2017年02月28日

小児科だより3月号(No205/2017/03)

今月の記事
◆育児とスマートフォン
〜多くの方が不安を感じながら使っている

◆地域ではやっている病気

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◆育児とスマートフォン
〜多くの方が不安を感じながら使っている

電車やお店で子どもが騒いだ時、スマホを見せて静かにさせた経験、多くの方にあることと思います。
スマートフォンは今や生活に欠かせない道具になっていて、子育ても例外ではありません。
「スマホ育児」という言葉も生まれ、議論になっています。ご一緒に考えてみましょう。

<利用の実態と保護者の意識は?>

この問題に取り組んでいる専門家による「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」(子どもネット研)が昨年行った「未就学児の生活習慣とインターネット利用に関する保護者意識調査」によると、
1)1歳児の4割、3歳児の6割がスマホなどの利用を経験、その約5割が「毎日必ず」または「ほぼ毎日」

2)7割以上の保護者が自ら「使い方のお手本」を意識している他、6割以上の保護者が「子どもに必要な睡眠の目安やコンテンツとの付き合い方」について大まかに理解

3)「子どもに利用させること」について9割以上の保護者が何らかの不安を感じている反面、より具体的な判断材料についての知識・理解は不十分な保護者も少なくなく、保護者の8割以上は学習の必要を感じていた。

という結果でした。
多くの子どもが乳幼児期にスマホ使用の機会があり、保護者は必要性とともに不安も感じていて、判断材料を求めていることがわかりますね。

<乳幼児期の親御さんの不安とは?>

上記調査で親御さんがあげた不安としては、多いものから、視力への影響、勝手に課金や購入、不適切な情報に触れる、将来の長時間使用や依存への不安、情緒やコミュニケーシ
ョン能力、脳の発達への影響などが挙げられていました。

研究は始まったばかりで、長期的な影響など科学的根拠のある結論はまだありませんが、すでに得られている知識からいくつかのアドバイスはできるようです。
(NHK NEWS WEBの記事より)
1)小児眼科専門医から
6歳ごろまでは、視力の発達の大切な時期。
30センチ以上離し、15分程度にする。
周りが暗いところや、車やベビーカーなど揺れ動いている状況では、見せないこと。

2)小児科医、発達心理専門家から
テレビの研究では、言葉の発達には視聴時間より家族との会話や関わりが大きかった。
いろいろな経験をさせてほしい。
ほんの短時間で取り返しのつかない影響はない、上手に使うことを考えて。
周りの人の子育てへの温かい見守りももっとあるとよい。

<学童期以降にみられる問題>

ここまでは未就学児を中心にお話してきました。
幼少期は親が判断し、コントロールできますが、その先についても考えてみましょう。
節度のある使い方ができれば有効なツールとなり得ても、子どもは(大人も?)未熟です。
不適切な与え方の結果、高学年になるとネット依存、高額な課金、プライバシー発信、いじめ、犯罪など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

当院でも、実際にネットがらみの病気の相談が増えてきています。
昼夜逆転、遅刻欠席、成績下降、不登校、高額な課金など。取り上げると激しく反抗され、親御さんはスマホを与えたことを深く後悔されます。
依存症専門病院に紹介したケースもあります。

私たち大人も自身の使い方を振り返り、子どもへの影響を考えてみることが必要のようです。
学校や地域で、少しずつ啓発も始まっているようですが、国やネット関連産業なども、こうした問題への対策や予防に本腰を入れてほしいと考えます。

◆地域ではやっている病気

インフルエンザはピークを越え、2月下旬にはだいぶ下火になってきています。B型の割合が増え、まもなく終息すると思われます。
スギ、ヒノキの花粉は東日本では例年並みの飛散量とのことです。すでに飛散が始まっており、これからピークを迎えます。治療は先手必勝です。花粉の接触を避け(マスク、ゴーグル)、帰宅したら洗い流しを。

◆ちび鉛筆

ご卒園ご卒業おめでとうございます/ともに季節をすごし節目を越え/子どものいる生活は/たくさんのことを大人にも教えてくれますね/ネット社会の未来はどうなっていくのか/すでに乗り遅れつつありながらも/考えさせられる昨今です (T)
posted by kuyama at 18:42| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする