2017年07月31日

小児科だより8月号(No210/2017/08)

今月の記事
◆ボクがそばにいるよ!
〜こども病院で活躍する「ファシリティドッグ」のお話

◆地域ではやっている病気  

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◆ボクがそばにいるよ!
〜こども病院で活躍する「ファシリティドッグ」のお話

動物はお好きですか?
私は子どもの頃からいろいろ飼っていました。
中でも犬は代々合わせて9頭で、現在は保護センターから引き取った雑種2頭がいます。かわいいですよ。
最近、医療現場で活躍している犬「ファシリティドッグ」のことを知る機会があったので、今月はそのお話を。

<治療はつらいけど、がんばる!>
動物とのふれあいはかけがえのない宝、と私も日々実感しています。
病院にいる子どもたち。
採血や、注射、検査など、大人でも怖くてつらい。
手術への不安、しんどくて何も食べられない・・。
そんなとき、優しい目をしたふわふわのワンちゃんが「いっしょにがんばろう!」とそばにいてくれたら、子どもたちはきっと勇気がわくことでしょう。
抱きしめて、痛みに耐えて頑張る子もいるそうです。
難病などで長期に入院している子どもにとっても、いっしょに遊んだり、「明日も会おうね!」と約束したり、ファシリティドッグは大きな心の支えになってくれています。

<日本には2頭、こども病院で活躍中>
ファシリティドッグが日本で最初に導入されたのは、静岡県立こども病院で、2010年のことです。
危ない、感染が心配、と初めは病院側も受け入れに慎重で、病棟入り口で希望する子とのふれあいから始まったそうです。
ハワイで大型犬の「ベイリー」とともに訓練を受けた、ハンドラーの森田さんの努力で理解が進み、今では病棟や集中治療室、手術室にも入って子どもたちに寄り添い、ご家族や、日々忙しいスタッフも癒されているそうです。
現在ベイリーは神奈川県立こども病院に移り、静岡では後継の「ヨギ」が活躍しているとのこと。

<普及への課題>
今後は小児科だけでなく、それ以外の科などへの普及も期待されますが、医療チームの一員として専門的な活動を行うため、ハンドラーは看護師など専門職であること、選ばれた血統の犬に専門的な訓練をほどこす必要がある、高コスト(年1千万程度)、などハードルも高く、施設の意識の壁も今後の課題とのことです。
関心をお持ちの方は、こちらのサイトに情報があります。
・認定 特定非営利活動法人 シャイン・オン・キッズ
 http://sokids.org/ja/

<参考>
岩貞るみこ
「ベイリー、大好き セラピードッグと小児病院のこどもたち」小学館
「もしも病院に犬がいたら こども病院ではたらく犬、ベイリー」 講談社青い鳥文庫(当院の本棚にもあるよ)

<動物と人間の幸せな共存>
動物介在療法(アニマルセラピー)で重要なことは、人間と動物の両方にとって幸せな共存関係であることです。
このように必要とされ、愛される動物がいる一方で、可愛いからと安易に飼われたペットが捨てられ、殺処分されています。行政や民間団体の努力によって減りましたが、まだまだ多いのが現状です。
命の大切さは動物も人間と同じです。
保護犬や保護猫を引き取る方、訓練して介護施設で癒しを担う犬・猫や麻薬探索犬や救助犬として、社会の役に立つ活動をしている団体もあります。
競走馬の多くが、競技生活終了後殺処分されることをご存知ですか?
引退後も、障がいのある人たちへのホースセラピーなどの役割を与え、命を全うさせる活動をしている調教師もおられるそうです。
(参考:ホースセラピーねっと) 

こうした状況について、より多くの方に関心を持っていただければ幸いです。


◆地域ではやっている病気 

7月は、胃腸炎にかわっていわゆる夏カゼウイルスによる感染症が急増していました。
特に手足口病やヘルパンギーナが多くみられました。
高熱が出ますが、重くなることはほとんどありません。口内炎の痛みで食事が摂りにくいことがあります。のどごしのよいもの、また発熱や暑さで脱水になりやすいので、水分をこまめにとりましょう。
 

◆ちび鉛筆

暑中お見舞い申し上げます/8月号は例年恐竜などよもやま話が多いですが/今年は医療現場で活躍する犬を取り上げました/病気の子どもならずとも/動物に癒されている人は多いと思います/犬猫や野生動物に旅先で出会うのも/また楽しいものですね(T)
posted by kuyama at 09:06| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする