2017年12月04日

小児科だより12月号(No214/2017/12)

今月の記事
◆子どもの「くせ」のお話
〜気になるあのくせ、直したほうがいいの?

◆地域ではやっている病気  

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◆子どもの「くせ」のお話
〜気になるあのくせ、直したほうがいいの?

「無くて七癖」などと言い、誰もが持っている「くせ」ですが、お子さんの場合は「心の問題かしら?」などと気になることもありますね。小児科でも、相談を受けることがあります。
ご一緒に考えみましょう。

<どんな「くせ」を思い浮かべますか?>
「くせ」とは、繰り返す行動で、周囲が気になるものを言います。しかしどれだけ気になるかは人それぞれ、誰もが納得する定義はありません。
子どものよくある「くせ」には、爪噛み、指しゃぶり、貧乏ゆすり、歯ぎしり、何でも口や鼻に入れる、などがあります。おねしょ、どもり、チック、拒食、過食、などを挙げる人もいます。

<「くせ」ってなぜ起こるの?>
1)発達のための練習
指しゃぶり、穴(口や鼻)に指や物を入れる、頭を床に打ち付ける(赤ちゃん)のは、発達課題の繰り返し練習がくせとして現れたものです。
例えば赤ちゃんの指しゃぶりは、食べることと指使いの練習です。子どもは繰り返して飽きない「遊び」という仕組みを使って、発達課題の練習をしているのです。
遊びが好きでじっとしていないのは、発達し続けている証拠です。

2)安心・安定・リズム取り
歯ぎしり、貧乏ゆすり、大きな子の指しゃぶり、歩き回る、独り言。
人間は、規則正しい繰り返し行動をしたりリズムを取ったりすることで、落ち着く習性があります。
大人の貧乏ゆすりや指で叩くのも同じ理由です。これは病的なものではありません。

3)心身の不調・不安定・病気
チック(咳払い、瞬き、首振り)、確認行動(手洗いなど)の繰り返し、異食症
心や身体のアンバランスや病的反応によって起こるものです。チック(ほとんどが軽症)を除いて、医療的対応が必要なものが多いです。

<「くせ」は直したほうがいいの?>
くせはつい指摘したり直させたくなりますね。
でもまず誰が直したいのでしょう?
本人か、本人よりも周囲の人が直したいのか、によって対応のポイントが異なります。
○指摘や直す必要があるのかないのか、を見極めよう。
○「くせ」そのものよりくせの原因に働きかけよう。
○直したい周囲の側の理由だけでなく、本人はどうなの?と考えるゆとりを。

<対応する必要性のみきわめ方>
本人側と周囲側の2つの理由で見るとわかりやすいです。
○本人側の理由:病気(心身の不調・不安定)など
繰り返す確認行動、チック、拒食、過食、異食症(土、汚物、毛髪など)

○周囲側の理由:周囲が不快、人間関係に悪影響
貧乏ゆすり、歯ぎしり(学童以上)、性器いじり、独り言(大声)

理由が本人側の場合は、上に述べた通りすぐ直そうとするよりまず原因を見極めるのが初めです。
周囲側の場合は、本人に納得させた上で無理なく上手に止めさせる工夫が必要です。本人も周囲もちょっと気になる程度の軽い場合は、気持ちに余裕を持って。
注意しすぎると、かえってくせを増やし関係が悪くなることがあります。

どんな理由であれ、習慣になっている行動を変えるためには時間と根気がいることを知っておきましょう。

<こんな「くせ」は専門家に相談を>
○チック
チックは医学的には何タイプかに分類されます。
病的チック症(トゥレット症)はチック症全体のわずか50人に1人です。大部分のタイプは自然消失(80〜90%)して医療的対応の必要はありませんが、ときには数年以上続いて本人も周囲も困る場合がありますので、長引くときは専門家に相談ください。
○確認行動の繰り返し
繰り返す手洗いや鍵の確認などの行動です。精神的な問題(不安症、強迫症状)などが背景にあることがありますので、医療機関にご相談ください。
○拒食、過食、異食症
ストレスや不安などの精神症状、発達の遅れ、自閉症、貧血などの医学的問題があることが多く、健康障害を起こしますので、医療機関を受診してください。
○抜毛症、皮膚むしり症
精神的原因で起こります。医療的対応が必要な場合が多いので、医療機関にご相談ください。


◆地域ではやっている病気 

毎年冬になると流行するRSウイルス感染症は、今年は10月の初めをピークに下火となり、11月は例年になく感染症が少なかったです。
これからの時期気になるインフルエンザは、11月後半から少し出てきました。ワクチンが行き渡る前に流行が本格化しないことを祈るばかりです。うがい手洗いも大切ですが、バランスのよい栄養と質のよい睡眠で、抵抗力の保持を心がけましょう。
 

◆ちび鉛筆

待合室に「もみの木の椅子」が再登場/倒れて危ないので撤去していましたが/このたび大工さんに柱に固定していただきました/かばくんと同じ作家さんの作品です/かばくんも「うひうひ」喜んでいます (T)
posted by kuyama at 08:56| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする