2017年11月02日

小児科だより11月号(No213/2017/11)

今月の記事
◆感染症の受診のめやす
〜冬の流行期を前に知っておきましょう!

◆地域ではやっている病気  

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◆感染症の受診のめやす
〜冬の流行期を前に知っておきましょう!

冬は胃腸炎(ノロ、ロタ)、RSウィルス感染症、インフルエンザなど、いろいろな感染症が多くなる時期ですね。
受診のタイミングに迷うこともあるのではないでしょうか。流行期を前に、ご一緒に考えてみましょう。

<一番大切な目安は ◯ ◯ ◯ ◯>
「一番大切な」とありますが、発熱でしょうか、何でしょうか。
答えは「全身状態」です。
医療者にとってはとても日常的な言葉です。
それほど、大切な観察ポイントということです。
お子さんの場合は「ご機嫌」「食べられるか」などで判断できるでしょう。
咳や下痢などの部分的な症状や発熱などは、その次の観察ポイントです。
逆に言うと、症状がなくても、全身状態が悪い時は要注意です。
そして様々な症状によって、日常生活に影響があるか、ということもポイントです。これについては、後ほど解説します。

<熱は、重症度の目安にならないの?>
ここからは、症状別に考えてみましょう。
熱の高さが目安では?と思った方はいませんか?
そうではありません。なぜなら、熱は身体が感染症と戦うサインなので、免疫力が強ければ高い熱が出ますが、循環系や免疫系が弱ければ、重症でも熱が出ないからです。熱の高さは戦いの強さを表すだけで、免疫力が強ければ軽症でも40度のことはよくあります。
全身状態の方が大切です。でもこう誤解している人は一般の方や、園や学校の先生方にも多いのです。
ぜひ覚えておいてください。

<咳、嘔吐、下痢の受診の目安>
小児科でみる病気で一番多いのは、風邪(呼吸器感染症)と胃腸炎です。
この2つの病気も、「全身状態」と「日常生活の影響」が受診の目安です。
ここで言う「日常生活への影響」とは、咳のため辛い・眠れない、嘔吐や下痢で水分や食事摂取が不十分、家庭・集団生活に支障が出る、保育園・幼稚園・学校の登園・登校基準を満たさない、などです。
症状が辛いときは、受診のタイミングです。

<夜間休日でも受診が必要? 緊急度の見分け方>
テーマである感染症以外の疾患も含めて、ここからは緊急性の度合いのお話です。即受診か否か。
厚生労働省や救急医師が「家庭看護力」という名前をつけて普及に努めており、成果が確かめられています。

<救急受診のタイミング>
1)3つの第一印象
@ 意識・活動性(ぐったり、機嫌が悪い、泣き方が弱い、目つきがおかしい)
A 呼吸状態(咳で苦しい、何度も吐く、呼吸が苦しそう、ゼーゼー、ケンケンの咳、胸がペコペコ)
B 皮膚への循環(顔が青白い、手足が冷たい、冷汗、皮膚がまだら)
2)気をつける症状
繰り返し吐く、尿量低下、水分摂取ができない、頭部・腹部・四肢打撲で強い痛み、ぐったり

3)乳幼児の「いつもと違う」
乳児は症状が出にくく重症になりやすいので、診断が難しいです。保護者の「いつもと違う」が重病発見のきっかけになることがあります。いつもと違うと思ったら、とりあえず受診か問い合わせを。

その他、生後6ヶ月未満の発熱、4日以上熱が続く、意識が低下、ぐったり、強い頭痛や腹痛、繰り返す嘔吐、血便、けいれんも受診を急いだ方がよいでしょう。

<困った時に使える、サイトや電話>
*「小児救急電話相談事業(#8000)」
 19時〜朝6時、看護師や医師が対応します。
*「こどもの救急」日本小児科学会監修
 症状をクリックしていくと、対応を教えてくれます。

病気や家庭看護の知識を知っていただき、安心して子育てができるよう、当院でも初診時にパンフレットを配布しています。お手元になければ、看護師にお声かけください。
院長も、地域の子育て支援セミナーなどで講話やご相談を受けたりしていますので、ぜひご利用ください。
主催は「いんば子どもネットワーク」や「ラクティナクラブ」です。
ネットで検索してみてください!


◆地域ではやっている病気
毎年冬になると流行するRSウイルス感染症が、今年は夏から多くみられ、9月も増加傾向でした。10月の初めをピークに、その後は下火になってきています。
千葉県全体でも、少しずつ減少傾向のようですが、今後も注意が必要です。
手足口病やヘルパンギーナなど、夏に流行するものは少なくなりました。
インフルエンザは、当院ではまだみていません。


◆ちび鉛筆
駐車場隣の栗の木が切り倒されて/この秋は収穫がなくさびしい限り/と思っていたら先日裏の林で鈴なりのアケビを発見♪/低いところにあるのを頂戴し/鳥さん用も残してあげました (T)
posted by kuyama at 09:45| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする