2017年02月02日

小児科だより2月号(No204/2017/02)

今月の記事
◆そのネット情報は大丈夫?
〜上手な利用のために

◆地域ではやっている病気

◆そのネット情報は大丈夫?
〜上手な利用のために

子育て中のタレントさんが、「夜中に子どもが具合悪くなったので、スマホで、3歳、夜中、発熱と入れて検索して・・」とTVで話しているのを聞きました。
その結果、適切に対処できたそうです。便利ですね。
しかし、最近誤った情報が問題になって閉鎖したサイトもあるなど、ネット上の情報は玉石混交です。
当院で実際に経験した事例をご紹介しましょう。

<早期発見と治療に役立った例>
熱のある赤ちゃん、しかもBCGの部位が赤いことが気になりネットで調べ、「川崎病では?」と来院されました。
診察の結果、川崎病初期と診断して専門病院を紹介し、後遺症もなく元気に回復しました。まだ症状がそろう前の来院でしたが、情報が生かされ早期に受診、良い結果につながりました。
このように、気になる症状を調べ、当てはまる気がすると受診した結果、腸重積、アナフィラキシー、発達障害などの診断につながったケースがありました。

<対応に困ったケース>
「予防接種は絶対に打たない」、「絶対にステロイド軟膏は使いたくない」という方がおられ、その根拠を伺うと、ネットでの情報という方が多いです。
どんな治療を選ぶかは、最終的にはご本人が決めることです(しかし子どもの場合は親が決めることになり、小児科医としては子どもの立場に立って説明します)が、中には医療を否定する根拠のない情報を流し、自社製品を購入するように誘導する悪質なサイトもあり、適切な治療を受ければ治るのに、と憤りを感じることもあります。
「薬は飲ませたくない」と、白血病が深刻な状態なった方もありました。

<ネットの医療情報を使いこなすヒント>
1)選択の基準
・科学的根拠(学会、公的機関、専門機関)がある
・営利目的以外の運営サイト
・新しい
・断定や一方的な見解がない
例えば「ac.jp」「go.jp」「or.jp」は、研究機関、政府系機関、非営利団体サイトのURLに含まれ、検索結果の上位に表示されます。また期間を「1年以内」などとすれば、更新された情報に絞ることができます。

2)情報の確認
キーワードの選択によって、検索結果は違ってきますので、自分に都合の良い情報を集めてしまいがちです。
また、それを本当に自分に当てはめて良いか、の判断が必要です。
疑問や不安が残るときは、直接医師に確認しましょう。

3)「い・な・か・も・ち」
専門家が提唱する、見きわめの方法です。
「い」=いつの情報か(情報の鮮度)
「な」=何のための情報か(作成者の意図)
「か」=書いた人は誰か(執筆者や開設者)
「も」=元ネタは何か(情報の根拠)
「ち」=違う情報と比べたか(関連情報との比較)。

<当院の情報発信の方針>
さてかく言う当院も、ネット上で情報発信をしています。このおたよりも、「お知らせブログ」に毎月アップしており、今は紙媒体よりスマホなどでチェックしている方が多いように感じています。
顔の見えない読者がおられることを前提に、気をつけ
て発信しなければと思っています。
1)中立の立場で、宣伝勧誘はしない
2)公的サイトや信頼できる文献を情報源とする
3)現場の医師として、自分自身の見解を発信する
4)いわゆる医療情報サイトでの発信はしない
 (依頼を受けない)

テレビやネットで、様々な健康問題が話題になります。
それをどう読み解くのか、どう考えたらよいのかをお伝えするのも、かかりつけ医の役割だと考えています。


◆地域ではやっている病気

感染性胃腸炎は12月下旬をピークに下火になりました。
入れ替わりに、冬休みが明けるとインフルエンザの流行が本格化し、A型はそろそろピークかもしれません。
1月後半からは、B型が少しずつ増えてきています。1シーズンに複数回かかる人もいて油断はできません。
春が待ち遠しいですが、花粉症も出てきていますので、対策は早めにしましょう。

◆ちび鉛筆
当院が予防接種のネット予約を始めて/意外なことにまだ6年半足らず/それ以前のことが思い出せないほど定着しています/予約ページのお知らせもしっかりチェックしていただき/運営上もとても助かっています/皆さまのご協力に心より感謝申し上げます(T)


posted by kuyama at 09:03| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする