2017年04月01日

小児科だより4月号(No206/2017/04)

今月の記事
◆手を携える医療
〜 治療を中断しないために

◆地域ではやっている病気

〜〜
◆手を携える医療
〜 治療を中断しないために

喘息など経過の長い病気は、お子さん本人、保護者、医療者が協力して共に治療を進めていくことが大切です。
このことは、いろいろなことに通じるように思います。
ご一緒に考えてみましょう。

<あの時治療が続けられていれば・・・>
先日、高校生の喘息の患者さんが数年ぶりに発作で来られました。小学生の時から当院で治療を続けていましたが、中学生になって忙しくなったのでしょう、来院が途切れていました。
今回の発作で治療を再開することになりましたが、中断している間に慢性の炎症が固定してしまい、今後一生喘息と付き合うことになりそうです。
当院では多くのお子さんが喘息で通院されていますが、残念ながら、いろいろな理由で治療に来られなくなる方が1〜2割おられます。
その間に気道の炎症が進んでしまうと、この高校生のように残念な結果になってしまいます。

<中断に至る、さまざまな理由>
一般には、その病気の性質として、治療に時間がかかる、効果が見えにくい、患者さん側の労力が大きい場合。
医療側の問題としては、説明不足、医師との相性が合わない、誤った医療など。患者さん側の要因として、病気の理解不足や誤解、時間的・経済的事情などがあげられます。
これらが組み合わさるなどして、「治療の労力に見合わない」と考え離れていかれるのでしょう。

医療者は、正しい治療をする、説明をきちんとする、で自分たちの役割は果たしたと思いがちですが、こうした患者さんの理由、思いに十分気づけていないかもしれません。

受診行動に関する文献には、具体的な患者さんの思いとして、通院や食事や運動などの指示を守るのが大変、病気を治すより大切なこと(家庭、勉強、部活、仕事、趣味など)がある、病気の認識の問題(認めたくない、悪い結果が実感できない、自分だけは悪い結果にならない)、医療不信などがあげられています。

<双方が役割を果たし、協力すること>
治療継続には、患者さんと医療者の協力が必要です。
1)患者さん
・治療の主人公になる(自分が、自分のため)。
・わからないことは質問する。
・治療効果が上がらないとき、中断してしまったとき、
 治療継続できないとき、遠慮せず医師に伝える。

2)医療者
・情報ギャップを減らす。
 (治療の見通しを含めた、わかりやすく、詳しい説明)
・治療継続が困難な理由を知って、対策を取る。
・治療を取り組みやすいよう小分けにする。
 (スモールステップ)
・良い時も悪い時も、治療中断した時も、患者さんの側
 に立つ。

<信頼関係の大切さ>
いろいろと書いてきましたが、患者さんと医療者の信頼関係があって初めて手を携えることができます。
前項で述べた役割が当院として十分果たせているかと言えば、まだまだ努力が必要だと思います。
患者さんの立場を理解し、話しやすい環境にできるようスタッフとも話し合っていますので、お困りのことがあれば、お声かけください。
また、喘息治療に関しては、治療のスタート時に長めの時間をとって「治療ガイダンス」を行い、見通しを持って取り組んでいただけるよう努めています。
ただ日常の診察時には、十分な時間が取れないことも多く、今後も工夫していきたいと考えています。
ご要望があればご遠慮なくお伝えください。

◆地域ではやっている病気
インフルエンザはピークを越えた後も3月中旬まで流行が続きました。
しかも最後までA型が多く見られたのも特徴でした。春休みに入って、感染症はようやく一段落です。
新年度、初めて集団生活に入る小さいお子さんは、繰り返しカゼをもらうかもしれませんが、免疫をつけて丈夫になっていきます。

◆ちび鉛筆
ご入園ご入学おめでとうございます/桜や色とりどりの花壇の花が/お祝いしてくれているようです/春は新しい出会いの季節/当院が初めての方も/ご不明なことがあれば/ご遠慮なくおたずねくださいね(T)

posted by kuyama at 10:15| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする