2017年12月29日

小児科だより01月号(No215/2018/01)

今月の記事
◆インフルエンザのおはなし
〜今シーズンも早めの流行期入り

◆地域ではやっている病気  

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◆インフルエンザのおはなし
〜今シーズンも早めの流行期入り

昨シーズンは早いところでは11月ごろから流行期入りしましたが、今シーズンも早めで、当院では12月に入ると、毎週のように二桁の診断が続きました。
9割がA型で、今月にかけてピークになると思われます。
症状や検査、治療について、おさらいの意味で昨年とほぼ同じ内容の記事を以下に載せ、最後に異常行動と薬との関係にもふれたいと思います。

<典型的な症状はありますか?>
最近は迅速検査の普及で、ごく軽い症状の人でもインフルエンザだった、ということがありますが、特徴的な症状としては、突然の高熱、咽頭痛、頭痛、筋肉痛、全身倦怠が強いことが多く、腹痛や下痢など消化器症状をともなうこともあります。
小さいお子さんでは熱性けいれんを伴うこともあり、脳症との鑑別のため、流行期のひきつけは受診をお勧めします。

<当日受診しても検査できないって本当?>
鼻やのどの奥から分泌物を採取して検査します。
発症から数時間以上経過していないと陽性にならないので、熱が出てすぐ受診されても検査キットでの診断はできません。翌日受診、というタイミングになるでしょう。
熱は身体がウイルスとの臨戦態勢に入った印であり、すぐに下げる必要はないのです。
検査キットも完全なものではなく偽陰性もあるため、医師の診察と組み合わせて診断することになります。

<治療はどのようにするの?>
抗インフルエンザ薬としては、飲み薬のタミフル、吸入タイプのリレンザ、イナビル、点滴のラピアクタがあり、症状や年齢によって選びます。
漢方薬の麻黄湯も発症初期に使用すると抗インフルエンザ薬と同等の効果があります。
薬を使わないと治らない、と思われている方がいらっしゃいますが、診断=抗インフルエンザ薬というものではありません。
状況によっては処方しないこともありますし、希望されない方もいます。
症状を和らげる対症療法と組み合わせるなど、ご相談の上治療方針を決めます。
おうちでの養生(水分補給や安静)が一番大切です。

<出席停止はどうなるの?>
発症した日を0日と数え、5日経過し、かつ解熱後2日(幼児では3日)を経過するまでが出席停止となります。
薬などで早く熱が下がっても、ゆっくり休みましょう。

<異常行動が報じられていて、心配>
大部分は軽度の熱せん妄(うわ言、突然泣き出す、大声を出す)ですが、時に突然走り出す、飛び降りようとするなどの危険な行動が現れることがあります。事故防止策をとったり、医療機関にご相談ください。
当院では年間5〜10例ほど(いずれも軽症)厚労省へ報告しています。 

■気をつける異常行動の例
・突然立ち上がって部屋から出ようとする
・興奮して窓を開けてベランダに出ようとする
・家から出て外を歩く、話しかけても反応しない
・人に襲われる感覚を覚え、外に飛び出す
・変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る

■事故防止策
・玄関ドアやすべての部屋の窓のかぎをかける
・ベランダに面していない部屋で寝かせる
・窓に格子のある部屋で寝かせる
・一戸建てなら、1階で寝かせる など

<異常行動と抗ウィルス薬の関係はあるの?>
厚労省の異常行動の調査(インフルエンザ罹患に伴う異常行動研究2014/2015シーズン)によれば、重度の異常行動(突然走りだす・飛び降り)は抗ウィルス薬を使用中の場合もない場合もあって、抗ウィルス薬使用の有無では差がないとの結論です。
厚労省「インフルエンザQ&A」のサイトもご参考にしてください。


◆地域ではやっている病気  

RSウィルス感染症は引き続き少なかったです。
11月につづき胃腸炎(冬の吐き下しのカゼ)が増えていました。
インフルエンザは、記事でもふれたとおり12月に入って増え、流行期に入っています。
感染症は冬休みに入っていったんは収まるかもしれませんが、これからピークを迎えると思われます。
良質の栄養と睡眠で体調を整えましょう!!

◆ちび鉛筆
あけましておめでとうございます/昨年は日本脳炎やインフルエンザのワクチンが不足し/たいへんご迷惑をおかけしました/国やメーカーにはワクチンの供給体制について/万全を期していただきたいです/今年は日本脳炎2期が再開できるとよいのですが(T)
posted by kuyama at 19:26| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする