2019年05月17日

感染症と登園登校の届出のお話 <くやま小児科だよりNo231/2019/05>

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。
休み明けは、しばらく学校などでの感染症は少ないのですが、これからの季節は溶連菌感染症や夏カゼなど、増えてまいります。
そこで、新学期でもありますので、感染症から回復して集団生活可能となった場合に園や学校から求められる、「意見書」や「登園届」などについて、当院の対応をご説明します。

◆園や学校の感染症予防
園や学校は集団生活の場ですから、感染予防は大切です。
そこで、学校保健安全法というものがあり、出席停止や臨時休業などについて定められています。
保育園は学校ではありませんが、厚生労働省のガイドラインにはこの法令に準じて対策するように書かれています。

保育所における感染症対策ガイドライン 厚生労働省


ここには、意見書などについて、以下のように書かれています。
『子どもの病状が回復し、集団生活に支障がないという診断は、身体症状、その他の検査結果等を総合的に勘案し、診察に当たった医師が医学的知見に基づいて行うものです。罹患した子どもが登園を再開する際の取扱いについては、個々の保育所で決めるのではなく、子どもの負担や医療機関の状況も考慮して、市区町村の支援の下、地域の医療機関、地区医師会・都道府県医師会、学校等と協議して決めることが大切になります。この協議の結果、疾患の種類に応じて、「意見書(医師が記入)」又は「登園届(保護者が記入)」を保護者から保育所に提出するという取扱いをすることが考えられます。なお、「意見書」及び「登園届」については、一律に作成・提出が必要となるものではありませんが、協議の結果、「意見書」及び「登園届」の作成・提出が必要となった場合には、事前に保護者に十分周知することが重要です。』

◆印西市の公立保育園の場合
医師の診察を受けて集団生活に支障がないとする医師による「意見書」が必要な感染症として、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、百日咳などをあげています。
その中に、インフルエンザは入っていません。インフルエンザの場合は、「インフルエンザ登園届」を保護者が記入することになっています。
また、先に紹介した厚生労働省のガイドラインにより、溶連菌感染症、マイコプラズマ感染症、手足口病、りんご病、ウイルス性胃腸炎(ノロ、ロタ含む)、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症、帯状疱疹、突発性発疹は、登園のめやすが定められており、医師による意見書は必要ないことになっています。
当院は、これらに準じた考え方で、対応しています。

◆医師の意見書が必要ない感染症、その理由は?
必要がない理由は以下の通りです。

1)不顕性感染が多い。
感染していても症状がなく診断されない人が多い病気で、症状がある人だけを隔離しても感染を防ぐことはできません。

2)乳幼児期にほぼ全員がかかる感染症。
マイコプラズマ感染症、RSウイルス感染症、ウイルス性胃腸炎など。

3)症状が消失してからも長く感染力が残るもの。

以上の理由から、症状の消失をもって集団生活に復帰とすることは、感染症の拡大を防ぐ目的では医学的な意味がありません。

◆独自に基準を設けている施設の場合
私立の園などでは、それぞれの実情や管理者の考え方により、ガイドラインに定められていない感染症に対しても、医師による意見書や「治癒証明書」を求められることがあるようです。
当院としては、先に述べたように医学的には必要はないと考えますが、書類は発行いたします。
その場合は、診察予約をせずに、診療時間内(水曜日は除く)に指定の書類を持って直接窓口におこしください。
ただし、お子さんのその後の病状でご心配やご相談がある場合は、通常通りご予約の上来院してください。

なお当院では、意見書は文書料として500円(税込)を申し受けています。

お子さんの病気と集団生活に関して、わからないことやご心配がありましたら、受診の際にお尋ねください。

posted by kuyama at 08:18| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする