2015年12月28日

小児科だより01月号(No191/2016/01)

今月の記事
◆危ない! 子どものダイエット
    〜身体づくりの大切さを知ろう!

◆地域ではやっている病気

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◆危ない! 子どものダイエット
    〜身体づくりの大切さを知ろう!

どんな新年をお迎えでしょうか。
今年こそダイエットを成功させよう!と心に誓った方もおられることでしょう。しかし何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」、まして子どもはなおさらです。
小さい子どもの場合は、容姿よりスポーツに絡んでの問題があります。ここでは両方を取り上げてみます。

<日本人の「やせ」への価値観>
日本では、老若男女「若さ・美容・健康」ブーム。
もちろん健康に関心を持つことはよいのですが、美容や自己達成感、スポーツ競技成績向上などのために、行き過ぎた「やせ体型」を目指している方もいます。
ある調査によると、日本女性が「理想」とするのは標準体重の80%とのことです。身長160cmなら、標準体重56kg×0.8=44.8kg になります。
いかがでしょう?もしこの体型に本当に「成功」してしまったら、健康な状態と言えるかどうか、疑問です。
やせを美しい・カッコいいとする「やせ神話」。
やせで病気になる人の多くは「自分は太っている」、「たとえ健康を損ねても、やせることは大切だ」という信念を持ち、その害に気付かないか、無視する人もいます。

<「やせ」による健康障害の例>
○熱心にスポーツ教室に通っている女の子
競技成績のためには太ってはいけないと、過度に食事制限してしまい、慢性の頭痛や低血圧のため、通学がつらくなっています。それでも指導者に体重管理が足りないと言われてしまうそうです。
○学校の運動部で頑張る男の子
競技成績のために体重を落としすぎ、体力低下で登校できずに受験勉強も手につかなくなっています。
○ダイエットしていたお母さん
カルシウム不足で骨粗鬆(そしょう)症になり、育児中に背骨を骨折してしまいました。

<やせすぎによって起こる障害>
栄養障害(貧血、ビタミン不足、筋力低下)、骨の病気(病的骨折、骨粗しょう症、虫歯)、心の病気(神経性やせ症、やせ依存)、うつ病、睡眠障害、社会不適応(不登校・出社拒否))、無月経などがあります。
特に成長期や若い時のやせは、その影響が一生にわたることもあり、取り返しがつきません。
とくに深刻なのは、骨の病気と心の病気です。
骨の密度は20代がピークで後は下降する一方です。
20代までに骨に十分なカルシウムが蓄えておかなければ、中年以降は治らず悪化するばかりです。
また心の病気のため、社会生活に深刻な影響が出て取り戻すのが困難になることも少なくありません。

◆「やせ」にはまる危険なサイン◆
・やせることが何より楽しい、達成感を感じる、
 「自己実現」と感じる。
・標準体重の80%台になった。
・人からやせを心配されるようになった。
・やせすぎと言われても、やせをやめる気はない。
・食べ過ぎた時は、吐くか浣腸をしている。
・所属するスポーツ教室や部活で「やせ」が当たり前
 の雰囲気がある。
・中学生で、生理がない。
・やせてから、不眠、低血圧、朝起きられない、頭痛、
 登校困難、出社困難が出てきた。

<子どものスポーツ、何のため?>
ファッション界では現実味のない体型を強要されたモデルさんが亡くなって問題になったり、スポーツの世界でも様々な変化の兆しはあります。社会の考え、風潮が変わっていくとよいと思います。
ただ、成長期の子どもの問題は待ったなしです。
運動に親しむことは身体を鍛えるだけでなく、チームワークや忍耐を学ぶことなど、心身の成長にとてもよいことです。
しかし成績を重視するあまり、健康を損なうほどの体重管理やトレーニングを強いることはどうなのでしょうか。また「試合の時は生理を止めろ」というのも、医学的には問題があります。
子どもの健康を守る立場から、まわりの大人(指導者や保護者)の方々には十分配慮していただくことをお願いします。


◆地域ではやっている病気

冬の胃腸炎が先月に引き続き流行していました。
ロタワクチンの接種が進み、重症入院例が減った印象です。
神戸市では、接種率が4割を越えた2014年度からロタ胃腸炎による入院が6〜7割減少し、接種年齢以外の兄弟も入院が半減。接種した人が免疫の防波堤になって他の人の感染も防いだことが示唆されたそうです。


◆ちび鉛筆

どんなお正月をお過ごしでしたか/暖冬のせいか年末のインフルエンザは少なかったです/異常気象が心配されていますが/平穏な年であってほしいですね/今年もどうぞよろしくお願いいたします (T)
posted by kuyama at 08:00| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする