2015年11月05日

小児科だより11月号(No189/2015/11)

今月の記事
◆冬の感染症 〜最良のくすりとは?
◆地域ではやっている病気

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◆冬の感染症 〜最良のくすりとは?

晩秋を迎え、これから寒くなっていきます。
空気も乾燥し、カゼや胃腸炎、インフルエンザなど感染症が流行する季節です。

<代表的な感染症のおさらい>
RSウィルス感染症:
2歳までにほぼ全員が感染する呼吸器感染症(カゼ)で、その後も何度もかかりますが、次第に軽症になります。
特に小さいお子さんでは、中耳炎、気管支炎、時には肺炎となり入院することもあるので注意が必要です。
特効薬はなく、感冒剤や咳には吸入などの対症療法で回復を待ちます。

胃腸炎(ノロ、ロタウィルス):
どちらもありふれた病気で、何度もかかります。
ロタの方が、若干症状が重い傾向です。
ロタにはワクチンがあります。
RSウィルス同様、次第に軽症になりますが、小さいうちは重症化することがあるので、注意して経過をみます。
発熱、嘔吐、下痢がみられ、脱水が進むと点滴や入院になることもあります。
どちらも特効薬はなく、対症療法で回復を待ちます。

インフルエンザ:
突然の高熱、咽頭痛、頭痛、筋肉痛、全身倦怠、腹痛や下痢、乳幼児では熱性けいれんがみられることもあります。
子どもから大人まで、毎年推計で1千万人以上がかかっていると考えられています。
迅速検査がありますが、発熱後8時間〜数日後と検査できる期間に個人差があり、100%正確ではないので診察所見との組み合わせで診断します。
ワクチンは、他と比べると予防効果は高くなく、重症化予防が主となります。
抗ウィルス薬があり、内服薬のタミフル(異常行動が問題となるため、10歳以上は慎重投与)、吸入薬のリレンザ、イナビル(吸入ができる5歳くらいから)、点滴薬のラピアクタ(症状などによって選択)が使われます。


<抗生剤は効きません>
最近は患者さんへの情報もだいぶ行き渡りましたが、以前は「カゼを早く治したいから医者に行って抗生剤をもらう」という会話がよく聞かれたものです。
気軽に出す医師も問題です。
カゼはウィルスによる病気なので、細菌感染に使う抗生剤は効かないどころか、腸内細菌のバランスを乱す、耐性菌をつくるなど、問題を引き起こします。
(ただし、しっかり使う必要がある病気もありますので、医師の説明をよく聞いて納得して服用しましょう。)

<かからないための注意は?>
「手洗い、うがい」と言われます。
これはとても大事な心がけであり、ある程度の予防にはつながりますが、やはり完全にとはいきません。
左にあげたような病気を予防して、一生かからずに済む人はいません。むしろ子どものうちにかからず免疫を持たないことの方が問題です。
私たちが暮らす環境には、ウィルスや細菌がいるのが当たり前であり、そのために体には「免疫」という仕組みが備わっているのです。
この免疫が力を十分発揮できるよう、日頃から睡眠や栄養バランス、適度な運動に心がけ、体調を整えておくことが最大の予防であり、最良の治療薬と言えるでしょう。

特に小さいうちから集団生活をしていると、いろんな病気をうつし、うつされしますが、それで丈夫な身体ができ、アレルギーなど過剰な免疫をおさえるという、プラス面も大きいのです。
親御さんは、一時は大変な思いをされると思いますが、そう考えて乗り越えていきましょう。
それを応援するのも、小児科の大切な仕事です。
ご心配なことは何でもご相談くださいね。


◆地域ではやっている病気

手足口病は10月に入ってそろそろ終息かと思いましたが、まだ多いです。
今号にも取り上げたRSウィルス感染症が10月中旬から増えてきました。
冬に向かって、胃腸炎もこれから増えてくると思われます。
ワクチンの定期化により、水痘はこのところみなくなりました。


◆ちび鉛筆

今月近隣に「アサヒ薬局」さんが開業されます/「くすりの福太郎」さん同様に/当院の方針にご協力くださいます/「もとのクリニックタウン」内も /駐車場の改修を予定しているそうです/工事が続きますが引き続きよろしくお願いいたします(T)
posted by kuyama at 08:59| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする