな学会です。12名で行ってきました。
院長は、食物アレルギーなどの時に使うエピペンという自己注射を、園や学校でも迷わず使っていただくために、まずは指導する医療者も体験してみようという趣旨のワークショップを行いました。
また「予防接種」「発達障害診療」「小児漢方」「今時の離乳食」などの講座、一般演題などから見聞を深め、院内報(小児科だより)の展示も行いました。

〜心に残った被災地語り部ツアー〜
近郊の蒲生、荒浜、閖上などをバスで巡りました。
家の土台だけが残った場所が広がり、高台移転を余儀なくされた方たちの抗議の看板も。子をなくしたお母さんが建立した石碑、慰霊塔に手を合わせました。
ガイドさんは、当時タクシー乗務で透析患者さんを女川まで送っていく途中、津波に巻き込まれたという壮絶な体験をされた女性でした。
とっさの判断で助かりましたが、日が経つにつれて精神的に辛い状態になったそうです。専門家から「体験を話す」ことを勧められたこともあり、語り部をしてくださっているとのことでした。人々の心や生活の復興は、まだまだ途上だとお聞きしました。


◆地域ではやっている病気
夏カゼウイルスによるヘルパンギーナや手足口病の他は少なく外来は落ち着いていました。
8月の終わりは急に気温が下がり、すっかり秋の気配ですが残暑はもうないのでしょうか?
休み明け、生活リズムは早起きと食事から。大人も体調管理に気をつけていきましょう。


◆ちび鉛筆
地元高校が野球で準優勝した翌日の仙台/お昼は閖上さいかい市場の海鮮丼をいただきました/被災地に関心を向けつつ観光も楽しんでもらう/そういう状況になったことが嬉しいとガイドさん/お世話になりました/またぜひ東北を訪れたいと思います (T)

posted by kuyama at 23:02| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする