2018年03月31日

小児科だより04月号(No218/2018/04)

今月の記事
◆集団生活と感染症

◆地域ではやっている病気  

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◆集団生活と感染症

この春ご入園ご入学の皆さま、おめでとうございます。
進級する人たちも含めて、ドキドキわくわくですね。
元気でよいスタートになりますように、くやまの人たちも応援していますよ。

さて、とくに初めての集団生活で、感染症を心配している方もおられると思います。
今月はこのお話をとりあげてみましょう。

<感染の機会が増えるのはあたりまえ>
いきなり身もフタもありませんが・・・
感染症の種類は300〜400種類もあります。
どんなに気をつけても防ぎきれませんし、感染し免疫をつけることでしか、本当の意味で感染症を克服する道はないのです。
中でもとくに避けたいものはワクチンが開発されていますが、それも軽い感染を起こして免疫をつくっていることに変わりはありません。
今まで集団生活の機会がなかったお子さんほど、一通り免疫がつくまでは「何だかしょっちゅうカゼをひいている」、それが当たり前と腹をくくりましょう。
初感染は熱が出ることが多いので、保育園・幼稚園を休むことも増えますが、しばらくの辛抱です。

<免疫を育てて丈夫な身体に!>
感染症というと悪いものと思われがちですが(まあ有難くはないですが)、前に書いたように「免疫を育てる」というプラスの面があります。
とりわけ1〜3歳が、一生の免疫の骨組みを作る大切な時期。この時期にいろいろな感染症をもらって免疫を育てることで、将来感染に強い丈夫な身体をつくります。

ちなみに、近年アレルギーに悩まされる人が増えていますが、免疫が育つとアレルギーになりにくいという利点があることをご存知ですか?
過度な清潔志向が、アレルギーの要因の1つになっていることが知られています。
実際、保育園児やペットのいる家庭の子どもほどアレルギーが少ないという調査結果があります。
感染も人間関係と同じように、免疫をつけるのは良いことと考えて前向きに集団生活を過ごしてください。

<隔離しても防げない感染症>
そんな話がある一方で、誰もがかかるような感染症(カゼなども含め)に対しても、社会の反応が年々厳しくなっていると、長年現場を担ってきた小児科医として感じます。
「感染症は悪いもの」、「他の人に感染させるなんて許されない」(!?) と言わんばかりの風潮がありますが、専門家から見ればこのような考え方には無理があります。
例えば、いくら隔離しても胃腸炎やインフルエンザの感染を防ぐのは不可能です。
胃腸炎は症状が消失しても1ヶ月近く便中にウィルスが排泄されますし、インフルエンザは熱も咳もない、不顕性感染(ふけんせいかんせん)の人が流行期にはたくさんいて、本人も知らないうちに感染源になっているからです。
実際、胃腸炎は2歳までにほぼ100%感染し、インフルエンザやマイコプラズマやRSウィルスも集団生活でほとんどの人が気づかないうちに感染を経験しています。

<小児科医から見て受診が必要な場合とは?>
出席停止や登園・登校の基準が必要以上に厳しくなったり、鼻水などの軽い症状でも受診しなければならなくなると、お子さんの出席機会が減ったり、保護者の方の就労に影響が出ることがあります。
基準の運用や受診の目安は柔軟にしたいもの、と考えています。
また、元気で日常生活に問題なければ、医療機関の立場では受診は原則必要ありません。

いろいろ書いてきましたが、そうは言ってもちょっとした咳や発熱に右往左往するのは当たり前。
また、何事も初めてのことには心配がつきものです。
お子さんの健康や発達、生活などで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


◆地域ではやっている病気

インフルエンザは、2月中旬以降減少し3月にはほぼ下火となりました。
春になり、代わって溶連菌感染症が増えてきているようです。
花粉症は、ピークは越えつつあります。近年は小さいお子さんにも多く見られるようになっています。今年かかった人は、来シーズンは早めの予防(マスクやメガネ)、治療開始をおすすめします。
 

◆ちび鉛筆

新年度がスタートしました/感染症だけでなく/慣れない生活で/体調をくずしやすい時期です/特に初めてお子さんを保育園などに預けて/職場復帰する親御さん/頑張りすぎないでくださいね(T)
posted by kuyama at 14:13| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする