2021年01月21日

医療におけるコミュニケーション 〜食い違いの経験から<くやま小児科だよりNo245/2021/01>

皆さまは医師や看護師と話していて、思いが伝わらず(食い違い)悲しい気持ちになったり、不快になった経験はないでしょうか。
私は小さなものも含めて数え切れないほど食い違いを経験してきて、そのたびに試行錯誤してきました。
最近「米国緩和ケア医に学ぶ 医療コミュニケーションの極意」という本を読んでいていろいろと発見をしましたので、今回は私の例からお話します。

<経験した事例>
個人情報保護のため、一部改変しています。

1)熱を繰り返す子
保育園に通う3歳の男の子が熱で来院されました。
今までも熱を繰り返していて、今回は一週間前に治ったばかりの再度の発熱でした。来院時お母さんは切羽詰まった様子で、「また熱を出してしまった。熱を繰り返すのをなんとかしてくれませんか」と話されました。
私は「保育園に通っていれば最初の2〜3年は免疫がないので、熱を繰り返すのは防げないですよ」と説明しましたが、納得できなくて、なんとかならないか、と繰り返されました。私が最後にどうにもできないですね、と話すと、お母さんは「もういいです」と強く言い放って席を立ちました。それ以来その男の子が来院することはありません。

2)検査をしてください
インフルエンザの季節に、発熱した幼稚園児。
親御さんはインフルエンザ検査を希望しました。熱が出た直後で正確な結果が出る時期ではなく、本人が元気で治療の必要がなさそうなので、私は検査をする必要はないですよ、と説明しました。でも親御さんは検査を繰り返し求めてきて、最後に「私が希望しているのにしないのはおかしいでしょう。もうここには来ない。」と仰いました。

3)学校でのトラブルで来院したお子さん
「私の子がトラブルを起こして困ると級友や担任から言われて、医療機関で診断をもらうように言われて来ました」と父親がお子さんを連れて受診しました。
お子さんの日常行動や学校でのいきさつを伺うと、コミュニケーションや発達に問題がある可能性があると思われました。そこで「お伺いしたお子さんの様子からですと、行動や発達について詳しく調べたほうがよいと思います。よろしければ専門医療機関を紹介します」とお話しました。
すると父親は「私は学校に言われて来ただけだ。うちの子は正常だから、そんな診断を受ける必要はない」と言って私の話をそれ以上聞かずに帰られました。

<医療の場でのコミュニケーション>

1)コミュニケーションの内容には事実と感情の2つがある

通常、診察の場面では、主に病名と検査、治療の方針、今後の見通しなどの事実を扱っています。
私の医学部や病院勤務時代には、そうした事実をいかに正確にわかりやすく伝えるかのコミュニケーション技術が学習の中心でした。
しかし患者の立場になってみると、事実だけではけっして十分ではないことがわかります。それは病気ということを事実だけでなく、不安や生活上の心配など、様々な感情とともに受け止めているからです。
事実の説明だけされて、医師の説明を冷たいと感じたり、ではどうしたらいいのと思ったことが皆さんにはなかったでしょうか。
私自身も患者の立場になったとき、気持ちを理解してくれないと思ったり、反対にわかってもらって嬉しかったという経験があります。
上にあげた本の中で、著者はこのことを、医療者と患者のコミュニケーションでやりとりされるのは「認知データ」と「感情データ」の2つである、と説明しています。「認知データ」というのは事実の情報で、病気の説明などです。「感情データ」というのは感情の情報で、嬉しい、悲しい、怒り、などです。
人は事実と感情の両方を納得した後で初めて行動できます。医療者が事実だけを説明すれば十分と考えてしまうことが食い違いの大きな原因だと言っています。

2)医師の態度

医療者が患者に取る態度は3種類あります。
それは、医療者が患者に一方的に指示する「家父長的」、事実だけを伝える「情報提供的」、事実と感情の2つを互いに交換する「共感的(了解的)」です。

「家父長的」態度は、医師が方針を決定して、患者はその方針に原則従うというものです。今は患者の意向が尊重されるべきとの考え方が一般になったので減りましたが、以前は当たり前だった態度で、今もまだ見られます。

「情報提供的」態度は、医療者が中立の立場で事実の情報だけを提供するもので、決定はすべて患者の側とするものです。
現在はこれが主流になってきています。

「共感的」態度は、医療者と患者が医療情報と感情の両方を対等の立場で交換するもので、方針決定は共同作業によって行われます。
終末医療など治癒が見込めない病気の数多い研究の結果から、「共感的」態度が患者と家族の生活の質にとって最も良い効果があることがわかってきて、現在の医療に広がりつつあります。「共感的」態度は、実は日常生活の良好なコミュニケーションそのものでもあり、終末医療だけでなくすべての日常医療に必要なものです。
私もある程度は実践してきましたが、改めて意識して行う必要があると今回学びました。
最初にあげた3つのトラブルも「共感的」態度であれば食い違いが起こらなかったと思います。

<どうして食い違いがおきたのでしょうか>

最初の3つの事例でお話します。
私は、それぞれ親御さんがどのような理由や背景から質問したり希望したのかを、初めに気持ちも含めてよく聞く必要があったのです。
たとえば家事や仕事で追い詰められていたり、学校のトラブルがお子さんが理由ということに納得していないで来院した、などです。
私はそうした相手の考えや気持ちを聞かずに、最初に専門家として最良と思う方針を説明しましたが、なにが最良かは人によって異なります。患者さんが自分の気持ちや考えを話し、それに対して私の考えを重ね合わせたら、しだいに納得のいく方針にたどりついたのではないかと思いました。結果として私の方針に決まる場合があるかもしれませんが、それは患者さん側の気持ちも含めた納得があってのことです。

慌ただしい診療の中で、ともすれば患者さんの思いや受け止めを確認しきれないこともあるかもしれません。しかしそれを言い訳にせず、常に柔軟な態度でいたいものだと思います。
これからも医療技術だけでなく、医療コミュニケーションの勉強も続けていかなければ、と思い返す良い機会でした。
posted by kuyama at 15:12| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月15日

個別の配慮が必要な子どもと特別支援教育<くやま小児科だよりNo244/2020/12>

小児科では様々なご相談ごとがありますが、発達に関するお困りも多く寄せられます。また、印西市の市医として就学指導委員も担当していますので、その立場からもいろいろと考えることがあります。
今回はいくつかのケースを取り上げながらお話してみましょう。
個人情報保護のため、内容は少し改変しています。


<じっとできない6歳の男の子>

じっと座ったり指示を聞くことができないという保育園通園中の男の子が来院されました。
保育園では食事中や遊戯・工作中も席を離れて集中できず、小学校入学前に医療機関受診を勧められました。
注意欠如多動症の可能性を考えて、専門医療機関の受診をお勧めしました。


<幼稚園ではお話できない4歳の女の子>

幼稚園入園以来、園内では一言も発言しないことを母親が心配して、女の子が受診されました。
家庭では家族たちと普通にお話しているとのことです。
選択性(場面)緘黙(かんもく)症と判断して専門医療機関を紹介しました。


<お友達とのトラブル>

7歳の男の子が、学校で友達とのトラブルが絶えない、とのことで来院されました。
勉強はよくできますが、会話に割り込んだり、負けず嫌いで喧嘩になることもしばしばとのことでした。
食べ物の好き嫌いが強いこと、自分の考えを変えないこと、自動車の名前やゲームに熱中すること、という性質があるとのことでした。
自閉傾向を疑い専門医療機関を紹介しました。


<個別の配慮が必要な子ども>

お子さんたちは本当に様々な個性があることを、日々の診療で実感しています。
私自身も子どもの頃は、車や岩石や星の名前に熱中したり、友達と一緒にいるより読書と空想が好きで、医師になった今から思うと、ちょっと難しい子だったと思います。

個性の際立ち方によっては、現在の保育園・幼稚園や学校教育の枠に合いにくいお子さんがおられます。
社会への適正というものは時代や場所によって変わってゆきます。お子さんの個性が現在の環境にうまくマッチしていないからといって、良し悪しの価値判断を単純に当てはめるのは適切とは言えません。
小児科医としてお子さんの成長を見ていると、むしろ短所と見えたものが将来の長所に替わってゆくことがあることを実感します。

以前は、集団教育の枠に入らないで結果として進路から遅れるお子さんを、「障害」と位置付けていました。
現在は教育と医療では障害という序列をつける考え方はやめて、「個別の配慮(支援)が必要な子ども」と捉えるようになりました。
理由は、障害はお子さんと保護者を傷つけるレッテルとなることがあること、障害よりも個別性と捉えた方がお子さんの多様なニードにより的確に対応できること、その結果よりよい教育と社会生活の成果が得られることがわかってきたということです。
当院でも、小児科医療という立場から、お子さんの適正に合わせた集団生活や学習のスキルを得ていただくために、発達や集団生活の相談をお受けしています。


<特別支援教育とは?>

特別支援教育とは、お子さんの多様な個別性に合わせた教育システムのことですが、普通学校に併設される特別支援学級(知的、情緒)、特別支援学校(この地域では印旛、我孫子、松戸など)があります。
他にも不登校児童などのための適応指導教室などがあります。

個別性とは本来は障害や遅れではないはずですが、現在の支援教育はまだ障害の枠組に止まっていて、発展途上にあります。
現場の教師がこの制度がまだ不十分なことを一番よくわかっておられます。
しかし最近では、多様な個別性や障害のあるお子さんも通常のお子さんと同じ社会の一員であって、一緒に教育を受けるのが本来の姿であるとの考えが取り入れられるようになりました。これをインクルーシブ教育(ノーマライゼーション)といいます。
この考えで、現在は個別支援教育でも、通常学級のお子さんと一緒の学習機会を持つ機会(交流学級)を出来るだけ持つ制度になっています。


<特別支援教育の目的>

1)個別性に合わせて社会生活のスキルと教育を学ぶ
2)社会生活への自信をつける。将来の不適応を予防する
3)「頼る力」をつける

1)は上に述べたことです。

2)は集団生活や社会生活に、明るい前向きな気持ちを持ってもらうことです。
特別支援教育が適切と思われるお子さんの中で普通学級に在籍した結果、学業や友人や教師との関係の問題を抱えてしまったり、不登校になってしまうお子さんはめずらしくありません。
個別性はときに集団から浮き上がる結果となって、学校生活の適応が困難となることがあります。
子ども時代に抱いた社会への否定的感情は将来の進路に大きな影響をおよぼします。
社会生活と学業に不可欠な「今を幸せに生きること」のために特別支援教育を選ぶことがあるのは、大切な目的です。

3)人間が生きてゆく上で「自助」と「共助」の他に「頼る力=助けられる力」は不可欠です。私自身の経験では、自分1人で成し遂げたことよりも人にしてもらったことの方がすっと多いことに気づきます。おそらくほとんどの人もそうではないでしょうか?上手に助けられる力をつけることは、経験しないとできません。
特別支援教育の目的の1つに「頼る力」をつける役割があります。


<でも特別支援教育への抵抗がありませんか?>

私は印西市の就学指導委員を務めさせていただいています。
秋には新年度に向けて、お子さんの個別性に配慮した学級編成の会議を行います。
最近は自ら特別支援教育を希望される保護者が多くなりましたが、中には普通学級を希望される方がおられます。
理由は次のようなことになるようです。

1)我が子は障害者ではない、「障害」というレッテルを貼られたくない
2)同じ地域社会の一員として普通教育のお子さんと一緒が良い
3)特別支援教育に入ると普通学級に復帰できなくなる
4)特別支援教育に入ると将来の就職にマイナスになる
5)普通教育で学ばせた方が教育効果がある
6)我が子のIQは正常なので特別支援教育の対象ではない
7)現在の特別支援教育には不満がある
8)今の日本の教育(普通学級と特別支援教育のどちらも)は我が子には適さない

これらのすべてに満足のいく答えはありませんが、3)、4)、5)については特別支援教育が普通教育より優ることが多いと言えます。
個別支援のほうがより少人数でお子さんの理解・到達度に合わせた教育が出来るので、普通学級より教育効果は高くなります。
到達水準が十分になったら、その時点で普通学級に編入になりますので、結果的に追いつくのはより早くなります。
現在は、教育委員会は原則普通学級を勧める方針ですので、理由なく支援学級に留まることはありません。もしも学力が通常水準に達しなかった場合に特別支援高校に通学する場合がありますが、その場合は学校が企業と強力な連携がありますので、大企業などの障害者枠での就職は一般高校よりかえって有利になります。
6)のIQが正常(それ以上も)の場合は、集団生活への適応困難は学力以上に重大なことがありますので、個別の方がより適していると判断した結果です。交流学級も取り入れて徐々に普通学級を目指します。
7)と8)のようなケースでは次のフリースクールと関連します。


<フリースクール>

発達のことで当院を受診されるお子さんの中に、最近フリースクールに通われる方がいらっしゃるようになりました。
現行の日本の集団教育になじまないとおっしゃられるお子さんや不登校のお子さんの中には、フリースクールを選ばれる方がいらっしゃいます。
印西市でも複数のフリースクールが活動されています。印西市議会の中にも、フリースクールの支援者が複数おられます。
今後多様な教育ニードにお応えするために、このような活動が広がることを願っています。

posted by kuyama at 13:30| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月09日

つらいお腹の症状 〜過敏性大腸症候群のお話<くやま小児科だよりNo243/2020/11>

9月号で便秘を取り上げ、院内にも印刷しておいたところ、多くの方がお持ちになったようです。
お腹のトラブルは誰にでも起こりますが、日常生活に大きな影響を及ぼすなど、大変つらいものもあります。
今月は過敏性大腸症候群を取り上げてみました。
どんな症状なのでしょう。

<腹痛を繰り返す6年生の男子>
春から週に2〜3回腹痛を繰り返すと、受診されました。
突然授業中に強い痛みが出て、保健室で休むことを繰り返していたので、大学病院を紹介して専門的な検査を受けましたが、異常は見つからず、最終的に過敏性症候群の診断となりました。当院で薬を替えて痛みが減り、一緒にあった頭痛も改善しました。

<電車に乗ると下痢と腹痛の中学生>
電車通学で、毎日トイレ下車しなければいけない中学生の男子が来院しました。
電車のほか、テストなど、トイレに行けない時に限って下痢をもよおしていました。
下痢型の過敏性腸症候群と診断して投薬し、下痢はほぼ消失しました。

<慢性便秘に悩む女子中学生>
コロナで休校になってから便通が週に1〜2回に減って来院しました。
朝方までラインをして昼近くに起きる生活になっていた生活習慣を、時間をかけて戻して便秘が良くなりました。

<過敏性腸症候群とは?>
腸にはっきりした原因が見つからないのに、便秘や下痢や腹痛が数ヵ月以上続く病気で、腸の動きの異常によって起こります。
便の形状で4つに分類されます。
硬い便が優位の「便秘型」、軟便・水様便が優位の「下痢型」、硬い便と軟便・水様便を繰り返す「混合型」、そしてどれにも分類されない「分類不能型」です。
よく伴う症状として、頭痛・胸痛などの痛み、不眠症やうつ症状などの心の症状、頻尿などの緊張症状があります。
命に関わる病気ではありませんが、生活リズムを乱したり苦痛や心の症状を起こして、社会生活に大きな影響をおよぼすことがあります。

<原因>
「消化管の運動異常」と「内臓知覚過敏」、そして「心理的要因」の3つが主な理由と考えられています。
腸を動かす自律神経は、心の状態と深い関係があります。過敏性腸症候群のきっかけに、ストレスや生活リズムの乱れで自律神経がバランスを崩すことがあります。紹介した中学生のように、下痢型はトイレに行けない時に限って増えることが多いのも、これが理由です。
実は私自身も高校受験のテストの真っ最中に経験したことがあって、忘れられない思い出です。
他には腸内細菌の乱れ(食事の偏り、胃腸炎)、ストレス、消化管アレルギーが原因となることがあります。

<医療機関受診の目安>
1〜2ヶ月以上症状が続いて生活に支障が出るようでしたら、我慢をしないで受診することを勧めます。
過敏性症候群の型に合わせた治療を行ないます。症状が強いときには、深刻な病気が隠れていないかを確認します。

<治療>
1)まずは日常生活の心がけが基本
うつ病や不安症状は、この病気のきっかけになったり悪化の原因となります。
「内臓知覚過敏」も気持ちの敏感な反応と関連があります。
ストレスへのこだわりを避けたり日常生活でリラックスを保つ心がけが、治療にも予防にもなります。生活リズムの乱れや夜型生活を避けるのも有効です。薬物治療の前にまず日常生活の対策を心がけてください。

2)日常生活上の対策
規則的な食事と生活習慣、十分な水分摂取、運動、生活の楽しみ
暖かい人間関係、周囲の理解や励まし


3)心理療法:認知行動療法、リラクゼーション
この治療は、心療内科や精神科などで行います。

4)薬物治療
セレキノン(下痢、腹痛、便秘)、イリボー(下痢)、アミティーザとリンゼス(便秘、腹痛)
プロビオティックス(ビフィズス菌や乳酸菌:ミヤBM、ビオフェルミンなど)
漢方薬:半夏瀉心湯(腹痛)、桂枝加芍薬湯(下痢、腹痛)、大建中湯(便秘)
抗アレルギー剤

以上を型や症状の程度に合わせて使い分けます。

お腹は生活習慣や心のありようで、不調をきたしやすいものです。
身体からのメッセージと受け止め、振り返ってみることも必要かもしれません。
posted by kuyama at 08:49| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月05日

「おねしょ」と「おもらし」<くやま小児科だよりNo242/2020/10>

今月は「遺尿症」(いにょうしょう)のお話です。
「遺尿症」とは、子どもの尿失禁のことで、夜尿症(おねしょ)と昼間遺尿症(おもらし)があります。
トイレットトレーニングが終了した通常5歳以上に、尿失禁が1ヶ月に2回以上おこるのが診断基準です。
小児では珍しくありませんが、相談が恥ずかしくて、ほとんどの人が自分一人で抱えています。
今回の説明が受診のきっかけとなれば幸いです。
当院では火曜日午前中に腎臓専門医の森医師が遺尿症の診療も行っていますので、よろしければご活用ください。

<夜尿症について>
5歳以上で1ヶ月に1回以上が3ヶ月以上続く。とくに1週間に4日以上を頻回といいます。

・どのくらいの子どもにみられるの?
幼稚園児は20〜30%、小学校1年生は10%、中学1年生では数%です。

・どうして夜尿になるの?
身体が発育してくると、睡眠中の抗利尿ホルモンと自律神経の働きが成熟して、排尿間隔が伸びてきます。
3〜4歳になる頃には、排尿間隔は昼が3〜4時間、睡眠中は9〜10時間となります。でもこの働きの発育には個人差があるので、成熟に時間がかかる人もいるのが夜尿の理由です。またタンパク質と塩分の取りすぎも原因になります。
しかしこれ以外に、稀に腎泌尿器疾患や脊髄疾患や内分泌疾患などが隠れていることがありますので、検査で確認することがあります。

・夜尿症の多くは自然に治る?
ほとんどの夜尿症は発育の未熟が理由なので、年齢が上がるとほとんどの方は消失します。自然消失率は1年に15〜17%です。
当院では、小学校入学前は自然消失が多いことと社会生活の問題が少ないため、治療は小学生以上からとしています。

・治療法は?
1)生活指導
自然に治るのが一般なので、生活指導が基本です。
就寝3時間前の水分制限
夜間にトイレに起こさない
塩分と牛乳の制限

2)アラーム
夜尿するとアラームがなるセンサーをパンツにつける方法です。効果が高く、再発率が少ない特徴があります。

3)抗利尿ホルモン
抗利尿ホルモンを点鼻します。治療効果はやはり高く、アラームと並ぶ標準治療です。

・治療の効果は?
治療によって自然消失の2〜3倍治癒率を高め、治癒までの期間も短縮します。
それでも数年かかることが多いので、あきらめず治療を続ける必要があります。


<昼間遺尿症について>
5歳以上1カ月に2回以上をいいます。男児より女児に多いですが、頻度はよくわかっていません。
昼間遺尿症はメカニズムがよくわからないことが多く、なかには情緒や精神面が影響している場合もあるようです。

・どんな症状なの?
1)切迫症状型
トイレが間に合わないで漏らすタイプです。
2) 排尿中断型
おしっこの最中に中断するタイプです。
3)排尿回数減少型
子どもの日中の排尿回数は6回くらいが平均ですが、はるかに少ないタイプです。


・治療法は?
タイプによって治療法が異なりますが、次のようなものがあります。
1)十分な水分の摂取
2)時間を決めてトイレに行く
3)便秘を治す
4)薬物療法:抗コリン薬、交感神経抑制剤(アルファ・ブロッカー)

これらの治療法を組み合わせて、家族と本人と医療機関が根気よく協力して治療してゆきます。
お子さんの気持ちを前向きに明るく保つことも大切です。
posted by kuyama at 13:45| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月07日

子どもの便秘 〜受診が必要なのはどんな時?<くやま小児科だよりNo241/2020/09>

子どもの便秘 〜受診が必要なのはどんな時?
小児の便秘は小児科外来ではよく見られ、お困りの親御さんが多くおられます。心配のないもの、何か病気が隠れているかもしれないものがあります。

●どのくらい出ないと便秘なの?
1週間に2回以下が便秘の目安ですが、個人差があり、回数だけでなく他の症状の有無も大切なポイントです。

●大部分は、身体の病気が隠れていない「機能性便秘」
一般的には、機嫌が良い、哺乳や食事が順調、便が硬くない、などの時は基本的に問題ないと考えてください。

●身体の病気を疑う症状
食欲が落ちる、苦しそう、機嫌が悪い。
とくに以下の症状はポイントです。
 
1)黄色信号yellow flag
乳幼児以降の便漏れ、排便の我慢、肛門の痛み、肛門の出血、経過が長い(2〜3ヶ月)、トイレが詰まるほどの太い便

2)赤信号red flag
体重が減る・成長障害、繰り返す嘔吐、血便、便秘後の下痢、お腹が張ったり腫瘤が触れる
これらの症状があったら、受診してください。とくに赤信号は要注意です。

●機能性便秘は理由がある
子どもには、便秘になりやすい3つの時期があります。

1)食事の移行期〜乳児期
母乳やミルクが便の成分になる固形物を含まないため、数日から1週間出ないことがあります。
機嫌がよくて哺乳が良好なら、4〜5日くらいまでは受診を待ってもよいです。
また、離乳食が始まってからの便秘は、便が固形物を含んで硬くなるが、まだ排便の筋肉の協調運動が上手にできないのが理由です。
こちらも、器質性の病気を疑う症状がないときは、しばらく受診を待ってよいでしょう。

2)トイレットトレーニングの時期〜乳幼児期
排便のための協調運動がまだ育っていない時期にトレーニングを急ぐと、排便が苦痛になってしまいます。
その結果便が硬く、排便痛を伴うようになって、うんち嫌いの悪循環を起こすことがよくあります。
排便を嫌がったり、止めたり、立ってうんちをするようなら受診してください。

3)学校生活の始まり〜学童期
学校で排便するのが嫌いな子どもは多いです。
学校生活をきっかけに便秘になるお子さんがよくいます。
音や臭いで排便を友達に知られたくないのが理由です。

●機能性便秘も習慣になるのは要注意
機能性便秘でも放置すると、便意を感じにくくなったり、腸が膨らむなどして、慢性便秘となることがよくあります。
1〜2ヶ月続くようなら、受診してください。

●対策と治療

1)バランスのよい食事、適度な運動
食事は、繊維質を多く含んだ食べ物(野菜、海藻など)が有効です。
粉末寒天は手軽でお勧めしています。ご飯と一緒に炊いたり、汁物に入れたりできます。
規則正しい生活、身体を動かすことも大切です。

2)トイレットトレーニングを強いない
嫌がるようなら無理強いしないことがコツです。
しだいに排便の筋肉の協調運動ができるようになるのを待って、成功体験を味わわせるように行ってください。

3)規則正しくトイレに座る
便意があってもなくても、1日1回はトイレに座る習慣をつけてください。
排便時の姿勢も大切です。直立して座るのではなく、少し前かがみになってみましょう。
直腸と肛門の角度がゆるやかになり、便が出やすくなります。
足が床に着かないお子さんは、台座などを使うと安定します。

4)受診と薬物治療
器質性の病気を疑う症状があったり、習慣化しそうになったら、ためらわず受診してください。
薬物治療が数種類選べますので、症状に合わせて使い分けます。

5)心理面の配慮
排便が苦痛にならないよう、叱ったりせずに、うまくいったときには一緒に喜んであげましょう。
いろいろな側面から、ご一緒に考えていきましょう。
posted by kuyama at 09:25| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月01日

当院の新型コロナ対策の現状<くやま小児科だよりNo240/2020/08>

新型コロナウィルスとの闘い(お付き合い?)は長期戦になりそうですね。
いろんな場所で様々な工夫がされて、少しでも通常の活動が継続できるようにと、みんなが頑張っているのだと思います。
当院でも、少しでも皆さまの要望にお応えすべく対策をとっていますので、どうぞご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

●隔離について
発熱のある方は一般の方と隔離して、駐車場(車に乗ったまま診察)と院内の複数の隔離室で対応しています。
天候や患者さんの状況によって場所は使い分けています。
発熱や咳の強い場合は、通常通り予約した上で、駐車場に到着しましたらお電話をお願いいたします。

●待合室と予約人数
当院の待合室は比較的広い方だと思いますが、長椅子を減らして配置を変え、絵本などは撤去しています。
また3密を避けるため、健康なお子さんばかりの予防接種も含め、時間あたりの予約人数は通常より少なくしています。
一斉休校の時期は感染症も少なく、それで問題はなかったのですが、この頃は夏カゼの流行で受診を希望する方が多くなりました。
診療開始前に既に予約が埋まってしまうことがあり、たいへん申し訳なく思っています。
皆さまと職員の安全のため、ご理解ください。

●職員の防護策
マスク、ゴーグル、フェイスシールドを使用しています。
発熱者への対応のときにはガウンを使用することがありますので、ご了承ください。
また、受付にはビニールカーテンを設置しています。

●消毒と換気
消毒は定期的に診察室や備品に行なっています。
窓は天候や季節にかかわらず、全室開けています。
冷暖房の設定に配慮していますが、これから猛暑の日などは、十分涼しくはならないかもしれません。
ご容赦ください。

●新型コロナ感染が疑われる患者さんへの対応
当院では現在新型コロナウィルス検査は行なっていません。
疑いのある方は、当院での診療は行わず、検査のできる医療機関にご紹介しています。(日本医科大学千葉北総病院、国際医療福祉大学成田病院、成田赤十字病院など)
迅速に、適切に対応してくださっています。

●予防接種や乳児健診はいつもどおりに
現在、日本中で予防接種の接種率が下がっていて、小児科医の間では今後の麻疹、風疹の流行や乳幼児の髄膜炎の増加が心配されています。
予防できるワクチンのある感染症(VPD)なのに、ワクチンを受けない、これは避けていただきたい行動です。
感染症は新型コロナだけではありません。そこにばかり注意を向けず、予防接種は積極的に受けましょう。
健診は、発達のチェックや病気の早期発見のために大切ですので、こちらもぜひ予定通りにお受けください。

当院では、健診や予防接種は専用の時間帯を設けて行っています。

●皆様へのお願い
お子さんは近づいて大声でしゃべったり備品などに触れることがあります。
お気づきになられた保護者の方はご注意ください。
また、受診の際には、院内への付き添いの方は原則として1名でお願いしております。ご理解とご協力をお願いいたします。
posted by kuyama at 09:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月29日

外あそびと紫外線のおはなし<くやま小児科だよりNo239/2020/07>

もうすぐ本格的な夏がやってきます。
この時期は熱中症や紫外線が気になりますね。
でも子どもにとっては夏でも外遊びは大切です。
いろいろ工夫して、楽しくすごしてください。

<いろいろある、戸外活動のよいところ>

遊びは楽しく、いろんな体験ができることのほか、医学的にみてもよいところがあります。
1)身体をつくる
遊びや運動は身体と心の発達に必要です。思春期までの戸外活動と運動習慣は一生続くことが多いとわかっていますので、子ども時代は運動習慣を作る大切な時期です。
2)汗をかく
汗を分泌する汗腺の数は、生後約2年間の環境温度の影響を受けます。2〜3歳までに汗をかく機会が多い方が、汗を分泌する「能動汗腺」の数が増えて、後の体温調節の働きが良くなります。

<気をつけることその1、熱中症>

バランスよい食事や果物などで電解質や水分をしっかり摂り、遊びのあいまには喉の渇く前に、麦茶などでこまめに水分をとらせてあげましょう。
市販のイオン飲料は糖分が多いので、気をつけてください。

<気をつけることその2、紫外線>

紫外線は夏は冬の5倍に増加します。
紫外線の量は快晴の時を10割とすると、曇りでも約6割ですから油断できません。

●皮膚に好ましくない効果
1)急に起こること
メラニンを増やして色素沈着を起こす「サンタン」と日焼けを起こす「サンバーン」です。

2)長い経過で起こること
皮膚のたるみとしわがあります。さらに白内障のリスクや稀ですが皮膚がんのリスクもあります。

●紫外線対策
帽子をかぶったり、日陰を選んでの短時間のお散歩なら、特に必要はないでしょう。
日中長時間戸外に出る際は、日焼け止めを使うとよいでしょう。汗で流れてしまうので、汗を拭いて時々塗りなおします。
日焼け止めには、紫外線吸収剤を使ったケミカルタイプと使っていないノンケミカルタイプがあります。
ケミカルタイプは紫外線カットが強い分肌への負担が強めで、ノンケミカルは遮断効果は弱めですが低刺激です。
子どもにはノンケミカルのものがよいでしょう。

<意外な紫外線のプラス面>

紫外線というと、一般には悪いイメージですが、実は大切なプラスの働きもあるのです。
1)視力の発達
乳幼児から小学生くらいまでの視力の発達には適度の紫外線が必要で、戸外生活が少ないと近視が増えることがわかってきました。日陰でもよいですが、戸外で1日2時間程度過ごすことが近視予防になります。今世界的にも学校
で体育などの戸外活動が見直されてきています。

2)骨が丈夫に
紫外線は骨を作るビタミンDを作ります。
思春期以降は骨密度は減る一方なので、子どもの時期は骨形成の重要な時期です。もちろん大人にも必要です。
顔や手足の日焼けを避け、手のひらを使う方法もあります。夏だと1日15分程度両手のひらの日光浴だけで、十分な量のビタミンDが作られます。

熱中症と紫外線の対策をした上で、ぜひお子さんと夏の戸外活動を楽しんでください。
posted by kuyama at 08:37| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月31日

「コロナ流行」と子どもの心<くやま小児科だよりNo238/2020/06>

「コロナ流行」と子どもの心    

「コロナ禍」と言われる中、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
少しずつ社会が動き出していますが、まだまだ先は見えませんね。
園や学校に行き、お友だちに会い、外で遊ぶ、など今までの当たり前の生活が一変してしまったことは、子どもたちの心に少なからず影響を与えていることでしょう。
これから少しずつ集団生活も再開されますが、以前の日常が戻るには時間がかかると思われます。


<子どもや親は、どんなふうに感じている?>

国立成育医療研究センターでは、そんな親子にアンケートを行いました。
その結果からも、親と子のどちらにも大きな影響を与えていることがわかります。
コロナ×こどもアンケート 中間報告
コロナ×こどもアンケート こどもたちの生活とこころの様子(教育機関向け)

専門家は、「子どもの心の変化に気づいてあげて」「子も親も悩みを抱えこまないで」「誰かに伝えて」「自分に合ったお気に入りのストレス解消を見つけて」とアドバイスをしています。


<小児科外来では、こんなケースも>

●咳が止まらない、小学2年生男の子
3月初めから1ヶ月咳払いが止まらない、と来院。
普段好きだったスポーツができなくなって日常生活が乱れるようになり、元気も落ちてきているとのことでした。
呼吸状態は正常で、身体の問題はなく、喘息の持病もありません。
咳は親が注意すると増えますが、遊んでいるときや就寝時はなく、「咳チック」と診断しました。

●腹痛と頭痛が2週間続く、小学4年生の女の子
身体の以上は見つかりませんが、食欲がなく、表情も暗く、心理的な要因による症状と判断しました。

●急に乱暴になり弟を叩くようになった年少さん
問題行動が出ているお子さんもいます。


<子どもの心の問題は、身体に現れることも>

身体の症状を訴えますが、診察や検査ではそれに見合った所見がありません。
思春期以降は大人と同じように、うつ病などの心の症状で診断がつくことが多いですが、このように小学生くらいまでは身体の症状として表現されることが多いです。
専門的には「身体表現性障害」と言い、子どもは大人と違って身体と心が分かれていない(未分化)ことと、心の病気と自覚できないこと、が主な理由です。


<子どもの心にどう配慮したらいいでしょう?>

親自身も大変な状況ではありますが、子どもは「辛い」と自覚できない代わりに身体や行動に現れることを理解し、否定することなくまず受け入れてあげましょう。
その上で、

 ・話をじっと聴く。
 ・答えを出さなくても良い。
 ・できないことより、できる小さな一歩を探そう。

ご参考になればさいわいです。

今、みんなが様々な大変さや困りごとをかかえて、悩みながら暮らしていると思います。
気になることがあれば、どうぞご相談ください。
posted by kuyama at 14:12| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月01日

新型コロナ流行期の受診について<くやま小児科だよりNo237/2020/05>

小児科に行ってもいいの?
〜新型コロナウィルス感染症流行期の受診について

4月末現在、緊急事態宣言も延長されようとしていて、ご不安やお疲れも出てきているのではないでしょうか。

医療機関の受診も、迷うところのひとつですね。
お知らせブログでもこの時期の子どもの受診についてご案内していますが、当院の感染予防対策や受診の際のお願いも含めて、詳しくお話したいと思います。


<この時期の小児科の受診の目安は?>

いつもお伝えしている、夜間休日でも受診するべき目安と同じです。
(ただし濃厚接触者や健康観察対象者である場合は、まず地域の帰国者・接触者相談センターへTELを)

 ・熱が4日以上続く。(生後6ヶ月未満は1日以上)
 ・呼吸が苦しい。
 ・長引く咳(2〜3週間以上)
 ・嘔吐を繰り返す、下痢に血が混じる。
 ・日常生活や睡眠が妨げられる。
 ・水分が摂取できない、尿量が減る。
 ・ぐったりする、顔色が悪い。

具合が悪い方は受診を我慢せず、来院してください。
コロナのことについ目が向きますが、川崎病や通常の肺炎と診断し入院していただいたケースもあります。
熱や咳のある方は、通用口側に車を止めていただき、適切な感染防護のもとで診察しますのでご安心ください。

感染症以外でも、保護者が必要と思われた場合、ご不安があるときは控えずに受診してくださいね。


<予防接種や健診は「不要不急」ではありません!>

予防接種は、その感染症にかかりやすい年齢になる前に接種しておくことが重要です。
学会や厚労省も、極端な制限によって予防できる他の重要な病気の危険性にさらされることを避ける必要があるとの見解を出しています。
これまで通り接種できる年齢(月齢)になったら速やかに
接種するようにしましょう。
健診も、月齢ごとに必要な発達のチェックや病気の発見という大切な役割があります。通常通り4ヶ月健診と10ヶ
月健診を受けてください。
なお当院では、専用の時間帯を設けて行っています。


<当院の対策>

受付やトイレに消毒液の設置
待合室:予約人数を分散させ、席数を減らし、十分な間隔をあける、隔離室の使用
換 気:全方向の窓を開けて換気
消 毒:待合室、診察室、トイレなどの適宜消毒

なお感染症以外の方を診察する場合も、医師や必要なスタッフは防護用具を身につけています。ご了承ください。


<皆さまへのお願い>

・不急の受診は避けてください。
・必要な受診は控えないでください。
・感染症(熱や強い咳、嘔吐、下痢)の方は、通常通り予約した上で、受診前にお電話ください。

・院内へは最小限の人数で
 患者さんと保護者1名でお願いします。(兄弟は止むを得ない場合だけ)

なお現状では混み合うことはありませんが、お急ぎでなければ、午後の時間帯の方がより空いています。

大変な日々ですが、お互いにがんばりましょう**
posted by kuyama at 15:51| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月25日

早めの対策を!子どもの花粉症<くやま小児科だよりNo236/2020/01>

もうすぐ花粉症の季節がやってきますね。
日本では3人に1人とも言われ、子どもも2、3歳からみられます。

大切な心がまえは2つ。

1)症状が出始める前から対策を!
 先手必勝です。

2)対策の第1は、浴びる花粉を減らすこと!
 症状を和らげ、薬も減らすことができます。


<浴びる花粉を減らすには?>

眼 :花粉症対策メガネ、コンタクトは外す、洗う(しかし症状が強くなったら勧められません)
鼻 :マスク(しっかり鼻の周囲をおおう)、鼻の入り口にワセリンを塗る
全身:洗顔、洗濯物や布団は室内干し、花粉がつきにくい上着、外出から帰ったら衣類を玄関で脱ぐ、外出を減らす

花粉症対策メガネは抵抗のあるお子さんが多いですが、一番効果があります。お子さんが嫌がってもぜひお勧めください。
鼻の入り口にワセリンを塗る方法は、花粉を鼻に入れない効果があります。


<症状に合わせたお薬>

内服薬
抗ヒスタミン剤、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド(重症の場合のみに短期間限定)

外用薬
眼(アレルギー性結膜炎):点眼薬(抗ヒスタミン剤、ステロイド)
鼻(アレルギー性鼻炎):点鼻薬(抗ヒスタミン剤、ステロイド)
皮膚(花粉症皮膚炎):ステロイド軟膏


<眼を傷つけないことが大切!>

眼がかゆいと、お子さんはがまんできずに眼をこすります。
目をこすり続けると角膜に傷がつきます(角膜外傷)。
角膜の傷は皮膚と違って治りにくく、繰り返しているうちに外傷性白内障(角膜が白く濁る)になると、視力障害が残ってしまいます。
繰り返し目をこすっていたら、放置しないで花粉症対策メガネをつけた上で医療機関を受診してください。


<根本的な治療もあります>

免疫療法といって、アレルギー体質に働きかけてアレルギー反応を抑える治療法です。
上にあげた対症療法と比べて、より根本的な治療法です。
免疫療法はアレルゲンを体に入れる治療です。
以前は皮下注射で行われていましたが、現在は口(舌下)からの「舌下免疫療法」が主流です。

舌下免疫療法ってどんな治療?
アレルゲンエキスを舌の下に入れて、しばらく待った後飲み込みます。
エキスは現在スギとダニの2種類がありますが、ここではスギだけご説明します。

薬剤名)シダキュア(スギ)
対象年齢)原則5歳以上、アレルギー検査でスギ陽性の方。
効果)根治(完全治癒)は20%、効果あり(軽くなる)は80%。
副反応)人工的にアレルギーを起こさせるので、50%くらいはある程度のアレルギー(花粉症)症状が出ます。
薬の量を調節して、治療を続けます。

効果が出るまでに3週間〜3年、原則3年間は続けます。根気が必要です。

花粉症シーズンが終わってから始まるまでの期間に、治療を開始します。


繰り返しになりますが、症状を少しでも楽にするためには、症状のスイッチが入る前の「早めの対策」が大切です。
また薬を使っているからと、花粉からの防護がおざなりになるのは本末転倒。
少しでも楽に、薬を最小限ですませるためにも、原因である花粉を遠ざける工夫をして、この季節を乗り切っていきましょう。 
posted by kuyama at 12:11| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月25日

乾燥とスキンケアのお話<くやま小児科だよりNo235/2019/11>

これからの時期は、乾燥して肌荒れが起きやすい季節ですね。
最近は、肌の健康には「保湿」、という考え方が一般の方にもよく知られるようになりました。
今月はスキンケアのポイントと、スキンケアがアレルギーの予防にもつながるというお話です。

<赤ちゃんのお肌の特徴>

乳幼児の肌は弾力がありプルプルしていますが、皮脂の分泌が少なく表面はとても乾燥しやすいです。
さらにバリア機能が未熟なので、乾燥して肌が荒れると刺激物が侵入しやすくなって、繰り返し炎症を起こすことが多くなります。
冬のスキンケアのポイントは、「刺激から肌を守る」と「保湿」です。

<刺激から肌を守る>

刺激から肌を守るためには、洗い方と衣類に注意です。
洗い方は、添加物の少ないせっけんをよく泡立てて、手でやさしく洗ってください。
衣類は「ちくちく」「ごわごわ」しない、柔らかい材質を選びましょう。

<保湿がとにかく大切>

荒れた肌は、刺激に弱く水分も蒸発しやすくなります。
かゆみが出て掻くことでさらに荒れ、悪循環に陥ります。
保湿剤でしっかりバリアを補い、肌を守りましょう。
保湿剤選びは、夏は伸びがよくさらっとしたローションタイプのものが好まれますが、冬はべとつくくらいの保湿効果の高い「軟膏」がよいでしょう。

<保湿剤の使い方>

保湿剤は「取れたら塗る」がポイントです。
回数を多く塗ることです。
特に手や口のまわりなど、よく洗ったり拭き取ったりする場所は、その都度何度でも塗るようにします。
少しテカテカする程度に厚めに塗るのも大切です。
目安は、大人の人差し指の先から第1関節までの部分に軟膏をチューブから出し、大人の手のひら2枚分の面積に塗ると適量になります。(Finger Tip Unitといいます)
ステロイドをはじめどんな軟膏にも当てはまりますので、覚えておくと便利です。

<ステロイド軟膏が必要なことも>

炎症がおさまらないときには、保湿剤の他にステロイド軟膏が有効なことがあります。
ステロイド軟膏はアトピー性皮膚炎にかぎらず、炎症のある湿疹にも有効です。
ステロイド軟膏の使い方のポイントは、すっかりよくなるまで使い続けることです。
少し炎症が軽くなったら中止する使い方が多いですが、すぐに止めると炎症を繰り返してかえって使用量を増やすことになります。
よくなるまでは集中して使い続け、やめてよいかの診察を受けましょう。

<アトピーの予防のためにもスキンケアを>

アトピー性皮膚炎は、以前は食物アレルギーが主な原因と言われていました。
しかし研究が進んだ現在は、皮膚のバリア機能の異常が主な原因で、食物アレルギーは関係ないかあっても脇役と考えられるようになりました。
つまり、傷んだ皮膚から食物やダニなどアレルゲンが侵入してアレルギーが起こるるのです。
現在では、食物アレルギーはアトピー性皮膚炎の「原因」というより「結果」であることがほとんどと考えられています。このように皮膚を通してアレルギーが起こることを「経皮感作」といいます。
乳幼児の荒れた肌によいスキンケアをすることは、この経皮感作を防ぐためにも大切なのです。
posted by kuyama at 00:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月24日

必ず使おう!チャイルドシート <くやま小児科だよりNo234/2019/10>

自動車の運転者は、チャイルドシートを使用しない6歳未満の幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。(道路交通法第71条の3第3項)

チャイルドシートの使用は、法律で定められた義務です。

今年6月に警察庁と日本自動車連盟(JAF)が全国でチャイルドシートの調査を行い、その結果が公表されています。
10月12日の朝日新聞にも記事が出ていましたので、こちらも参考に内容をまとめてみました。

<義務付けられているのに、高い未使用率>

調査の結果、乗用車に乗っていた6歳未満の3割が、チャイルドシートを使っていなかったそうです。
1歳未満の乳児では12%でしたが、5歳では52%と、年齢が上がるほど、未使用率は高くなっていました。
年々、使用率は高くなっているということですが、大人のシートベルトと同様、法律で義務付けられているのですから、100%であってほしいものです。
大きくなると嫌がるから、というのは理由にはならないのです。
大人と同じように、また飛行機に乗る時と同じように、車ではチャイルドシートを使うのだと教えて、子どもの安全を守るべきでしょう。

<チャイルドシートを使用しない場合の致死率>

警察庁によると、チャイルドシート不使用者の致死率は、適正使用者の約13.4倍であったそうです。
そういう状況で我が子を亡くしたら、親御さんは後悔してもしきれないことでしょう。
防止できる方法があるのですから、自分だけは大丈夫と思わずに、使用していただきたいものです。
というか、これはおすすめではなく、法律で運転者に課せられた義務なのです。

<成長に合わせたシートを正しく>
せっかく使っていても、正しく座っていたのは乳児用で42.3%、幼児用では32.9%と、残念ながら半数以上に何らかの誤りがありました。

JAFのサイトに、「はじめてのチャイルドシートクイックガイド」という記事があり、動画などでわかりやすく解説されています。
子どもの成長に合わせていろいろなタイプのシートがあり、それぞれに装着のポイントがあるようです。
大きなポイントとしては、エアバッグで圧迫される恐れがあるので、シートは後部座席に取り付けた方がよく、それぞれのシートの説明書をよく読み、しっかりと座席に固定することが大切とのことです。

<チャイルドシートは何歳まで必要?>

JAFでは、小さな子が大人と同じシートベルトをすると、首やおなかなどに食い込む危険があるため、6歳を過ぎても、子どもが身長140センチ程度になるまでは、チャイルドシートの利用を勧めているそうです。

これから行楽によい季節、どうぞ安全運転で楽しまれてくださいね。
posted by kuyama at 09:03| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月23日

おたふくかぜによる難聴を防ぎたい <くやま小児科だよりNo233/2019/08>

おたふくかぜによる難聴を防ぎたい 〜MRとの同時接種でワクチンを

おたふくかぜの深刻な合併症に、「ムンプス難聴」があります。
昨年の朝ドラ「半分、青い。」の主人公がこのために片耳が難聴になったことで、認知度が高まりました。
これからことばを獲得するお子さんがかかると、その後の発達に重大な影響を及ぼします。
おたふくかぜワクチンは、日本ではまだ定期接種になっていませんが、接種をおすすめしたい大切なワクチンです。
先進国では、ムンプス難聴はほとんどみられません。

<まれではない、ムンプス難聴>
日本での発生頻度は、今まで1000〜4000人に1人とされていましたが、最近の研究では数百人に1人との報告もあり、決して稀ではないことがわかってきました。

<ムンプス難聴の特徴>
ほとんどが片側性で、稀に両側性もあります。聴神経が障害される感音性難聴です。
ムンプス難聴が重大なのは、難聴の程度が高度なこと、治療法がないため治らないこと、小児の難聴の原因の多くを占めていることです。特に乳幼児期にかかると、ことばを獲得する時機を失うことがあります。
不顕性感染といって、典型的な症状がなかったために感染に気づかず、発見が遅れることもあります。

<その他の合併症>
男性のムンプス患者の20〜25%が精巣炎を発症し、生殖機能が低下することがありやはり治療法はありません。
身近な感染症ですが、このように治らない重大な合併症があることを知っていただきたいと思います。

<ワクチンがただひとつの予防手段>
おたふくかぜワクチンの有効性は世界中で認められており、2015年現在121カ国で定期接種(麻疹・風疹・おたふくかぜの混合ワクチン)となっています。
日本では定期接種になっていないため、重要性が低いと考えられがちですが、制度が追いついていないだけで、決して他のワクチンより必要性が低いわけではありません。

<当院での接種状況>
日本全体では30-40%と言われていますが、今の小さいお子さんはどうなのでしょうか。
当院では、1歳になったらすぐにMR、水痘、ヒブなどとの同時接種をおすすめしていますので、MR(印西市の定期接種対象者の接種率は99%)の接種数に対するおたふくの割合を調べたところ、2018年度は83%という数字でした。おおざっぱな数字ではありますが、当院を利用する多くの親御さんが、接種をしてくださっていると思います。
水痘やB型肝炎が定期接種となり、経済的に受けやすくなったことや、最近の「ワクチンで防げる感染症」に対する親御さんの意識の高まりもあるかもしれませんね。

<予防接種の受け方は?>
より確実な予防のためには、2回接種が必要です。
オススメのスケジュールは、
初回接種:1歳、MR(麻疹・風疹)・水痘・ヒブ・肺炎球菌などと同時接種
追加接種:就学前のMRワクチンと同時接種
ただし、追加接種は感染リスクが高い場合(集団生活など)は、就学前を待たずに行ってもよいでしょう。
また年齢制限がないので、何歳でも(おとなになってからでも)接種できます。

必要性やスケジュールなどについて、ご心配や疑問点がありましたらご相談ください。
posted by kuyama at 13:45| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月24日

夏カゼがはやってきました <くやま小児科だよりNo232/2019/06>

保育園などで手足口病が目立ってきました。ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱なども出てきています。
これらは「夏カゼ」とも呼ばれる感染症で、コクサッキーウイルス、エンテロウイルス(手足口病、ヘルパンギーナ)、アデノウイルス(咽頭結膜熱)などが原因です。
夏カゼは、高熱が出ても期間は短く、軽くすむことが多いです。
典型的には、40度くらいの熱が1〜2日ですぐ下がり、咳や鼻汁がなく、手足や口や身体にぶつぶつができる、というものです。
感染しても症状が出ない(不顕性感染)ことや、熱だけ出る、などそれと気付きにくいパターンも多いです。
代表的な3つの感染症について、ご説明します。

<手足口病>
感染経路:飛沫感染、接触感染、経口感染
潜伏期間: 3〜5日
症状:手、足、口、おしりに水泡が出ます。
熱は出ることも出ないこともあり、咳や鼻汁や下痢もたいていありません。
発疹は一部だけ、身体全体と様々で、へルパンギーナやウィルス性発疹症と区別がつかないことがあります。

<ヘルパンギーナ>
感染経路:飛沫感染、接触感染、経口感染
潜伏期間:2〜4日
症状:突然の高熱が1〜3日続き、口内炎を作ります。咳や鼻汁や下痢はありません。
口内炎ができて初めて診断されますが、熱から1〜2日遅れることが多いので診断されないことも多いです。
後から手足口病に変わることもよくあります。

<咽頭結膜熱(プール熱)>
感染経路:飛沫感染、接触感染
潜伏期間:5〜7日
症状:発熱・咽頭炎・結膜炎を3主症状とし、リンパ節の腫れ、腹痛、下痢がみられることもあります。

<どんなことに気をつける?>
基本的には軽い病気で、特効薬もないので、症状に合わせたケアで回復を促します。
高熱であれば涼しくして、脱水に気をつけますが、口の中の痛みが強い時は、水分を取りにくいので気をつけます。
食事は、柔らかく、刺激の少ない味付けのものにしましょう。

<夏カゼに隔離は必要ですか?>
夏カゼは見つかりにくい(不顕性感染)、症状が消えても感染力はしばらく残るため、隔離しても感染を防げません。
したがって、ほとんどの園や学校では隔離されず、治癒証明書も必要ありません。
当院でも園からとくに指定されない場合は、元気になったら集団生活はかまわないとお伝えしています。
2歳くらいまでに誰でも感染を経験する病気ですから、お互い様と考えましょう。

★感染症と登園登校の届出については こちら
posted by kuyama at 14:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月17日

感染症と登園登校の届出のお話 <くやま小児科だよりNo231/2019/05>

ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。
休み明けは、しばらく学校などでの感染症は少ないのですが、これからの季節は溶連菌感染症や夏カゼなど、増えてまいります。
そこで、新学期でもありますので、感染症から回復して集団生活可能となった場合に園や学校から求められる、「意見書」や「登園届」などについて、当院の対応をご説明します。

◆園や学校の感染症予防
園や学校は集団生活の場ですから、感染予防は大切です。
そこで、学校保健安全法というものがあり、出席停止や臨時休業などについて定められています。
保育園は学校ではありませんが、厚生労働省のガイドラインにはこの法令に準じて対策するように書かれています。

保育所における感染症対策ガイドライン 厚生労働省


ここには、意見書などについて、以下のように書かれています。
『子どもの病状が回復し、集団生活に支障がないという診断は、身体症状、その他の検査結果等を総合的に勘案し、診察に当たった医師が医学的知見に基づいて行うものです。罹患した子どもが登園を再開する際の取扱いについては、個々の保育所で決めるのではなく、子どもの負担や医療機関の状況も考慮して、市区町村の支援の下、地域の医療機関、地区医師会・都道府県医師会、学校等と協議して決めることが大切になります。この協議の結果、疾患の種類に応じて、「意見書(医師が記入)」又は「登園届(保護者が記入)」を保護者から保育所に提出するという取扱いをすることが考えられます。なお、「意見書」及び「登園届」については、一律に作成・提出が必要となるものではありませんが、協議の結果、「意見書」及び「登園届」の作成・提出が必要となった場合には、事前に保護者に十分周知することが重要です。』

◆印西市の公立保育園の場合
医師の診察を受けて集団生活に支障がないとする医師による「意見書」が必要な感染症として、麻疹、風疹、水痘、おたふくかぜ、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎、百日咳などをあげています。
その中に、インフルエンザは入っていません。インフルエンザの場合は、「インフルエンザ登園届」を保護者が記入することになっています。
また、先に紹介した厚生労働省のガイドラインにより、溶連菌感染症、マイコプラズマ感染症、手足口病、りんご病、ウイルス性胃腸炎(ノロ、ロタ含む)、ヘルパンギーナ、RSウイルス感染症、帯状疱疹、突発性発疹は、登園のめやすが定められており、医師による意見書は必要ないことになっています。
当院は、これらに準じた考え方で、対応しています。

◆医師の意見書が必要ない感染症、その理由は?
必要がない理由は以下の通りです。

1)不顕性感染が多い。
感染していても症状がなく診断されない人が多い病気で、症状がある人だけを隔離しても感染を防ぐことはできません。

2)乳幼児期にほぼ全員がかかる感染症。
マイコプラズマ感染症、RSウイルス感染症、ウイルス性胃腸炎など。

3)症状が消失してからも長く感染力が残るもの。

以上の理由から、症状の消失をもって集団生活に復帰とすることは、感染症の拡大を防ぐ目的では医学的な意味がありません。

◆独自に基準を設けている施設の場合
私立の園などでは、それぞれの実情や管理者の考え方により、ガイドラインに定められていない感染症に対しても、医師による意見書や「治癒証明書」を求められることがあるようです。
当院としては、先に述べたように医学的には必要はないと考えますが、書類は発行いたします。
その場合は、診察予約をせずに、診療時間内(水曜日は除く)に指定の書類を持って直接窓口におこしください。
ただし、お子さんのその後の病状でご心配やご相談がある場合は、通常通りご予約の上来院してください。

なお当院では、意見書は文書料として500円(税込)を申し受けています。

お子さんの病気と集団生活に関して、わからないことやご心配がありましたら、受診の際にお尋ねください。

posted by kuyama at 08:18| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月14日

「授乳・離乳の支援ガイド」2019年版について<くやま小児科だよりNo230/2019/04>

新学期が始まりました。ご入園ご入学、そして進級された皆さん、おめでとうございます。
喜びの中にもちょっぴり緊張もある季節。小児科の窓からも、エールを送っています。

さてこの3月、「授乳・離乳の支援ガイド」2019年改訂版なるものが厚労省より発表されました。
「新ガイドで母乳神話はなくなるのか」などとネット上でも話題になり、関心をもった方もいるかもしれませんね。
ここでは、その中から母乳育児を取り上げ、小児科医の立場から考えてみたいと思います。

続きを読む
posted by kuyama at 11:37| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月11日

花粉症の新しい治療 <くやま小児科だよりNo229/2019/03>

この春も、多くの花粉症の患者さんが来院されています。
年々発症が低年齢化しているように思います。

今回は、来シーズンに備えてこれからできる治療のお話です。
花粉のシーズンが終わって(6〜12月)から開始します。

花粉症は、以前は症状を緩和する対症療法(抗ヒスタミン剤、ステロイド、点眼薬、点鼻薬)だけでしたが、2014年から「舌下免疫療法」という新しい治療法が保険適用になりました。
免疫療法というのは、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。
具体的には、アレルゲンのエキスを舌の下に垂らしてから服用、その量を少しずつ増やしていきます。

現在、この治療法でスギ花粉症、ダニアレルギーの治療が可能ですが、ここではスギ花粉症のお話を中心に進めます。

なお当院では、この治療を行うのは原則として気管支喘息で当院で定期治療を行っている方で、アレルギー性鼻炎・結膜炎を併発している方に限らせていただいています。(ダニアレルギーの治療も行っています。)
その他の方は、この地域にも耳鼻科をはじめとして舌下免疫療法を行っている医療機関が複数ありますので、ご希望の方は鳥居薬品のサイトから検索してみてください。

スギ花粉症の舌下免疫療法のご説明>>

続きを読む
posted by kuyama at 08:00| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月18日

アンケートご報告 <くやま小児科だよりNo228/2019/02>

少しずつ、春の気配が感じられる今日この頃です。
インフルエンザも、下火になってきました。

昨年末、予防接種の予約システム「主治医ドットコム」の自動サービスを利用して、アドレス登録されている方にアンケートをお送りいたしました。
455名の方からご回答をいただきました。
98%が女性で、お母さんが主に予約をしてくださっているようです。
お忙しい中、ご意見やメッセージを寄せてくださった方も多く、心より感謝申し上げます。

主な結果は、以下の通りでした。

続きを読む
posted by kuyama at 08:07| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月15日

インフルエンザが流行しています <くやま小児科だよりNo227/2019/01>

お正月はいかがお過ごしでしたか。
あらためまして、本年もよろしくお願い申し上げます。

さて、インフルエンザのシーズンです。
立ち上がりが早かった昨シーズンより遅いペースですが、今年も本格的な流行期に入りました。
この1、2週間がピークになると思われます。

<予防>
体調管理(十分な休息睡眠、バランスのよい食事など)に気をつけ、手洗いの励行や人ごみを避けるなど、心がけてください。

<かかってしまったら>
水分補給、しっかり休むこと(睡眠、安静)が大切です。

<治療>
抗ウイルス薬(内服、吸入、点滴)、漢方薬、症状を和らげる薬などがありますが、必ず必要というわけではなく、年齢や症状に合わせてご相談の上処方します。
一番の治療はおうちでの養生(水分補給や睡眠)で、免疫力を助けることです。

<咳エチケットなど>
インフルエンザでも高熱が出ない軽い病状の方もいて、気づかずに人にうつすこともあるので、咳が出るときはマスクする、口に手を当てて咳をしたら手洗いをするなど、感染予防の一般的な注意も大切です。

<異常行動に注意!>
抗ウイルス薬の種類や服用の有無によらず、異常行動が報告されています。
少なくとも発熱から2日間は注意が必要です。
多くは軽度の熱せん妄(うわごと、突然泣き出す、大声を出す)などですが、時に突然走り出す、飛び降りようとするなどの危険行動が現れることがあります。
玄関や窓に鍵をかける、1階やベランダに面していない部屋で寝かせるなどの対策をしましょう。

厚労省「インフルエンザの患者さん、ご家族、周囲の方々へ」

参考
厚生労働省のインフルエンザQ&A
posted by kuyama at 15:02| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月17日

年末年始の病気で困ったときは <くやま小児科だよりNo226/2018/12>

はや今年も残りわずか、慌ただしい毎日をお過ごしのことと思います。
寒さが本格的になり、インフルエンザも出てきました。
年末年始はクリニックの多くは休診となりますので、お子さんの夜間休日の受診について、おさらいしておきましょう。

小児救急電話相談(#8000)

医療機関にすぐに受診させた方が良いか迷われたとき、ご相談ください。
専門の研修を受けた看護師、医師が対応します。

◎毎日 午後7時から翌午前6時まで

【電話番号】
プッシュ回線の固定電話・携帯電話からは、局番なしの#8000
ダイヤル回線、IP電話、光電話、銚子市からは 043(242)9939

◎重症の場合は迷わず「119」へ!

印旛市郡小児初期急病診療所
(休日・夜間・年末年始)
佐倉市江原台2-27 健康管理センター内
043-485-3355

◆生後6ヶ月未満は早めの対応を!
この月齢で発熱や嘔吐などがあるときは、早めに問い合わせや受診をしましょう。

こどもの救急(ONLINE-QQ)
気になる症状をクリックしていくと、受診の目安がわかります。
また、どう対応したらよいかや、症状別のお家でのケアの仕方がわかって便利ですよ。
(厚生労働省、日本小児科学会監修)

◆ホームケアを知って安心
当院のホームページでもご紹介しているので、参考になさってください。

*印刷版のくやま小児科だよりは2018年8月号をもって終了しました。
 今後は不定期に、ブログから情報発信いたします。


posted by kuyama at 08:57| くやま小児科だより・ブログ版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする