2016年10月31日

小児科だより11月号(No201/2016/11)

今月の記事
◆がんばろう!喘息治療
〜一生の病気にしないために 大切なこと

◆地域ではやっている病気

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◆がんばろう!喘息治療
〜一生の病気にしないために 大切なこと

秋になると、喘息でぜいぜいするお子さんが増えてきます。苦しい発作が吸入や薬でおさまると、ほっと安心。
治ったんだから、もう受診しなくていいですよね?
いいえ、症状がなくなっても「治った」とは言いません、発作がおさまってからが本当の治療の始まりなんですよ。

<喘息はカゼとお友だち>
喘息の原因というとアレルゲン(ダニ、ハウスダスト、動物など)を考える方が多いと思いますが、他にも原因にはカゼ、煙(タバコや花火や線香)、気候などがあり、これらの組み合わせで起こります。
中でも一番多いきっかけはカゼです。
秋冬に喘息発作が増えるのもこのためです。
「カゼですか、喘息ですか」と聞かれますが、たいていは一緒に起こるのです。

<診断はどのようにするのですか?>
喘息は、慢性で発作を繰り返す病気です。
専門医は1、2回のゼイゼイでは経過をみて、3回以上の発作を目安として診断をおこないます。
喘息には原因を特定する検査(マーカー)は残念ながらありません。喘息の診断は検査でなく症状で行います。アレルギー検査を行うことが多いですが、補助の1つという位置づけです。

<「喘息は慢性疾患」の意味>
冒頭にも書いたように、「発作がおさまったから」「しばらく発作が起きないから」もう治ったと考えて治療をやめてしまう方がいます。
しかし喘息は慢性疾患です。慢性疾患とは「徐々に進行して治らなくなる病気」です。
表に出る症状だけでなく、身体の中で何が起こっているかを知ることで、治療継続の大切さが理解できます。

<治らなくなるメカニズムを知ろう>
1) 気道過敏性
難しいことばですが、発作を起こした気管支は敏感になっており、少しの刺激でも発作を起こしやすくなり下図のように悪循環を起こします。
(山本淳「図解 よくわかる小児ぜんそくの本」より)

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敏感になった=炎症が起こっているということです。

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治療で気管支の炎症をおさえることで、次の発作を起こりにくくして悪循環を止めます。
症状がなくなってから気管支が回復しはじめるのは数ヶ月してからです。だから、根気強い治療が必要なのです。

2)リモデリング
治療を途中でやめて悪循環が長く続くと、炎症が慢性化して元に戻らず(リモデリング)、発作が起きやすい気管支に置き換わってしまいます。
ここまで進むと治らなくなり、一生の病気になります。

<一生の病気にしないために>
このような見通しを最初にご説明しても、苦しい発作がなくなると受診が遠のく方が少なくありません。
が、無症状と思っているうちに進行し、治せる時期を過ぎないうちに、しっかり治していただきたい。
若いうちは喘息の日常生活の影響は少ないですが、中年以降は徐々に重い発作が起こりやすくなり、気管支の寿命が縮まることになります。
喘息という診断を受けたら、一定期間きちんと治療を続けていただきたいと思います。

途中でやめていると次の受診がしにくくなるかもしれませんが、思い立った時が良い時です。
ご一緒にがんばりましょう。


◆地域ではやっている病気
9月に続き乳幼児に
RSウィルス感染症が
目立ちました。
ありふれた感染症で
すが、乳児期では重くなりやすく注意が必要です。
手足口病も目立ちましたが、10月下旬では減少傾向になっています。
これからの時期は胃腸炎が増えてきます。
寒さに負けず、たくさん外で遊んでください。身体を鍛えたいものです、大人もね…。
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◆ちび鉛筆
一部ワクチンの不足が続きご心配やご不便をおかけしています/県や国からの調査で現場の状況を伝えていますが/まだワクチンは十分に入ってきません/当院では麻疹風疹1期はできていますが2期は受付休止中/日本脳炎は随時入荷がありますが不十分という状況です/他は今のところ問題ありません(T)

posted by kuyama at 08:12| カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする