2017年05月30日

小児科だより6月号(No208/2017/06)

今月の記事
◆保育園の健診に思うこと

◆地域ではやっている病気  

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◆保育園の健診に思うこと

春から初夏にかけては、園学校の健診の時期です。
院長は現在6つの保育園、2つの幼稚園、そして小学校1校の嘱託医をお引き受けしていますので、休診日を使って毎週のように園や学校に伺っています。
中でも保育園は、0歳から就学前という幅広い年齢のお子さんが1日の長い時間をすごす生活の場。
今月は、そんな保育園の嘱託医として感じていること、関わりについて書いてみたいと思います。

<保育園での健康管理>
健診の内容は、通常の「乳幼児健診」と同じです。
保育士さんや看護師さんが保護者代わりになって、その子の様子をいろいろ教えてくださいます。
医者にかかることが少なかった時代は、集団健診で身体の病気や栄養の問題などを発見して治療につなぐ、という役割が主なものでしたが、今はそうした問題はほぼ、すでに医療につながっています。
現在は、現時点での健康状態の確認に加え、虐待や生活習慣病なども念頭におくことが求められています。
また、アレルギーや感染症、事故などにどう対応したらよいかについての、ご相談の機会となっています。

<園の役割が幅広くなってきている>
以前と比べて発達障がいがふつうに語られるようになりました。
例えば、知的障がいをほとんど伴わないタイプの発達障がい(自閉症スペクトラム、広汎性発達障がい、注意欠如多動症、学習障がい)を早く見つけることが、社会性の観点から大切という認識が広まってきました。
早めにそうした傾向に気づき、その子に合った対応を行ない社会への適応を促すことが大切で、園や学校が親御さんと相談しながら支援することが増えています。
そうしたお子さんが幼少期から集団保育の場ですごせるメリットは大きく、大切な役割があります。
保育園では、保育時間が長くその子の生活のいろいろな場面を見ることができるので、そこを共有し一緒に考えることで、育て方に悩む親御さんの支えにもなっていると思います。

<職員の皆さまとの勉強会>
共働きが当たり前の時代、障がいのあるなしに関わらず、保育園でもこうした教育機関としての役割がさらに増して、大切な課題となっています。
そのことにしっかりと意識的に取り組んでいる保育園が増えていることは、大変心強いことだと感じています。
一方で園長先生、保育士さん、看護師さんたちが日頃困っていること、悩んでいることも多岐にわたっています。
そこで、お忙しい業務の中、健診の機会を利用して事例検討会や発達に関する勉強会を設けてくださり、ご一緒に取り組んでいる保育園もいくつかあります。
私自身も、現場で困っていること、課題などが具体的に把握でき、貴重な勉強の場となっています。

<保育園不足に思う>
私事になりますが、我が娘も20年以上前に産休明けから保育園でお世話になりました。
当時から保育園が足りず、最初は無認可園でしたが、しっかりした理念をもった方が運営されていたことは本当に幸運でした。(ただ、当時の無認可園は保護者が運営の一端を担うために、バザーや行政との交渉など、大変負担も重かったのですが。)

そして現在も、親たちの苦労は続いています。
全国的には待機児童対策で保育園設置の条件が緩和され、一部では劣悪な保育園が問題になっているニュースも耳にします。
国は、待機児童解消という数字上のことだけではなく、未来ある子どもたちのための施策という根本から、制度を整えてほしいものです。

少し話がずれてしまいましたが、嘱託医として優れた保育の場を知るにつけ、そうした質の確保のための施策が進むことを願っています。


◆地域ではやっている病気

インフルエンザは5月に入ってようやく終息しました。
この時期、感染症は全体に少ないですが、その中で水痘、溶連菌感染症が増える傾向にありました。
これから夏に向かっては、咽頭結膜熱(プール熱)やヘルパンギーナなど、いわゆる夏カゼウイルスによる感染症が増えてきます。高熱が出ますが、重くなることはほとんどありません。


◆ちび鉛筆

6月10日は時の記念日/その昔保育園で折り紙の時計をいただいて/今も大切にとってあります/欧米並みの合理的な生活をめざして/1920年に制定されたのだとか/列車時刻など時間に正確な国民性は/ここに由来しているのでしょうか・・・??(T)
posted by kuyama at 15:59| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする