2016年04月02日

小児科だより04月号(No194/2016/04)

今月の記事
◆一生の健康を支える お口の健康のお話

◆地域ではやっている病気

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◆一生の健康を支える お口の健康のお話

口腔衛生意識の向上によって、子どもたちのお口の健康状態は昔にくらべてよくなり、虫歯も少なくなりました。
今月は、お口の健康は身体全体の健康につながること、子どもにみられる口や歯の問題について考えてみましょう。


<いろいろある、お口の働き>

私たちは、口から食べ物を取り入れ、咀嚼(そしゃく)したり、飲み込んだりします。
食事は体づくりの基本、そして楽しみでもありますから、この機能を維持することは、生涯の健康や生きがいにつながり、健康寿命にも大きなかかわりがあります。
また、口には発音や呼吸の役割もあります。


<歯周病は全身の健康に影響をおよぼす>

「りんごをかじると血が出る」のは歯周病(歯槽膿漏)の症状の1つ。口腔内の細菌が原因で起こる歯ぐきの慢性の炎症で、進行すると歯の土台が壊され、歯を失う大きな原因になります。
それだけではなく、その細菌が気道に入り込むと気管支炎や肺炎に、全身の血管に回れば炎症から動脈硬化を起こし、高血圧、脳血管障害、心臓病の原因となります。
また早産や低体重出産の一因となったり、糖尿病の悪化にも関係しているなど、健康に大きな影響を及ぼすことがわかってきました。


<予防は子ども時代から>

そんな歯周病の罹患率(りかんりつ)は、年齢とともに増え、成人の8割に歯周になんらかの異常がみられます。
若いうちは全身の病気は見えませんが、歯周病をはじめ生活習慣病というものは10〜20代の頃からひそかにスタートしていて、40〜50代になって気がついたときには進行した形で現れます。
幼いときからお口の衛生に気をつけること、よい習慣を身につけることは、将来の健康寿命につながっていくのです。


<歯科健診が大切です>

虫歯や歯周病は生活習慣病。
まずは親御さん自身のお口の中は大丈夫でしょうか。
虫歯はないよ、という方でも、歯磨きのときに歯ぐきから血が出たり、腫れたりしていませんか?
放っておくと、炎症が進み歯ぐきが下がってついには歯が抜けてしまいます。
かく言う私も、開業を機に歯の矯正をして、半年に1回歯科健診やブラッシング指導を受けて定期的なチェックを続けています。
乳幼児の歯のことは、市町村の集団健診などの機会に指導が受けられますし、学校の健診でも問題があれば歯科受診を勧められるでしょう。
そのような機会に、心配なことがあれば相談しましょう。

<小児科で相談を受けるお口のこと>
健診などの機会によく受けるご相談をあげてみます。
不正咬合)
噛み合わせの異常です。歯や顎を傷める、食べる機能を損なう、顔のかたちをゆがめる、などの原因になることがあります。
噛み合わせは3歳くらいまでは発達途上で、急いで直す必要がないことが多いようです。
乳歯がそろう4歳くらいに歯科に相談してください。
原因:顎骨の発育異常、歯の異常、舌や口の筋肉の異常、口腔習癖(舌を突き出す、おしゃぶり)
予防と治療:口腔習癖を止めさせる、矯正治療

口腔習癖)
口の癖からくる問題です。舌前方突出(舌を前に突き出す)、指しゃぶり、下顎前突(下あごを突き出す)などがあり、不正咬合の原因になることがあります。
年齢とともになくなり問題にしなくてよい場合もあります。歯科健診のときに相談されるのもよいでしょう。
予防と治療:癖を止めさせる(不正咬合が予想されるとき)、矯正治療などがあります。

舌小帯短縮症)
舌の裏についているヒダを舌小帯と言います。
このヒダが短いと、舌の働きが障害されて咀嚼や発音の障害を起こすことがあり、治療(切る)が必要なことがあります。

顎関節症)
顎の噛み合わせの障害です。顎関節の異常や咀嚼習慣などさまざまな原因の組み合わせで起こります。
開口の困難や顎の痛みを起こします。マウスピースや開口訓練、癖を直すなどの治療法があります。

ご参考)日本小児歯科学会ホームページ
「こどもたちの口と歯の質問箱」
 年齢ごとにわかりやすく説明されています。


◆地域ではやっている病気

例年より立ち上がりが遅かったインフルエンザは、当院では2月上旬がピークでしたがその後もなかなか勢いは衰えず、3月下旬になってやっと下火になりました。
気がつけば卒業入学の季節です。
花粉症は、今年は早くから症状が出る方が多くまだ続いています。
春休みで感染症はいったん落ち着くでしょう。
よいお休みをおすごしください。


◆ちび鉛筆

ご入園ご入学おめでとうございます/希望でいっぱいの春ですね/小児科の人たちも応援していますよ/この地域に新しく引っ越してきた方/ 初めて当院を受診する方/何かあればお気軽にご相談ください(T)
posted by kuyama at 09:11| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする