2016年12月01日

小児科だより12月号(No202/2016/12)

今月の記事
◆胃腸炎の季節になりました
〜おうちでのケアを中心に

◆地域ではやっている病気

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◆胃腸炎の季節になりました
〜おうちでのケアを中心に

寒くなって、カゼや胃腸炎が多くなってきましたね。
「ノロ」「ロタ」と毎年騒がれますが、昔から誰もがかかるお腹のカゼです。症状の重さが問題であって、何ウイルスかを判定しても治療は変わらないので、通常は検査も必要ありません。
特効薬はなく、脱水にならずに回復するよう、家での看病や観察がもっとも大切です。

<「胃腸炎」の種類はいろいろあるの?>
小児の感染性胃腸炎の原因には、細菌とウイルスがありますが、一番多いのはノロとロタのウイルスによるものです。
ノロは11月〜1月、ロタは2〜4月が流行のピークで、潜伏期間はどちらも約2日です。
以下に特徴をあげてみましょう。
・ノロは年長児に多く、ロタは乳幼児に多い
・どちらも4〜5歳までにはほぼ100%の人が感染
・どちらも感染経路は、便や嘔吐物を介した接触感染
・学校や保育施設などで集団感染をおこすことがある

ノロ、ロタとも感染は繰り返しますが、年齢が上がるとしだいに軽症や無症状の感染(不顕性感染)になります。

<どんな症状が出るのですか?>
発熱と嘔吐と下痢が主な症状で、ピークは1〜2日です。
・発熱  40度近くになることがありますが、ほとんどは2日以内に自然解熱します。
熱を下げる必要は通常ありませんが、症状が強くぐったりするときは、使用するとよいです。
・嘔吐  繰り返すと脱水になるため、一番気をつける症状です。たいていは半日くらいでピークを越えます。
水分の上手な飲み方(次で説明)に気をつけると、よくなることが多いです。
・下痢  ノロ、ロタは白っぽいか緑色ですっぱい臭いの便が多く、血便は通常ありません。2〜3日でよくなりますが、乳幼児では1週間くらい長引くことがあります。

<脱水予防がポイントです!>
嘔吐を上手に乗り切れば、点滴することなく回復することも多いので、やってみてください。
*上手な水分のとらせかた*
・吐いたからと慌てない。すぐに脱水にはなりません。
・吐いた後は、しばらく落ち着くのを待ちましょう。
・水分補給はちびちびと。
 母乳は少量をこまめに、水分はスプーン1さじから、
 様子を見ながら少しずつ増やしていきます。
・子どもにペットボトルやコップを持たせないで。
一気に飲むと、それが刺激になってまた吐くのを繰り返し、かえって悪化します。(よくある失敗です)
ぐったりしたり、尿が半日出ないなど脱水が進む場合は無理をせずに早めに受診しましょう。

<食事はどんなふうに進めたらいいの?>
一度に100ml以上飲んでも吐かなくなったら、食べさせましょう。消化の良いもの、食欲がなくてものどに通りやすいものなら、ふだんと同じ固さのものでOKです。
甘いものは避けましょう。
昔は「しばらく絶食」「おかゆから」でしたが、現在では腸の粘膜は普通に食べる方が早く再生し、回復することがわかっています。
下痢が長引く場合は、一時的な乳糖不耐症などが考えられ、普通のミルクや牛乳をやめると治る場合があります。

<治療は最小限に>
治療は、吐き気止め坐薬や整腸剤などの対症療法で、脱水には点滴を行います。
下痢止めはウィルスの排泄を遅らせ、抗生剤は乳酸菌などの善玉菌を減らして下痢を長引かせるため、通常はこれらの薬は使いません。

<治癒証明書は必要ですか?>
治癒証明書は、ほとんどの保育園、幼稚園で必要ありません。学校でも家庭での記入だけです(印西市教育委員会に確認済み)。
不顕性感染が多いことと、症状が消えた後も1ヶ月近くウィルス排出が続くので、隔離して予防するのが不可能なためです。
ただし一部では医療機関が記入する治癒証明書交付が必要なことがありますので、ご確認ください。


◆地域ではやっている病気

この秋多かったRSウィルス感染症は一旦終息しました。
夏カゼウイルスもそろそろ退散です。
代わって、本文でも取り上げた感染性胃腸炎が増えています。
インフルエンザは、周辺地域ではまだほとんど出ていませんが、今後の動向に注意が必要です。どんな感染症も予防は「手洗い」が基本。咳エチケットも守りたいですね。


◆ちび鉛筆

先月は早くも雪が降ってびっくりでしたね/街路樹もだいぶ葉を落としつつあります/今年最後の「たより」をお届けします/皆様にはどんな1年だったでしょうか/慌ただしい年の瀬ですが/子どもたちにとってはわくわくの時期/よい年末年始になりますように(T)
posted by kuyama at 09:45| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする